池本克之です。
社長という立場では、
ときに「正しいこと」を
言わざるを得ない場面がある。
数字を守ること、
品質を維持すること、
顧客の期待に応えること。
どれも経営に欠かせない大切なことだ。
けれど、その正論が社員にとっては
時にきつく聞こえ、
「また厳しいことを言っているな」と
感じられてしまうことがある。
決して社員を追い詰めたいわけではないのに、
結果的にそう伝わってしまう。
このすれ違いは、
経営に携わる者なら
誰もが経験するものではないだろうか。
大切なのは、
正しいことをただ伝えるのではなく、
「どうしたら届きやすくなるか」を
考えることだ。
まず意識したいのは、
社員の現実に触れてから話すことだ。
「売上をもっと上げよう」と言う前に、
「今は暑さの中で本当に大変だと思う」
「現場の忙しさはよく分かっている」と
一言添える。
これだけで社員の受け止め方は大きく変わる。
「分かってもらえている」と感じられると、
人は耳を開きやすくなるからだ。
次に、正論を大きなスローガンで終わらせず、
小さな行動にまで落とし込む工夫がいる。
「顧客満足を高めよう」という言葉だけでは
漠然としているが、
「電話に出るときは
自分の名前をはっきり名乗ろう」
「作業の前に
安全確認を声に出してしよう」
といった具体的な行動に翻訳すれば、
社員は「それならできる」と思える。
小さな積み重ねが
大きな成果につながるのだ。
さらに欠かせないのは、
社員の声を吸い上げることだ。
一方的に「こうすべきだ」と
伝えるだけでは壁ができやすい。
けれど「やってみてどうだったか」
「どんな負担があったか」を
社員から聞き取り、改善につなげると、
言葉は押し付けではなく対話になる。
自分の意見が反映されたとき、
人はその方向性を
自分ごととして受け止めやすい。
そして何より大切なのは、
社長自身が行動で示すことだ。
暑さの厳しい現場に顔を出し、
社員と一緒に汗をかく。
営業数字を口にするだけでなく、
自ら顧客に足を運ぶ。
背中で語る社長の姿は、
厳しい言葉を温かい力に変えていく。
社員は「一緒にやっている」と
感じられるとき、
正論を支えとして受け止めやすくなる。
社長が正しいことを言うのは当然の責任だ。
けれど、
正しいことがそのまま届くとは限らない。
だからこそ、共感を添え、
具体的な行動に落とし込み、
社員の声を反映し、
自ら実践してみせる。
その工夫ひとつで、
厳しい言葉は「未来への合図」へと変わる。
正しさを厳しさで終わらせず、
温かさをもって伝えていくこと。
それが組織を前へ進める力になるのである。
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