見えない損失

池本克之です。 人間のモチベーションに影響するものの1つに、 会社の環境が悪い、というのがあります。 会社の環境が悪いとは、 働く場所がきれいではない、 働く人が何か不便を感じている、 というような状態です。 誰でも、きれいな場所で働きたい、 便利な環境で働きたい、と思うでしょう。 働く場所がきれいでなければ、 仕事の生産性にも影響します。 なぜなら、汚れている場所や 散らかっている場所で集中するのは とても難しいからです。 人は環境に影響を受けやすいものです。 職場が常にきれいであれば気持ちも良く、 仕事がはかどります。 また、オフィスがきれいなら、 その状態を保とうという意識が働き、 進んで清掃しようとも思います。 反対に、ふだんからきれいでなければ、 「このままでいい」 と感じてしまいます。 汚れていても、ゴミが落ちていても気にせず、 自発的に掃除しようとは思わないでしょう。 しかし、このままでは、 会社にも働く人たちにも悪影響です。 もし、お客様が来社された際、 オフィスが汚れていたら、 良い印象は持たれません。 それが会社に悪い影響を与えることも 充分考えられます。 あなたが気づかないうちに、 お客様や取引先へ悪い印象を与え、 売上にまで響いているかもしれません。 そうならないために、 掃除をするのは何のためか。 どうして必要なのか。 これをスタッフへしっかり伝えることが 重要です。 単に 「ゴミが落ちているから拾ってほしい」 「ここを掃除してほしい」 と言うだけでは、 その場では動いても継続は難しいでしょう。 なぜなら、言われたからやっているだけで、 理由を理解していないからです。 その結果、あなたが常に指示を出さねばならず、 毎回伝える負担がかかります。 人は、理由を知れば動きやすくなります。 「どうしてこんなことまで言わなければ」 と思うかもしれませんが、 自分と他人は違うと理解し、 大切なことはあなたの言葉で 直接伝えてください。 会社の環境は、働く人のモチベーションに 大きく影響します。 スタッフの生産性を下げないために、 また、知らぬ間に会社へ悪影響を 与えないために、 これは何のために行うのか。 どうして必要なのか。 この部分を具体的に教育されることを おすすめします。 「面倒だ」「時間がかかる」 と感じても、この小さな積み重ねが、 将来の会社の成長へ確実につながると 考えています。

組織管理の心得

池本克之です。 組織の運営に携わる者は それなりの管理責任がある。 「管理職」という言葉があるが、 そのようなポジションの人は、 何を管理しているのだろうか? 何を管理すべきなのだろうか? 予算管理、人員管理、 進捗管理など、 組織の中には管理を必要とすることが多い。 予算がきちんと組まれているか? スタッフが適切に配置されているか? 業務が予定通りに進捗しているか? これらを把握=管理し、 必要に応じで修正を加える。 それが上手くいかないと、 組織の経営も、上手くいっていないということになる。 そこでありがちな上司の行動は、 部下、すなわち「人」を、 管理しようとすることだ。 「部下を管理するのが上司の任務」 と考えている人は意外と多い。 部下の行動を監視し、 仕事のやり方を指導し、 時にはパソコンの書式設定にさえ言及する。 それは何故かと言えば、 部下を信頼せず、 小さなミスを恐れているからだろう。 しかし、部下にとっては、 自分の一挙手一投足に、 上司が常に目を光らせているという、 息の詰まる状況だ。 上司に信頼されていないと感じ、 何か怒られるのではないか?と怯え、 萎縮し、緊張しながら仕事に向かうことになる。 こんな状況では、部下は、 自分の能力を最大限に発揮できない。 新しいアイディアを提案することもできず、 ただ上司に言われたことを、 言われたとおりにやるだけだ。 上司は組織の成果を上げる目的で、 部下を管理しているのだろうが、 これでは成果が上がるどころではない。 組織の雰囲気さえも低迷してしまう。 信用されていない、と感じた部下は、 自信を失うだけでなく、 上司への信頼感も失うだろう。 これらはすべて、 「仕事」を管理することと、 「人」を管理することを、 混同してしまったための結果と言える。 管理すべきは、「仕事」であって、 「人間」ではない。 これをしっかりわきまえるべきだ。 目標達成へのプロセスには、 様々なルートや、手法があるだろう。 仕事として求められる目標を達成できるなら、 どのような個性で進めるかは、部下の自由だ。 仕事の進捗に問題がなく、 クオリティも想定通りであれば、 部下の行動に口出しする理由はないだろう 実際、私はそういう意味で 部下の管理はしていないし、 経過報告に問題がなければ、 そのまま、その仕事を部下に任せている。 もちろん、仕事の進捗状況が、 当初の計画から大きく逸脱するようであれば、 軌道修正のための打ち合わせや 指示を行うことはある。 その場合でも、部下という人間を咎めるのではなく、 一緒に仕事内容の問題点を取り出し、 改善策を見つけることが主眼となる。 このようなアプローチをとれば、 組織の雰囲気が悪くなることも避けられ、 皆が自発的に、 一つの目標へ向かうことができるだろう。 「人」は、組織の目標達成のための手段ではない。 上司が好きに動かしていいコマでもない。 あなたが今まで必死に人を管理してきたのなら、 今すぐ認識を改めて欲しい。 そのことは、 あなたの組織にとって きっと良い成果をもたらすだろう。

部下との関係を変える一言

池本克之です。 「どうしてそんな失敗をしたのか」 「ああ、あの人はいつもダメだ」 組織で仕事をしていると こんな声が聞こえてきそうです。 上司の中には部下がした失敗や 部下の未熟さばかりに目を向けて 良いところが見えていない人がいます。 多くの人は相手の良い部分よりも 悪い部分に目が向きがちです。 さらに悪い部分は記憶に残りやすく 何度も思い出してしまいます。 とはいえ相手の良い部分を 理解していれば良いのですが 悪い部分しか見えていない場合は 相手へのイメージが悪くなり 人間関係にヒビが入ることがあります。 こうなるとお互いに信頼関係を築くのは 非常に難しいでしょう。 部下も悪い部分だけを指摘する人と働くのは やりにくく一緒に仕事をしたくないと感じます。 誰でも良い部分があれば褒められたいものです。 また直接言ってもらいたいと感じます。 それがモチベーションになる人もいます。 とはいえ部下をどう褒めればいいのか 悩む上司は多いようです。 実際書店には「部下の褒め方」に関する本が たくさん並んでいます。 それだけ褒め方で悩む人が多いということです。 確かに褒めることは大切ですが 単に 「素晴らしい」 「さすが」 「すごい」 と根拠もなく頻繁に褒められては 部下も上司が本心で言っていないと感じ 嬉しくありません。 「本当にそう思っているのか」と 疑うかもしれません。 ではどのように褒めれば良いのでしょうか。 それには「あなたに起きた変化」を 具体的に伝えると効果的です。 例えばあなたが部下に仕事を任せ 部下がその仕事を立派にやり遂げたとします。 そのとき「よくやってくれた」と 言うだけではなく 「君がよくやってくれたおかげで 私は助かった。A社への対応に集中できたよ」 と伝えてください。 自分に起きた事実を共有されると 部下は「自分は役に立てたのだ」と感じ 嬉しくなります。 また相手にどのような変化が生じたかを 知ることで自分の存在意義を実感できます。 このようにただ「よくやってくれた」と 言うのではなく自分に起きた変化まで 伝えることでお互いの人間関係は より良くなります。 部下との関係が良くなれば 仕事はスムーズに進み部下を信頼して 仕事を任せられるようになります。 そうすることであなたの時間にも 余裕が生まれます。 私たちは相手の悪い部分ばかり に目を向けがちです。 しかしそれでは長期的に良い関係を 築くのは難しいものです。 相手の良い部分にも目を向け 褒めるときは必ず自分に起きた変化を 伝えることを私自身も忘れないように したいと思います。

変化に強い会社は「◯◯」を持っている

池本克之です。 2025年のビジネス環境は AIの急速な進化 円安と物価高の継続 そして人材不足という 三重苦にさらされている。 大企業でさえも 事業ポートフォリオの見直しを迫られ、 中小企業は 何を伸ばし、何を手放すか、の 意思決定を迫られている。 このような時代に強い会社は 共通して 「経営の判断軸」を持っている。 景気に左右されず、ブレずに動けるのは、 判断軸があるからだ。 たとえば 「どんな顧客に どんな価値を届けるのか」が 明確であれば、 不要な事業や惰性で続けている施策を 手放すことができる。 そして資源を集中し、 変化をチャンスに変えることが 可能になるのだ。 経営とは、毎日が意思決定の連続だ。 その質が業績を左右し、 社員の士気を左右し、 そして最終的には企業の未来を左右する。 だからこそ、判断軸を磨き続ける必要がある。 変化は恐れるものではない。 武器を持っていれば、 むしろ歓迎すべき時代だ。

社員が素直に従えない理由

池本克之です。 会社にいると、 何かしらのルールがあるでしょう。 そのルールの多くは、 社長の価値観に由来するものです。 もちろん、ルールが存在することは、 悪いことではありません。 会社をより良くするためには、必要です。 しかし、時にはそのルールが、 社員へネガティブな印象を与え、 社長との人間関係を悪化させる 原因になる場合があります。 どういうことかと言うと、 何らかの理由で、会社にルールを 追加する場面を想像してください。 そのルールをスタッフへ共有したとします。 ここまでは問題ありませんが、 単に 「いついつからこのルールを実行するように」 と伝えただけでは、いきなり言われた側は 「なぜ?」と感じるでしょう。 「またルールが増えた…」 と嫌な気持ちになる人もいます。 そうなると、実行はされても 内心は納得していないため、 「面倒だな…」と思われがちです。 中には、守らない人も出てくるかもしれません。 「どうせ守らなくてもバレないだろう」 と考えて、実行しないわけです。 これでは、会社は良い方向へ進みません。 スタッフの行動一つで、お客様や 取引先へ迷惑がかかることさえあります。 わずかな不備が、会社へ大きな影響を与え、 最悪の場合、経営を揺るがす可能性も あるのです。 私たちは、今まで無かったものが突然来ると 嫌だと感じやすいものです。 既存のルールは問題なくても、 新たなルールは、慣れるまでに時間がかかり、 最初は拒否反応が起こりやすいのです。 現状維持の方が、誰でも楽だからです。 しかし、組織が大きくなれば、 ルールが増えるのは避けられません。 仕事の中で不具合が見つかれば、 追加せざるを得ないこともあります。 では、スタッフが納得し、新しいルールを 正しく実行してくれるようにするには どうすれば良いのでしょうか? それには、 なぜそのルールを追加するのか? ルール追加の背景には何があるのか? ルールを追加するとどう変わるのか? これらを具体的に伝える必要があります。 そうしなければ、単なる追加と受け取られ、 「またルールが増えた…」 とネガティブな印象しか残りません。 社長一人で経営をしているのなら、 自分が納得するルールで動けば済みます。 しかし、スタッフがいる以上、 その人たちにも守ってもらう必要があります。 スタッフに正しい行動を取ってもらうために、 新しいルールを追加するときは、 具体的な説明を行ってください。 それが、スタッフに正しい行動を促す 最短の道になるでしょう。

社長の考えなんて知らない

池本克之です。 組織がまとまらない… 同じ方向を向いて進めない… このような悩みは 多くの企業で見られます。 そして、多くの社長が頭を抱える 課題でもあります。 組織がまとまらなければ、 実現したいことを思うように実現できません。 そこにいる人たちが 社長と同じ方向を向いていなければ、 社長だけが経営を考え続けて 走り続ける状態になります。 スタッフはと言えば、 「早く休みにならないかなぁ…」 「もっと休みが欲しいよね」 「わかる~」 といった会話を当たり前のように 交わしています。 これでは、社長はいつまで経っても孤独です。 一生懸命取り組んでいるのに その思いが伝わらず、 イライラすることもあるでしょう。 一生懸命会社を良くしようとしているのに それが伝わらない。 なぜでしょうか? 大きな要因は、 社長の考えが浸透していないことです。 社長の考えが分からなければ、 やる気をなくす原因になります。 何を考えているのか分からず、 小さな行き違いが起こりやすくなります。 その結果、信頼関係が薄れ、 人間関係まで悪化してしまいます。 経営層に近い人たちでさえ 社長の考えが分からないとすれば、 その他の人たちは 社長の考えを知らないに等しいでしょう。 社長の考えを知らない組織は バラバラの方向を向きます。 短期間で人が辞めたり、 社長の望む行動が取れず、 成果も出しにくくなります。 人が急に辞めれば、 残された人の負担は大きくなります。 充分な引き継ぎがないまま 突然来なくなるケースさえあります。 残された人たちは混乱し、 モチベーションも下がります。 このような会社では 働く意義を見出しにくくなります。 組織に社長の考えが浸透していなければ、 問題が次々に起こります。 こうした事態を防ぐためには、 社長の考えをスタッフに共有する 時間をつくることをおすすめします。 多くの社長は外部とのつながりを重視し、 社内とのつながりを後回しにしがちです。 もちろん、外部との連携は重要です。 ビジネスにつながる場合もあります。 しかし、それ以上に大切なのは、 社内の人たちとのつながりではないでしょうか。 「最近スタッフとの コミュニケーションが足りないな…」 「以前より話す機会が減ったな…」 そう感じるなら、あなたの考えを スタッフに共有する時間を 意識的につくってみてください。 「忙しい」「時間がない」 という言い訳は誰にでもできます。 それでも、自分の考えを伝える社長だけが スタッフとの信頼関係を築き、 同じ方向を向いて進む 強い組織をつくり上げていくのです。

社長のストレスを減らす鍵

池本克之です。 2025年現在、多くの社長が抱えている悩みの一つに 「なぜ、こんなこともできないのか」 「そこまで言わないと伝わらないのか」 といった部下への苛立ちがある。 これまでに同じような感情を抱いたことがある 経営者は少なくないだろう。 自分にとっては常識でも、 他人にとってはそうではない。 この認識のズレが、 日々のイライラを引き起こしている。 イライラは思考と行動の質を下げ、 結果として経営判断にも影響を及ぼす。 また、そうした状況が続けば 「だったら自分でやった方が早い」と感じ、 結果的に社長自身があらゆる業務を背負い込むことになる。 しかし、それでは組織の成長は止まる。 スタッフは依存的になり、 社長だけが走り続ける状態が生まれる。 こうした状況は、業績が伸び悩むだけでなく、 社長自身が孤独と疲労に 押しつぶされる要因にもなる。 では、なぜこのような事態が起きるのか。 その根本には「価値観の不一致」がある。 私は「社長のストレスを減らす鍵」は 価値観の見える化だと考えている。 人は、それぞれ異なる価値観のもとで動いている。 自分にとって当たり前の行動や判断基準も、 相手には理解されていないケースがほとんどである。 とくに2025年のように Z世代やアルファ世代が 現場で活躍し始めている今、 そのギャップはますます大きくなっている。 だからこそ社長の価値観を明文化し、 組織全体に共有することが必要である。 どんなに些細なことでも 「自分はこういう考えを大切にしている」と 明確に言葉にする。 それを書き出し、 マニュアルや方針書 行動指針としてスタッフに見える形で伝えるのだ。 言葉にして伝えなければ、理解はされない。 理解されなければ、共に進むことはできない。 「なぜそんなこともできないのか」 と感じる前に、 「それは自分の価値観が まだ共有されていないからではないか」と 立ち返ってみてほしい。 無駄なエネルギーを減らし、 経営に集中できる環境を整えること。 それこそが人手不足・多様化時代を 乗り越える鍵となる。 まずはあなたの価値観を 言語化することから始めてみてほしい。 それが社長自身のストレスを減らす 第一歩になる。

部下がミスやトラブルを隠す原因

池本克之です。 もし、部下からミスや失敗の報告が 上がってきたらあなたはどうするでしょうか? 「どうしてそのようなことになったんだ!」 と激しく怒鳴り、部下を責め立てるでしょうか? それとも、怒りたい気持ちをぐっとこらえ、 部下の言葉を受け止めるでしょうか? 前者の場合、 次に失敗やミスが起きた時、 部下はそれを隠してしまうかもしれません。 なぜなら、怒られたくないからです。 誰でも、叱責されるのは避けたいものです。 ミスや失敗をしたのは事実ですが、 正直に話したにもかかわらず叱られれば、 「もう言いたくない」と思うでしょう。 もちろん、ミスや失敗を報告すべきなのは 誰もが理解しています。 中には、最初から隠そうとする人も いるかもしれませんが、人は隠し事をすると モヤモヤした気持ちになり、 集中力が低下する場合があります。 そのような状態はつらいため、 勇気を出して報告するのです。 しかし、報告したにもかかわらず 激しく責められれば、 「二度と報告しない」と考えたり、 信頼関係が損なわれたりするかもしれません。 人間関係が悪化すれば、 仕事にも支障が出る恐れがあります。 実際には、ミスや失敗をした本人も 大抵は反省しているものです。 したがって、部下が正直に報告してきた時には、 怒鳴ったり責め立てたりせず、 一緒に対策を考える姿勢が何より大切です。 ミスやトラブルを繰り返さないように、 報告し合い、全員で改善点を検討できる環境を 整えなければなりません。 そのような環境があれば、 誰でも悪い情報をオープンに できるようになります。 怒られる覚悟で悪い情報を報告した時に 受け止めてもらえれば、部下は安心し、 真剣に再発防止策を考えるようになります。 組織が成長するためには、 失敗やミスを隠さない社内風土が 極めて重要です。 ミスやトラブルの報告を受けた瞬間に 感情的になる気持ちも理解できますが、 同じことを二度と繰り返さないこと、 そして、ミスを隠さない社内風土を築くことが 何より大切ではないでしょうか?

上層部に嫌悪感を抱く時

池本克之です。 あなたの会社では、 情報をすべてスタッフに 公開しているでしょうか? これは見られたくない、 これは知られたくない、 という理由で公開していないものは ないでしょうか? ほとんどの大事な情報は、 上層部にしか流れていないことが 多いものです。 その下にいる部下たちには 大事な情報が届かない、 または部分的にしか届かない、 という状態がよく見受けられます。 しかし、このような状態で 組織がうまく機能するでしょうか? 部下も人間ですから、感情があります。 大事な話は聴きたいし、 知っておきたいと感じるはずです。 たとえ最悪な内容であっても、 知りたいという気持ちはあるものです。 それなのに、 「上の人だけ知っていてずるい」 「自分たちはのけ者なのだと感じる」 「どうなっても構わないと思われているのか」 などと考え、上層部に対して 嫌悪感を抱くかもしれません。 こうなると、組織として 機能しにくくなります。 「これをやってください」と言われても 嫌々取り組んだり、仕事がスムーズに 進まなくなる恐れがあります。 「どうせ自分たちはのけ者なのだ」と思い、 「適当に済ませばいい」と考える人も 出てくるでしょう。 これでは、大事な仕事で ミスやトラブルが起きる可能性が高まります。 その結果、上層部だけが会社を 良くしようとしても 上層部以外に意図が伝わらず、 うまくいくはずのことも うまくいかなくなります。 このような事態を防ぐためには、 会社の情報をスタッフに すべて公開することが大切です。 実際、パジャ・ポスでは、 貸借対照表や損益計算書、 売上計画や毎月の売上なども含め、 すべての情報をスタッフに オープンにしています。 「すべて公開するのは気が引ける」 と感じる人もいるかもしれませんが、 情報を公開することでお互いの 信頼関係はむしろ強まります。 情報が悪い内容でも良い内容でも、 「自分たちは信頼されている」と実感し、 聞いた瞬間に自分事として とらえるようになります。 他人事ではなく、自分事として捉えることで 仕事がスムーズに進みます。 「どうすれば売上が上がるか?」 「何をすれば良いか?」 「どこを改善すべきか?」 といった点を一緒に 考えられるようになるからです。 その結果、組織は以前にも増して 一致団結しやすくなります。 情報をすべて公開するのは 多少気が引けるかもしれませんが、 それがスタッフの心を動かし、 あなたの会社をより良い方向へ導く 大きなきっかけになるはずです。

瞬発力の力

池本克之です。 経営者にとって大事な能力の1つに 「瞬発力」がある。 これは、チャンスを掴むための武器だ。 なぜなら、チャンスは一瞬で決まるからだ。 しかし、現実は 「持ち帰って、検討させてください」 と返事をする場面の多いこと。 これでは、チャンスを逃す。 身の丈に合わないのではないか、 (社長が)社員の意見を聞いてからじゃないと、 決めない理由は無限にある。 これは、長くアメリカの大手企業で マネジメントを経験した人から 聞いた話だ。 外国の場合、 即座に「はい」と返答しないならば それは「断った」と同じ意味になる。 そして、そのチャンスは 次の人のところにいくだけのこと。 次の人は「はい」と即答する。 この瞬発力の違いで評価が決まるそうだ。 ますますスピードが問われる今の時代、 決断の遅さは致命傷である。 なぜ、決められないのだろうか? それは、情報不足や意思決定基準の不明確さ、 何よりも失敗への恐れがあるのだろう。 会社組織の場合、関係者への根回しをしても 反論する人がいたらどうしようと 不安になるのだ。 考えても結論が出ないことに時間をかけて 自分がどうしたいかよりも優先するのだ。 それでは、いい結果にはなりそうもない。 即答する力は生まれつきの能力ではない。 日頃から即答する瞬発力を磨くことは可能である。 単なる思考の習慣なのだから。 瞬発力のある決断できる経営者こそ、 未来を切り拓く存在になるだろう。