動き出しが遅い組織の末路

池本克之です。



あなたは、社員から
こんな質問をされた経験はないだろうか?


「念のため確認よろしいですか?」


念のために確認するのは
何のためにするのかと言うと、

今からしようとしていることが
正しいかどうかわからないから
念のために確認するのだ。


しかし、確認する必要がなければ
仕事はもっと効率的になる。


そんなことを確認しなくても、

「この場面においては
これをこのようにする」


「A・B・Cと選択肢があったら
Aの選択をする、というのが
うちの会社の価値観だ」

ということが決まっていて、
そこで働く社員全員がわかっていればいい。


そうすると、結果どうなるかというと、
動き出しの早いチームになる。


しかし、これらがわかっていないと
動き出しの遅いチームになる。


さて、どっちの方が
結果が出やすいだろうか?


当然、早い方だ。



私たちは、時代の変化に
ついて行かなければならない。


変化は目まぐるしいし、とても早い。


そんな時に、

「さぁ、どうしようか…
AかなBかなCかな…」

と、みんなで考えて
社長の顔色を窺って、恐る恐る


「Aにしようと思うんですけど…」

と言ったら、


「馬鹿野郎!違うよ!
Bに決まってるだろ!」

と言われる。


このやり取りが非常に勿体ない。


もう、こういう場面は
誰が考えてもAならAと
決まっていることが大切だ。


なぜなら、それがスピードを生み、
早く動き出せることで
変化についていきやすくなるからだ。


・・・・・


今はコロナウイルスだが、これからも
いつどんなものが来るかわからない。


しかし、環境の変化が起きた時に
会社のトップである社長が

「こっちに行こう!」

「今、変化しなければいけない。
この状況だったら
こんなことをやっていこう!」


と、方向性を指し示した時に、
組織の価値観が揃っていれば
社員は社長についてこれる。


そりゃそうだろう。

普段から「うちの会社の価値観はこれだ」
と言われているので、全員が賛同しやすい。


しかし、価値観が揃っていなければ、
社員は

「これ、おかしいんじゃないですか?」
とか、


「別の選択肢があるんじゃないですか?」

「社長にはついていけません…」

というふうになりやすい。


もちろん、価値観に良い悪いはない。


これが絶対に正しい価値観、
これは絶対に間違っている価値観、
というのは実際にはない。


しかし、組織として集まって
仕事をしていこう、ということであれば、

「うちで働く上での基準はこれ」
「これがうちの価値観なんだ」

というようなものがなければ、
全員が好き勝手なことをして
バラバラになっていく。


自分がやりたいやり方で
仕事をするのであれば、
それは組織に属する必要はない。


むしろ、属してはダメだろう。


組織で、チームで仕事をしていくんだ、
乗り越えていくんだ、ということであれば、

そのチームの価値観に合わせて考えたり、
行動していく、という必要が出てくる。


全員が自分の好きなやり方で、
それぞれの価値観で仕事を進めていけば
収集がつかないことになる。


結果、行動が遅くなる。


そして、判断するのも遅れて、
対応が遅れる。


この変化の激しい時代において
そのような、遅れる、判断できない、
行動できない、というのは致命的だ。


そうならないためにも、
組織の価値観の統一を図っていただく必要がある。


・・・・・


さて、あなたの会社では
組織の価値観が統一されているだろうか?


変化の激しい時代に
組織の価値観が統一されておらず、
全員がバラバラに考え、行動していては
会社としての成長は難しい。


どんな環境になったとしても、
全員があなたと同じ方向を向いて進めるように、

ぜひ、価値観の統一をしていっていただきたい。



価値観が同じ組織はYESマン集団なのか?

池本克之です。



「価値観の統一をしよう」


こう言うと、こんなふうに言う人がいる。


「価値観が同じ人ばかりが集まって
組織を作っても、
意見の偏りがあるんじゃないのか?」


という疑問だ。


しかし、そんなことはない。


価値観が統一されることと、
同じ意見ばかりになることとは
ちょっと意味が違う。


例えば、「会社の売上を10億にしよう」
という目標があるとする。


これには、何らかの価値観に沿った
目的があるはずだ。


うちの会社が事業をやっていく目的は
こういうことなんだ。


その目的を実現するために
今年の目標は10億なんだ。


これをやっていくことで
目的は達成される。


という考え方があるだろう。


最終的に実現したいのは
10億という目標だろうか?


それとも、事業を継続していく
目的だろうか?


目標か?目的か?


これは、言わなくても目的のはずだ。


ところが、これを間違ってしまうと
こんなふうに考える社員が出てくる。


「10億の売上を11億にすればいいじゃないか」


「うちの会社の目的、
事業をやっていく目的も大事だけど
それよりも売上を11億にすることのほうが
いいじゃないか」と。


しかし、社長の価値観に沿わない目標を
達成したところで
目的が達成されなければ意味がない。


つまり、私がお伝えしている
価値観の統一というのは、
YESマン集団を作るわけではないのだ。


価値観からブレずに
目的を実現する最適な方法を議論できる
そういう組織が強い組織ではないか。


この変化の時代に変化で対応し、
厳しい時代を乗り越え、
生き残っていくためには、

価値観の統一を基にした目的を
実現するために議論する集団が
必要になってくるのではないか。

と考えているので、
価値観の統一をしようと
常々、伝えているわけだ。


・・・・・


これから時代は
ウィズコロナからアフターコロナへと
移り変わっていくだろう。


明らかに時代は変化している。


あなたも、そして、
あなたの会社も変化していただきたい。


ただ、変化する時に
闇雲にやってはダメだ。


変化するにしても、変化の仕方、
変化することに対する考え方を
組織として統一していく。


これがまさに、
変化に対応できる強い組織の源になっていく
基礎になっていくと私は考えている。


厳しい時代ではあるが、
組織で、全員で、共に生き残っていこう。