部下の間違った考えはしつこく正す

池本克之です。


今は、部下を正しく叱れない上司が
増えている。


部下からの評判が下がることや
部下から嫌われることを恐れて、
叱ることができなくなっているのだ。


中には、見て見ぬふりをする
上司もいる。


さらに、本人やチームにとって
プラスになるかどうかではなく、


自分の都合や不適切な温情に
判断が左右されている人もいる。


そもそも叱るというのは、
本人にとってマイナスになることを
正してあげる行為だ。


そこに自分の都合は関係ない。


人としてのマナーや礼儀も含め、
間違いは間違いとして
きちんと指摘する。


マイナスの評価もきちんと伝えて、
プラスに導く。


これは、人とチームを動かす上で
欠かせないスキルの1つであり、
上司の仕事の1つでもある。


とはいえ、冒頭でも話したように
叱れなくなっている上司がいるのも
事実だ。


そこで今日は、
マイナスを指摘する時のポイントを
お伝えしたい。


そのポイントというのは、
相手に何かを指摘しようとした時に


今から指摘しようとしていることは
本当に本人のためになっているのか?


ということを考える、
というものだ。


本人の成長のプラスになる指摘なのか?
自分の勝手な都合で怒っていないか?


あるいは、


【言わないことが
本当に本人のためになるのか?】


ということを自問してほしい。


そして、
本人のためになると思えば
叱ればいい。


・・・・・・・・・・・・・


以前、私が勤めていた
ネット通販の会社で、
こんなことがあった。


営業成績のいいある社員が
何かにつけて上から目線だったのだ。


「consumer(消費者)」をもじってか、
お客様のことを「C」と呼んでみたり、


「うちは上場会社だぞ」
というような
横柄な言葉遣いをしたり。


「自分たちのほうが立場は上なんだ」
と言わんばかりの態度が目についた。


顧客目線で物事を考えようと
しなかったのだ。


私はそんな彼に
非常に違和感を持った。


もちろん、注意をしたが、
最初は「意味がわかりません」
という感じだった。


それでも根気強く、


「お客様あっての売上なんだ。

どんなにすごい『売れる仕組み』を
つくっても、
それだけで数字は立たない。

一番大事なのは、
お客様に欲しいと思ってもらえる
商品を提供することにある。

そこを忘れるな」


と伝えていた。


上に立つ者が
部下の間違った考え方を
正そうとしないと、
暗にそれを認めることになる。


そして、
多くの上司がそうなることで、
部下の態度は悪化し、
いずれ業績にも影響が出るように
なるだろう。


もちろん、
本人のためになっていない指摘なら
怒られた人だけではなく、
他のメンバーのモチベーションまで
下げる原因になる。


しかし、
本当に本人のためになっていると
思うのなら、きちんと指摘する。


そして、正しい方向へ導いていく。


これが、結果的に
チーム全体にとっても
良い影響をもたらすようになるのだ。


誰だって叱るのは嫌だし、
その人との関係性を考えると
躊躇してしまうこともあるかもしれない。


だが、間違った考え方を正さずに
そのままにしていれば、
いずれそれが大きな問題に
発展してしまうこともある。


そんなことにならないためにも、
間違った考えはしつこく正す。


ぜひ、嫌われることを恐れずに、
正面から立ち向かっていってほしい。

“いまやるべきこと”の見極めが、経営の質を決める

池本克之です。 仕事に追われている。 時間が足りない。 やるべきことが多すぎる。 こう感じている経営者は少なくない。 だが私の経験上、 やるべきことが「多い」のではなく、 「見極めができていない」ことのほうが、 問題の本質である。 では、 “本当にいまやるべきこと”とは何か? この判断を誤ると いくら頑張っても成果が出ず、 やった感だけが残ることになる。 私が意識している見分け方の第一は 「未来に影響を与えるかどうか」である。 今やっている仕事が、 3ヶ月後・半年後・1年後の会社に どんな変化をもたらすのか。 単なる今日のタスクなのか、 それとも未来への布石なのか。 それを判断基準とする。 未来につながるものこそ 「経営者がやるべき仕事」であり、 緊急度が低くても 先に手をつける価値がある。 第二に、 「自分にしかできないことかどうか」である。 報告書の確認や ルーティンの承認などは、 部下に任せられるかもしれない。 だが、組織の方向性を定める、 重要な人事を決める、 大きなパートナーとの交渉に臨む、 これらは、 経営者にしか担えない仕事である。 つまり、“本当にやるべきこと”は 「未来 × 経営者固有性」で見極める。 忙しいときほど、 “緊急だけど重要でないこと”に流されやすい。 目の前の数字、 メール対応、 クレーム処理 もちろん放置はできないが、 そればかりに時間を奪われては、 戦略も組織も育たない。 優秀な経営者は 「急ぎではないが、重要なこと」 をあえて先にやる。 それが、将来の余白と成果をつくっている。 私はスケジュールに、 “空白の時間”を意図的に入れている。 考える時間である。 考えることも、 「いまやるべきこと」の一つだからだ。 考えずに動き続ける経営者は、 やがて方向を見失う。 “何をしないか”を決めるのも、 大事な経営判断である。 また、第三者の視点も有効だ。 私は定期的に自分の師匠としている、 信頼する人との対話を設け、 自分の動きが本質をとらえているか確認する。 自分ひとりの思考では、 時に視野が狭くなる。 だからこそ、他者との対話は、 “本当にやるべきこと”の 輪郭を浮き上がらせてくれる。

事業を伸ばす社長、伸ばせない社長

池本克之です。


あなたの会社には
事業計画書があるだろうか?


実は、多くの中小企業の社長が
事業計画書を作っていない。


しかも、頭では
作ったほうがいいということは
わかっていても作らないのだ。


どうしてだろうか?


その理由の中には、
時間がないから、
というのもあるのかもしれない。


だが、社長であれば
時間がないのは当然だ。


私だってない。


しかし、そんな中でも
どうにかして時間を作り出す
必要がある。


特に、会社の成長に
欠かせないものであれば尚更だろう。


正直、事業計画書がないまま
事業を成長させるのは
難しいと考えている。


なぜなら、
事業計画書がないということは、
霧の中を手探りで進むようなものだからだ。


もちろん、
今まで長く経営を続けてきた人なら、
「そんなものなくても
今までうまくやってる」
と思うかもしれない。


しかし、もしそれが
たまたまだったとしたら…?


この先どうなるかなんて
誰にも分からないのだ。


また、多くの社長は、
今までの経験から
会社の売上や利益、資金繰りを
何となく把握している。


そして、会社の課題も
おおよそ分かっている。


しかし、日々の仕事が忙しくて、
その「何となく」を
どうにかしようとはせず、
ほったらかしにしている人が多い。


今までの経験から、
「どうにかなる」
と思い込んでいるのだ。


さらに、新しい事業や
新しい商品・サービスを始めた時に、
私がその理由を訊くと、


「なんとなく
うまくいきそうだと思ったから」


「これまでの経験上、
うまくいくはずなんですよね」


という返事が返ってくる人もいる。


だが、これでは
事業が成功する確率は低い。


それに、社長がそのような感じなので、
社員もなんとなく仕事をしたり、
何か問題が見つかっても
「どうにかなるだろう」と思い、
積極的に解決しようとはしなくなる。


こんな状態で会社を伸ばすのは難しい。


いずれ限界がくる。


私が今までに
コンサルティングをしてきた会社や、
実際に自分自身が経営者として
お付き合いしてきた会社の中で、


成長し続けている会社には
必ず「事業計画書」があった。


なぜなら、これこそが、
会社を伸ばしていくための
ツールだからだ。


事業計画書なしで
事業を成功させたという例は、
非常に稀だ。


それぐらい重要なものである。


計画を持ってスタートし、
何の目的でこの事業があるのか?
目標は何なのか?


これらを整理して
アウトプットすること。


これが欠かせない。


実際、社長が何を目指しているのか?
どんな会社にしたいと思っているのか?
何を実現したくて
この会社をやっているのか?


そういうことがわからないと、
社員はだんだんやる気がなくなっていく。


最初は、あなたの会社に期待をもって
入社してきたかもしれない。


だが、次第に「ここで働く意味」を
見失うようになるのだ。


すると、ただ目の前にある仕事を
こなすだけになったり、
「早く休みにならないかなぁ…」
などと思うようになる。


会社を順調に伸ばしていくためには、
あなたの事業に共感し、
あなたについてくる人が必ず必要だ。


「社長、それ面白そうですね!」
「ワクワクしますね!」
「一緒にやりましょうよ!」


というように、
社員をあなたのビジョンに
巻き込んでいかなければならない。


もちろん、経営者の中には、
口下手だったり、
物静かで内気な人もいるだろう。


だが、そんなことは一切関係ない。


経営者が内向的だから
社員はついてこない、
ということではなく、


内向的であっても、
決して話が上手ではなかったとしても、


どれだけ自分が実現したいことへの
想いがあるのか?


そして、それを実現するための
具体的な計画があるのか?


これらが社員にとっては
重要だからだ。


さて、あなたの会社に
事業計画書はあるだろうか?


もしもないのなら、
今からでも時間を取って
真剣に取り組むべきだ。


それぐらい価値があるものである。


これからの時代、
自分のビジョンを明快な言葉で語り、


そして、語るだけではなく、
具体的な計画を立てている社長だけが
集団の力を結集し、


実現したいことを
実現していくようになるだろう。


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採用は社員任せにしない

池本克之です。


採用面接をする際、
あなたはどのタイミングで
候補者の方に会っているだろうか?


企業の中には、
一番最後だと答えるところも
あるだろう。


一次面接は人事課長の方がして、
二次面接は役員クラスの方がする。


そして、そこで選考があって、
残った方が最後、社長面接と。


このような流れになっている
企業もあるだろう。


しかし、私が考える採用の手順は
それとは違う。


私の考えは、
社長が一次面接をする
というものだ。


採用は社員任せにしないこと。


場合によっては、
書類選考も社長がする。


どうしてか?


それは、候補者の方が
良い人なのかどうなのか。


条件に見合う人なのか
どうなのか。


うちの会社の将来を
担う人なのかどうなのか。


それを、
最も正しい目で判断できるのは、
他ならぬ社長だからだ。


例えば、人事課長の方が
社長と同じ目を持って
見極められるだろうか?


おそらく難しいだろう。


あなたにとっての優秀な人材、
会社が求めている人材が
来ていたとしても
逃してしまう可能性が高い。


また、
「自分よりも優秀な人が入ってきたら
自分のポジションを取られるかも
しれない」と思うと、
わざと不採用にしてしまう場合もある。


誰でも、
自分の地位を脅かすような存在を
できるだけ周りに置きたくないと
考えてしまうものだ。


強く意識していなくても、
無意識に自分より優秀な人を
落としてしまう人もいる。


これでは、採用は投資だと考えれば
とても勿体無いことをしている。


それ以外にも、
社長が一次面接から関わることで、
スピードが上がるというのもある。


どういうことかというと、
あなたの会社に
課題発見力が高く、解決力も高い。


その上、
うちの企業文化とも合っている
そんな最高の人材が
面接に現れたとする。


ここで考えてほしいのは、
あなたが入社してほしいと思う
相手であれば、


他の会社もまた、
その人材を採用したいと考えている
可能性が高いということだ。


すでに争奪戦が始まっていると
思ってほしい。


そんな中で、
最終面接に行くまでに
他社から
「うちに来てください」
と先に言われてしまえば、
そっちの方に行く可能性が高い。


また、優秀な人は判断が早いので、
そのような人は
同じように判断の早い人を
好む傾向にある。


なので、
社長のあなたが一次面接から
関わっていれば、


「よし、じゃあ来週から
来てくれないか」


と、その場で言うことができる。


つまり、あなたの会社にとっての
優秀な人材を逃すことがなくなるのだ。


そして、内定を出した上で、
本来であれば
一次面接をやるはずだった
人事の担当の方や現場の責任者の方、


他の役員の方も
二次面接で面接して
会っていただければいい。


だが、まずは
一次面接で社長がお墨付きを出す
ということを
私の場合はおすすめしている。


どんな企業も
優秀な人材をほしいと思っている。


しかし、せっかくその会社にとっての
優秀な人材が面接に来ていたとしても、


面接官の見る目が
社長のあなたと違っていれば、
間違って落としてしまう可能性がある。


企業にとって
人材採用は大事なものであり、
会社の経営課題としても
非常に大きなものである。


だからこそ、
社長自身が積極的に関わってほしい。


この採用面接によっては、
これからの会社の将来の姿が
大きく変わってくるだろう。

経営者にとって大事なこと

私は日頃から、糖質オフと筋トレを 継続的に取り入れている。 一見すると健康のため、 体型維持のために見えるかもしれないが、 実はそれ以上に、 “経営判断の質”を保つため という理由が大きい。 糖質を摂りすぎると、 血糖値が急上昇・急降下し、 眠気や集中力の低下が起こる。 これでは、冷静で鋭い判断が求められる 経営の現場では、致命的である。 特に食事後の仕事の場で、 会議で、打合せで、 脳がぼんやりしていたら、 的確な決断はできない。 だから私は、 できるだけ血糖値を安定させる食事を 心がけている。 一方、筋トレもまた、 単に筋肉を鍛えるためだけではない。 筋肉に適度な刺激を与えることで、 ストレスの発散にもなるし、 朝のトレーニングは一日の集中力を高める。 実際、筋トレをした日の方が、 私は判断力が 明らかにクリアになると感じている。 経営者は、“判断が仕事”である。 瞬間の決断が、 会社の進む方向を左右することもある。 その判断を少しでも正確に、 ブレずに行うために、 身体の状態を整えることも経営の一部なのだ。 日々、数十分でいいので、時間をとって 身体と向き合う時間をつくってみてほしい。 経営者にとっての健康とは、 “体を守る”こと以上に、 “判断を守る”ことでもあると、 私は思っている。