重要なのは「質よりも量」

池本克之です。



私は、新入社員が入ってきた時、
最初に評価すべきは
質よりも量だと考えている。


一般的に言われるのは、
量より質だ。


しかし、量をこなせないと
質も上がってこないので、
最初から質ばかりを求めていても非効率だ。


武道の世界には
量稽古と呼ばれる訓練法がある。


ある動きや型を
とにかく繰り返し反復して
体に覚えさせるのだ。


これは、上達するためには欠かせない
重要なトレーニングである。


この考え方は、
ビジネスの世界でも有効だ。


特に若いビジネスパーソンが
一日でも早く一人前になるためには、
量をこなすことが欠かせない。


実際、私自身も
量稽古をしていた時期がある。


大学を卒業した後、
中堅のリース会社に就職した時の話だ。


入社後の私はまさに仕事の鬼で
朝から晩まで人の何倍も働いていた。


業務量は途方もなく多く、
睡眠時間が3~4時間という生活も続いていた。


まぁ、この時の私は
部下に仕事を任せられない
ダメ上司でもあったのだが、

この頃にこなした膨大な仕事は
まさに量稽古となっていて、
私の血となり肉となったと考えている。


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量の話をすると、
質はどうなるんだ?と疑問に思う方も
いるかもしれない。


しかし、やはり
まずは質より量と考える。


なぜなら、量をこなしていれば
質は自然とついてくるからだ。


また、「量質転化の法則」
というのがあるように、
圧倒的な量が、やがて高い質に変わっていく。


部下には、まず仕事の量をこなさせ、
上司が「自分がやってきたのと
同じぐらいの量がこなせるようになった」
と考えた時に、量から質に転換させる。


この段階では基礎ができているので
部下はどんどん成長していくだろう。


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部下を一人前に育てるためには
質よりも量が大事。


量をこなすことで
質は自然とついてくるので
安心して量をこなさせることをオススメする。


そして、部下が一人前になった時、

あなたの時間はもっと空くようになり、
あなたがやりたい仕事に
よりあなたの時間を使えるようになるだろう。



仕事を任せられる部下の特徴

池本克之です。



いまどき部下と呼ばれる若者は、
超安定志向で失敗を過度に恐れる傾向がある。


また、人に対して
必要以上に遠慮する傾向もある。


そんないまどき部下に仕事を任せる時、
どんな人であれば
安心して仕事を任せられるだろうか?


それは、
「任されるストレスに耐えられる人」だ。


どんな仕事でも
任された以上は「責任」が発生する。


どんなに忙しくても
締め切りは守らなくてはならないし、
求められている水準の仕事をしなくてはならない。


そこには、少なからずストレスが生じる。


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私は、大学を出て最初に入社した
中堅のリース会社で
資金調達部門に配属になった。


都内に配属されるだろうと思っていたら
神戸出身だったこともあり、

いきなり
「大阪で資金調達をやれ」
と言われた。


配属された部署には課長が一人で
部下は私一人だけだったので、
最初は右も左もわからず途方に暮れたものだ。


けれども、これから勉強をして
レベルアップすればいいのだと
すぐに思考を切り替えた。


幸い、課長には
さまざまな仕事を任せてもらえたので、
私は大きく成長することができた。



しかし、もしも今の若い人が
私と同じような環境に放り込まれたとしたら…

耐えきれずに逃げ出すかもしれない。


繰り返しになるが、
どんな仕事も任された以上は責任が発生する。

そして、必ずストレスがかかる。


それでも、任された以上は
最後までやりきらなければならない。


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今の若者はストレスに弱いと
言われている。


しかし、全員が全員
弱いわけではない。


中には、
大きなプレッシャーがかかる場面で
実力を発揮できる
強いメンタルを持っている人もいる。


では、どうすれば
プレッシャーに強いタイプの人間と
プレッシャーに弱いタイプの人間を
見極めることができるのか?


それには、
普段どんな言葉を使っているのかを
見ればいい。


例えば、
プレッシャーに強いタイプの人間は、


「おもしろい」
「楽しい」
「なんとかします」


という、前向きな言葉を
普段から使うことが多い。


このようなタイプは、
たとえ仕事で失敗しても
いつまでも引きずることはない。


すぐに仕事に対して
前向きな気持ちを取り戻し、
次に活かすことができる。


逆に、プレッシャーに弱い人間は、


「どうしましょうか…」
「無理だと思います…」
「なぜ私が…?」


というような、
ネガティブな発言が多い。


このようなタイプに仕事を任せても、
仮にうまくいかなかった場合、

「ほら、やっぱりうまくいかなかった」
と思ったり、

うまくいかなかった原因を
仕事を任せた人のせいにすることがある。


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いまどき部下に仕事を任せる時、
安心して任せられるのは
「任されるストレスに耐えられる人」だ。


仕事を任せる人を間違うと
会社の成長は遅くなるが、
正しい人に任せれば
会社の成長は加速する。


ぜひ、
今日話した内容を参考にしていただき、
いまどき部下に仕事を任せていってほしい。