部下がすぐに動き出す指示の出し方

池本克之です。



多くの会社では、
曖昧な指示が横行している。


例えば、部下に指示を出す時、

「任せるから自由にやって」

というような
指示を出していたりする。


こういうことを言う上司に限って、
後になって

「そんなやり方じゃダメだよ」
と怒ることが往々にしてある。


部下にしてみれば、

「任せると言ったのに。
自由にやれと言ったのに」

と理不尽に感じるだろう。


部下に指示を出す時には、
細かすぎるくらい細かく出さなければ
部下を迷わせるだけだ。


曖昧な指示だと
部下の動き出しが遅くなり、
余計な時間がかかるようになる。


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例えば、会議に使う資料のコピーを
取るように指示するとする。


多くの上司は、単に
「コピーを取っておいて」
と言うだけだろう。


この指示だけでは、
部下は「はい」と言って、
会議に出席する人の
人数分のコピーだけを取り、

「終わりました」
と報告しかねない。


その時に、

「どうしてワンセットずつ
ホッチキスで留めておかないんだ」

「会議の前にテーブルに
配っておかないんだ」

と怒っても、後の祭りだ。


そういった作業の
すべてを指示しておかないから、
部下は迷う。


そして、お互いに余計なストレスを
抱えるようになる。


なので、このような場合は、
次のように指示しなければならない。


「すべてのページのコピーを
30人分取ってくれ。

その資料は6枚でワンセットだから、
順番にまとめて30セット作ってほしい。

それを一部ずつ、
会議室の机の上に配っておいてくれ。

会議は11時に始まるから
10分前には作業を終えるように」


このくらい細かく指示しておくと
部下は迷わずに済む。


そして、お互いが
余計なストレスを抱えずに済む。


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部下にすぐに動いてほしいのなら、
最初から細かく指示を出すことが重要だ。


もちろん、一度細かく指示しておけば
次からは

「前と同じように
会議用の資料を用意しておいてくれ」

で済ませても大丈夫。


重要なのは最初であり、
最初が肝心なのだ。



さて、あなたの会社では
曖昧な指示が横行していないだろうか?


部下がなかなか動いてくれない…
指示しても指示通りに動かない…
思ったような結果にならない…


というのなら、

今一度、部下に
曖昧な指示を出していなかったかどうか
確認してみてほしい。


それがお互いのストレスを減らし、
部下がすぐに動き出すきっかけになるだろう。




部下を成長させたいなら失敗を経験させよ

池本克之です。



部下に成長してもらうためには、
時には目をつぶって
失敗を経験させることが重要だ。


中には、私たちが自分の手を動かすことで
フォローできるレベルの失敗もあれば、

経営のバランスシートを左右するような
手痛い失敗もあるだろう。


しかし、これは一種の
教育コストである。


メンバーが新しい事業や
プロジェクトを提案してきた時、

うまくいかない予感があったとしても
本人に相当の覚悟と熱意があれば
あえてチャレンジさせることもある。


頭ごなしに

「そんなのは無理だ」
「うまくいくわけない」

と言ってしまっては、
もう二度と自分の考えを
言ってくることはないだろう。


それに、
「あの人には言ってもムダ…」
という空気が流れてしまう。


それでは、
せっかくチャレンジしようとしているのに
その芽を潰しているのと同じことだ。


何事にも絶対はない。


誰もが「絶対無理」と
思うようなことでも、

本人の熱意と努力次第では
成功する可能性だってある。


事実、そうやって成功した
ベンチャー企業はたくさんある。



本人の「やってみたい」という芽は
潰してはいけないと私は考えている。


その代わり、大事なことは
必ず最初に

「撤退のルールと基準を明確化しておく」

ということだ。


ビジネスなので、
利益は追求しなければならない。


例えば、

「半年で黒字化、
その間の累損はいくらまで。
それが達成できなければ撤退」

というようなルールを決めて
その上で思い切り行かせる。



何事も勇気を持って
チャレンジする中からしか
大きな成功は生まれない。


また、思い切って
ぶつかっていった経験がないと、
日々の仕事の中でも
思い切った行動が取れなくなる。



もちろん、私たち社長からすれば
勇気が必要なことだろう。


しかし、時には目をつぶって
失敗を経験させることも
部下を成長させるためには必要なこと。


そして、うまくいけば
その人の自信に繋がるし、

仮にうまくいかなかったとしても
そこから学ぶことは多い。


何がうまくいかなかった原因なのか?
どうすればよかったのか?

ということを考えさせ、
次回に活かしてもらえばいいのだ。


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人間は、経験から学ぶことが非常に多い。


そのことを理解して、
部下があなたに何か提案してきた時には

撤退のルールと基準を最初に明確化し、

後は、部下の背中を
押してあげればいいのだ。