池本克之です。
人間は、外見よりも中身が大切だ。
どんなに容姿が整っていて、
奇麗で立派な服装をしていても、
性格や能力が良くなければ、
人間としての評価は低い。
そんなことは、私たちは100も承知だ。
それなのに、私たちはどうしても、
人の外見に影響されてしまう。
特に、第一印象のインパクトは、
実際、かなり大きい。
これは、心理学では「初頭効果」と呼ばれ、
最初に受けた情報が最も人の記憶に定着しやすい、
ということが、科学的にも明らかにされている。
一流の経営者は、とうにそのことを知っている。
そして、それを常に意識している。
社長の外見や服装は、
組織の第一印象という、
大切な責任をまとっているのだ。
社長が清潔で真面目な印象であれば、
その会社全体も、清潔で真面目にちがいない、
と私たちは想像しがちだ。
また、社長が自由でユニークな印象であれば、
その組織も自由でユニークな仕事をするのだろう、
と想像してしまう。
衣料品や雑貨のセレクトショップ、
ビームス(BEAMS)の設楽社長は、
普段は、次の日に会う人のことを考えて、
前日にコーディネートを決めているそうだ。
しかし、昼は銀行で融資の話をし、
その足で夕方はアーティストたちと打合せ、
という日も、仕事上どうしてもある。
アーティストを意識した、
くだけた服装で銀行へ行けば、
「この人に融資して大丈夫か?」
と思われるだろうし、
銀行を意識した、
お堅い服装でアーティストに会えば、
「この人に、自分たちの感性は、
わからないだろうな」
と思われてしまう。
そこで、どうしたか?
昼間はネクタイを締めて銀行へ行き、
夕方はネクタイをストールに変え、
帽子を被って変化を付けたそうだ。
銀行ではきちんとした印象を与え、
融資を受けることができたであろうし、
アーティストとの打合せでは、
打ち解けて良い成果が出ただろう。
私はここで、
「だから社長は、様々な場面に対応できるよう、
ストールや帽子などのアイテムも揃えるべきだ」
と言いたいのではない。
そこまでして、外見に気を遣うことが、
「相手への礼儀」だと考えるその意識。
それこそが、一流の社長・経営者であり、
見習うべき姿勢だと言いたいのだ。
社長や経営者というのは、
仕事に対する姿勢や考え方と同様に、
外見や行動もその組織を代表するものとなる。
対外的な影響ばかりでなく、
社内にも同じ効果が発生する。
自分の組織のトップである社長が、
どんな服装や髪型をしているか、
どんな物を持ち、どんな香りを発しているか、
部下たちのアンテナは敏感だ。
社長が仕立ての良い服を着ていれば、
「やっぱり、社長は着る服も一流でカッコイイな」
と憧れるだろうし、
品の良いカジュアルスタイルをしていれば
「普段着もオシャレでいい感じだな」
などと親近感を覚えるだろう。
スタッフたちは、仕事上の指示だけでなく、
服装や振る舞いなどについても、
社長や経営者の影響を受ける。
そういう現象が、
組織に一つのカラーを生む。
それがすなわち、
ブランドである。
私達社長は、
常に見られ、評価され、
周囲に影響を与えているということを、
自覚しているべきだ。
社長の存在そのものが、
会社のブランドなのだ。
自分の部下に良い影響を与え、
仕事相手に良い印象を与える。
そんな存在でありたいものだ。
(参考)
Men's Fashion,THE NIKKEI MAGAZINE
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