池本克之です。
「どうすればもっと早く
決断できるようになりますか?」
経営者から
こう尋ねられることがよくある。
私はいつもこう答える。
決断力は「才能ではなくただの習慣。
つまりトレーニング次第で
誰でも鍛えることができる、
ということだ。
経営の現場では、
決断が早い人ほど結果を出す。
なぜなら、
早く動けば修正も早くできるからである。
逆に、決断が遅い人は、
状況が変わってからようやく動き出す。
そのときにはもう
チャンスは通り過ぎている。
ではどうすれば
早く決められるようになるのか?
私が意識している3つのことがある。
1,「自分の基準」を明確に持つこと。
何を優先するか、
何を大切にするかを、あらかじめ決めておく。
たとえば
「利益より信頼」
「スピードより安全」といったことだ。
自分の価値基準があれば、迷いは減る。
2, 「完璧を求めすぎない」こと。
人は正解を探そうとすると、
突然動けなくなる。
特に経営は不確実性の中で行うものなので
「70点で決める」くらいの
柔軟さが必要と思っている。
大事なのは、
決めた後にどう軌道修正するか、である。
3, 「小さな決断を繰り返すこと」。
朝食を何にするか、
どの服を着るか、
やらなくてはいけない複数の仕事で
何を優先するか、
日常の中で
自分で決める回数を増やす。
それが「決断の筋肉」を
鍛える最短の方法である。
私は、些細なことでも
「自分で決める」ことを大切にしている。
そして、時間かけず、
3秒程度でひとつの判断することを
意識している。
3秒でYESかNOが出ない決断は、
たいてい先送りにするだけだ。
大きな経営判断も、
実は日常の小さな決断の積み重ねの先にある。
だからこそ、
「今、決める」練習を怠ってはならない。
決断力を鍛えるとは、
人生を自分で動かす力を
高めるということでもある。
迷っている時間ほど、もったいないものはない。
早く決める。
すぐ動く。
柔軟に修正する。
その繰り返しが、
成長のスピードを決める。
池本克之です。
ビジネスにおいて、市場を独占できれば
楽なビジネス展開ができる。
しかし、当たり前だが
ビジネスには競合他社がいるのが常だ。
しかも、競合には
直接的な競合だけではなく、
間接的な競合もいる。
例えば、ラーメンで言うと
広いジャンルで捉えれば食事だ。
つまり、飲食店である。
ということは、
他の飲食店も間接的なライバルだと言える。
提供しているものは違っても、
ライバルになっているというケースは
よくあるのだ。
・・・・・・・・
では、そんなライバルと戦い、
勝つためには何が必要になるのか?
それは、ライバルと明らかに違う
自社の特徴を打ち出すことだ。
すなわち差別化を図ることと同義であり、
これは生存競争に勝つために
なくてはならない重要な戦略だ。
しかし、差別化は
単にライバルと正反対の特徴を
打ち出せればいい、というわけではない。
例えば、経験に対して若さ、
商品力に対して価格力を持つ、
というだけではなく、
自社の強さをよく把握できていることが
必要になる。
つまり、相手に合わせた
対抗策であることに加えて、
自分自身の強い部分を活かした武器があれば
先手を打って戦うことができる。
・・・・・・・・
社長の中には、
「何でうちの会社を
お客さんに選んでもらっているんだろう?
実はよく分からないんです…」
という人がいる。
これは、よく考える必要がある。
なぜなら、このままでは
何となく経営をやっているのと
同じことだからだ。
それでは、
新たな施策を打つこともできないし、
自分ではどうしようもできない
出来事が起こった時に対応できなくなる。
私は、今まで多くの企業を
コンサルティングしてきたが、
成長企業には必ず競合他社が真似できない
ビジネスモデルや商品、サービスがある。
だからこそ、お客さまの「記憶」に残り、
「いつか買ってみたい」
「もう一度、使ってみたい」
「つい誰かに言ってしまう」
といった影響を与えているわけだ。
さて、あなたの会社には
競合が絶対に真似できない
強みがあるだろうか?
そして、それは何だろうか?
ビジネスには、競合他社がいるのが常だ。
しかし、自社の強みをしっかり把握し
お客様に正しく伝えることができれば、
あなたの会社は
長期的に繁栄することができるだろう。
池本克之です。
テレワークの導入が進む中、
部下を監視しようとする上司も
増えているようだ。
確かに、お互いが遠隔にいて
部下の働きぶりを直接見ることができない
上司にとっては、
部下の動きが気になるだろう。
「本当に仕事をしているのか…」
と不安になったり、
疑ってしまう気持ちもわからなくはない。
しかし、
ちょっと気になることがあると
いちいち口を出し、
望まれてもいない
アドバイスをしたりするのは
あまり感心できない。
部下からすれば、
「信頼されていないんだな…」と感じ、
ストレスになることがある。
それに、任せられたのに
しょっちゅう口を出されていれば
仕事に対するやる気も薄れていくだろう。
・・・・・・
では、どうすればお互いが気持ち良く、
ストレスを抱えずに仕事をすることが
できるのか?
ベストなのは、
「任せたよ」と言った以上、
基本、口は出さないことだ。
部下の価値観で
進めさせるといいだろう。
いちいち上司の価値観を押し付けると
お互いにストレスが溜まるようになる。
もし、進め方まで指定したいのであれば
仕事を任せる時に伝えておく。
事前に伝達した以外のことを
途中から口出しするのはNGだ。
部下に一度任せた以上は
部下のやり方で進めさせる。
そして、何かトラブルが起きたり、
部下から相談されたりした時にだけ、
アドバイスを与えるようにする。
少しくらい
「うまくいかないかもしれない…」
と思うことがあっても、
部下の思う通りにやらせて
様子見をする忍耐強さも必要だ。
自分で間違いに気づかせるのも勉強であり、
いよいよマズイことになりそうな時に
上司からアドバイスを得たほうが
「そうか、そういう方法があったんだ」
という実感の伴う学びになる。
・・・・・・
私たち上司は、
人を管理するのではなく、
仕事を管理することが重要だ。
くどくど注意をしたり、
部下のやり方にいちいち口を挟むのは
人を管理していることになる。
このやり方だと、
部下はいつまで経っても
一人前になれない。
それに、お互いが強いストレスを
抱えることになる。
お互いが気持ち良く仕事をしてくために、
そして、部下が自分の力を最大限発揮して
より早く結果を出すためにも、
人ではなく
仕事を管理することを
忘れてはいけない。
最近、出張が続いている。
地方からの
帰りにいつも思うことがある。
出張先では、
クライアントと対面で話す機会があるが、
改めて感じるのは、
「会って話すことの価値」と
「重要性」である。
リモートは確かに便利だ。
コロナ禍以降、
リモートでの打ち合わせは増え、
とくに地方のクライアントとは、
直接会う機会が減った。
移動の時間もなく、コストカットにもなり、
スケジュール調整も効率的にできるので、
出張なしでも打ち合わせが
とても手軽なものになった。
だが、画面越しの情報では
どうしても伝わらない
気配や温度感がある。
たとえば、
相手の表情の細かな動き、
会社内の温度感、場の緊張感や安心感。
これらはリアルに出向かないと
感じられないものである。
先日、相談に来られたクライアントが
「リモートでは全く問題なさそうに見えていた
経営幹部が、実は深いジレンマを抱えており、
仕事がきつい」
という申し出があった、
右腕社員なので、どうしたらいいものか、
と悩んでいた。
私は時間を見つけ、
そのクライアントのオフィスに足を運び、
実際に面と向かって話をすることで、
ようやくその本音にたどり着いた。
このような気づきは、
やはり現場に行ってこそ
得られるものだと実感した。
社員との何気ない雑談、
食事のときの一言にも、多くのヒントがある。
それは決して議事録やチャットには残らないが、
経営の舵取りには極めて重要な情報となる。
現場に足を運ぶということは、
単なる行動ではなく、
洞察力と直感を磨くための基本動作でもある。
だからこそ、社長こそ現場に出るべきである。
足を運び、人に会い、空気を読む。
そこからしか得られない判断材料が、
ビジネスの質を大きく左右する。
リモートでの時間が多くを占めるようになった今、
改めて「会うこと」の意味を考えたい。
効率化だけでなく、
感覚や人間性も経営の大事なリソースである。
池本克之です。
あなたは、部下が結果を出した時
すぐに褒めているだろうか?
従来のマネジメントの本でも
部下を褒めることが大事だと
繰り返し説明されている。
それについては、
私もその通りだと考えている。
反対に、結果を出しても褒められない。
何も反応がないとなると、部下は
自分のことには興味がない…
どうでもいいと思われている…
と思うようになり、
上司への信頼が薄くなっていく。
さらに、仕事に対する
モチベーションを維持するのも
難しくなるだろう。
・・・・・・
ここで興味深い話があるので、
あなたにもシェアしたい。
日頃から態度の悪い生徒が
たまに良い態度を見せた時、
教師がそれに気づかなければ
その生徒はまた元の態度に
戻ってしまうそうだ。
それぐらい、人間は
自分の変化に気づいてほしいと思っており、
その変化に対して褒められたり、
認められることを期待している。
これは、上司と部下でも
同じことではないだろうか。
ただし、いまどき部下の場合は
1つだけポイントがある。
それは、従来よりも
「早く褒める」ということだ。
その理由の1つは、
自分がやった仕事で
何が評価されたのかを
わかりやすくするためだ。
最近の若者は、SNSで「いいね!」と
すぐに反応が返ってくることに慣れている。
相手の反応がすぐに返ってこないと
不安になるのだ。
なので、部下が良い結果を出したら
その場ですぐに褒めること。
一週間後のミーティングで、
「先週のクライアントへの対応
よかったよ」
と褒めても、時間が経ちすぎて
ピンとこないだろう。
ただし、大げさに「素晴らしい!」
と褒め称えるのではなく、
さりげなく、しかし具体的に
「今の電話の対応はここが良かった」
「資料のここがよくできていた」
と褒めるのがコツだ。
・・・・・・
どんな人も
褒められると素直に嬉しいし、
また頑張ろうという気持ちになれる。
また、
「自分は認められている」
と感じられるし、
「上司は自分のことを見てくれている」
とも感じることができる。
このような経験が積み重なっていくことで、
お互いの信頼関係はより強固なものになっていく。
さて、あなたは
部下が結果を出した時に
その場ですぐに褒めているだろうか?
目まぐるしく変化する
ビジネス環境の中で、
いまの若者たちが
仕事に対するモチベーションを
失わないためにも、
良かったことは
すぐに伝えてあげてほしい。
PS
部下がすぐに動き出すようになるには
どうすればいいのか?
そのポイントはこちらで。
↓
https://pajaposs.com/campaign/stktai0728_mm/
池本克之です。
経営者にとって
大事なこととは何だろうか?
10年先も勝ち残っていく
という視点で言えば、
経営者にとって一番大事なのは
「変化すること」だ。
未来のことは誰にもわからないのだから
わかった時点でそれに合わせて
変えていかないといけない。
しかし、時代の移り変わりとともに
ダメになっていく組織や人を見ていると、
過去にやっていたやり方に
しがみつく傾向がある。
そのため、新しいことを学ばず
ますます自分の引き出しが少なくなる。
過去に囚われず、
今がどうなっているのかを理解し、
少し先を予測して、
自らが変わることを恐れないことが大切だ。
・・・・・・・・
私のもとには、日々、
色々な相談がくる。
中には、
「売上が上がらない。
どうしましょう?」
というような相談もある。
そんなとき私は、
「過去の顧客リストは
どうなっていますか?」
と尋ねる。
すると、意外とそのマーケットへの
働きかけができていないケースが多い。
過去にお客様の抱える課題を解決し、
ご満足いただいた経緯があるのなら、
再度、そのお客様に対して
販売していくだけで、
売上の積み増しが作れるようになる。
連絡先も買った商品も
わかっているのだから、
最も簡単な方法だ。
実際に、過去の顧客リストに対して
アプローチをしたことで
売上が上がったという事例は数多くある。
ここで、
私がアドバイスしたような方法を取れば
今までとは違った結果が生まれるだろう。
しかし、
「いやいや、過去のお客さんに
アプローチしても無駄ですよ」
などと思い、結局、
今までと同じような行動を取っていれば
結果は何も変わらない。
・・・・・・・・
多くの社長は、現状が変わるのが嫌で
過去にやっていたやり方にしがみつく
傾向がある。
しかし、今の状況が思ったような
状況ではないのなら、
やり方を変えるしかない。
今が悪い状況なのに、
やり方を変えずにそのままでいるのなら
この先も同じ結果が生まれて当然だ。
違う結果が欲しいのなら、
違う行動をしなければならない。
経営者にとって大事なことは
変化することだ。
この考え方が、
10年先も勝ち残っていく企業になる
秘訣なのではないだろうか。
池本克之です。
最近、新規事業のプロジェクトで、
大学生と話す機会が多い。
貴重な20代の学生の旬な話題、
関心ごとを聞くことがあり、
また年代的に就活、
将来の仕事について聞かれたり、
アドバイスすることも多い。
普段、
経営者ばかり話す機会が多い私にとっても、
とても刺激的ないい時間になっている。
そのたびに思うのは、
「いまどきの大学生から学ぶことは多い」
ということである。
彼らの世代は、
生まれたときからインターネットがあり、
SNSも日常の一部となっている。
デジタルリテラシーが高く、
情報の扱いにも長けている。
一方で、驚かされるのは、
「答えがない問い」にも臆せず挑む姿勢だ。
企業の課題に対しても、
常識や既存の枠にとらわれない視点を持ち、
自由な発想でアイデアを提示してくる。
もちろん、社会経験は少ない。
実務の現場を知らないぶん、
現実離れした提案もある。
しかし、その“飛びぬけた自由さ”が、
経営者である私たちに新しい風を運んでくれる。
特に最近のように、
予測不能な時代を生き抜くには、
こうした柔軟性と順応力こそ武器となる。
私たちはつい、
「若い世代に教える立場」だと
考えてしまいがちだ。
だが、本当のリーダーとは、
若者の声に耳を傾け、
自分の枠を広げ続けられる人ではないか。
いまどきの大学生は、
決して“世間知らず”なだけではない。
変化に対応し、
新しい価値を生み出す土台をすでに持っている。
私たちが彼らから学ぶ姿勢を持てば、
組織もまた、進化していくに違いない。
池本克之です。
あなたの周りにも
失敗する人はいるだろう。
もちろん、誰だって失敗はするし、
それ自体が悪いわけではない。
たとえ失敗したとしても、
次に活かせばいいだけだ。
しかし、中には
次に活かせない人もいる。
私自身、部下の失敗に関しては、
同じ失敗でも2回繰り返す程度なら
「ついうっかり」で済ますことができる。
しかし、3回以上繰り返す人は
失敗を真剣に捉えていないし、
何も対策を講じていないことになる。
例えば、報告書のデータに
入力ミスがあったとする。
同じ失敗を繰り返さない人は、
入力した後に何度もチェックできるように
時間を配分したりするだろう。
さらに、自分の目だけでは
信用できないと考え、
仲間にも目を通してもらったりして
ダブルチェックをするなどの
対策を練るはずだ。
ところが、対策を講じない人は、
「次から気をつけよう」と思うだけ。
仕組みを作らずに、
心構えだけでなんとかしようというのは、
何も対策を取っていないのと同じなので
同じミスを繰り返す。
・・・・・・・・・
こうした同じミスを繰り返してしまう人は
「能力」よりも「思考」を鍛える必要がある。
データを打ち間違えないように
努力するのではなく、
打ち間違えることを前提に
それに気づく仕組みをどう作るのかを
考えなくてはならない。
しかし、思考を鍛えるのは
なかなか骨の折れる作業だ。
なので、私は
同じミスを何度も何度も
繰り返してしまう人には、
大きな仕事は任せず、
限定的な仕事しか任せない。
会社にいる人は、
無限ではなく有限だ。
責任感のある人だけで
仕事が回せるほどの余裕はない。
そのため、
なるべく任せられる人を厳選して
大きな仕事を任せ、
任せられない人には
全体に影響のない小さな仕事を任せる。
それがベターだと考えている。
・・・・・・・・・
あなたの周りにも
失敗する人はいるだろう。
誰でも失敗はするものだし、
それ自体が悪いわけではない。
しかし、よく見てほしいのは、
その人が対策を講じているのか
どうなのか、ということだ。
そこをきちんと見極めて
仕事を任せていかないと、
会社の成長は遅くなってしまう。
そんなことにならないためにも、
仕事を任せる人は間違えないようにしてほしい。
夏になると、
外でスポーツに打ち込む
若者たちの姿を見るたびに、
いつも思うことがある。
この猛暑、炎天下で、
汗を流して動く姿は、
それだけで尊い。
そこには、
がんばること、
耐えること、
目標のために自分を律することが
凝縮されている。
もちろん、今の夏は危険なほど暑い。
今年の日本の夏は、
連日の猛暑日が当たり前となり、
熱中症対策や体調管理は、
スポーツでもビジネスでも必須のテーマである。
無理をすればよいという話ではない。
命を守ることが
最優先であることは言うまでもない。
だが、その一方で
「やはりがんばらなくてはいけない時もある」
という感覚は
私は大切にしたいと思っている。
どんなに環境が整っても、
どれだけ効率化が進んでも、
「もうひと踏ん張り」という瞬間は、
必ずやってくる。
暑さの中で走る少年のように、
歯を食いしばる時がある。
そこを超えられるかどうかが、
自分自身を一歩成長させる鍵となる。
経営でも同じである。
数字が伸びない、
チームがまとまらない、
案件が止まる
そういう時期は、必ずある。
そのときに
「これはチャンスだ」と
受け止められるかどうか。
自分やチームを信じて、
泥臭く向き合う覚悟があるか。
そういう局面こそ、経営者の“体力”が試される。
最近、若手社員の中には
「無理をしたくない」という人も増えている。
それは悪いことではない。
むしろ、時代の空気を読んだ賢い感覚でもある。
だが同時に
「無理すること」や
「がんばること」によって
得られるものがある、
という事実も伝えていきたい。
大切なのは、がんばる“方向性”と“目的”である。
ただがむしゃらに働くのではなく、
意味のある挑戦に力を注げるよう、
経営者は環境を整える責任がある。
そして、自らもまた、
暑い中で走る高校球児のように
「まだいける」と思える自分でありたい。
汗をかくことが、悪ではない。
むしろ、それが人の強さや
美しさを引き出す瞬間なのだと、
私は信じている。

池本の暑い写真
池本克之です。
私は、人の管理はしない。
これは、
今までに何度も話しているので
聞き飽きている人もいるかもしれない。
しかし、
会社を大きく成長させていくためには
大事なことなので、
もう一度お話する。
私は、人の管理はしない。
人の見極めと、
フォローするための把握は必要だが、
管理はしない。
私が管理するのは
仕組みだけだ。
世の中には、
部下に何でも報告させ、
何でも自分で管理したがる社長がいる。
確かに、自分で管理している方が
安心だと思う気持ちもよくわかる。
しかし、それでは
社長のキャパシティ以上の会社には
なれない。
1人で管理できるビジネスは
せいぜい数千万円。
よくても数億円規模だろう。
そうではなく、
もっと大きな会社。
現状に満足せず、
大きく成長していく会社を
創りたいのなら…
いつまでも社長が
1人で管理し続けるというのでは
やっていけない。
会社を大きく伸ばしている社長は、
自分の夢に大勢の優れた人材を
巻き込み、
組織を作っているからこそ、
数千億円規模のビジネスに
育てられるのだ。
京セラの創業者である
稲盛和夫さん然り、
ホンダの本田宗一郎さん然り。
「優れた経営者」と
「そこそこの経営者」の違いの1つは、
そこにあると考えている。
メンバーの一挙手一投足を
管理するのではなく、
チャンスを掴んだメンバーを
後押しする仕組み。
要所要所でフォローする仕組み。
成果を正しく評価する仕組み。
これらをしっかり作ること。
それがちゃんと機能するように
メンテナンスして、
その仕組みに
メンバーが安心して乗れるように
信頼関係をメンテナンスする。
それが、私たち経営者の仕事だ。
仕組みと信頼関係のメンテナンスが
きちんとできていれば、
人を管理しなくても
組織にいる一人ひとりは
自分で伸びてくれるようになる。
・・・・・・・・・
実際、社長や上司から
細々と管理されない部下は
伸び伸びと仕事ができる。
それによって、
チーム全体のアウトプットも
伸びるようになる。
また、管理されないことで
部下は「上司から信頼されている」
と思えるので、
お互いの信頼関係が厚くなる。
それは、仕事にも
良い影響が出るようになるだろう。
反対に、どんなことも
細々と口を出され、
指示をされていれば…
メンバー自身が
自分で考えるということがなくなるので
指示待ち族を作る要因になる。
そして、いつまで経っても
一人前になれない部下を抱え続けるのだ。
・・・・・・・・・
現状に満足せず、
大きく成長していく会社を
創っていきたいのなら…
人を管理せず
仕組みを管理するべきだ。
私たちが部下に仕事を任せるのは
結果を出してほしいからであって、
部下を自分の思い通りに
動かしたいからではない。
人ではなく、
仕組みを管理できるようになった時、
あなたが思い描いている
理想の会社に近づけるようになるだろう。