社長が今すぐやるべき採用改善策

池本克之です。


2025年、就職活動市場は
ますます売り手優位の色を強めている。


民間調査機関によると、
2025年卒業予定の
大学生の内定取得率は
82.3%(6月末時点)に達し、

内定辞退率は、前年よりさらに上昇、
約58%にのぼった。


つまり、2人に1人以上が
どこかの内定を辞退している。


せっかく早くから採用活動を進めて、
内定を出したのに、
入社直前で辞退されるという企業側の悩みは、
もはや「特定企業だけの問題」ではない。


これは構造的な課題である。


内定辞退の本質は
「学生の変化」にあると見ている。


かつてのように
「内定をもらえれば就職が決まった」
という安心感は、今の若者には薄い。


むしろ、内定をゴールではなく
「選択肢の一つ」と捉えている。


選択肢が複数ある中で、
最終的に自分が
「自分らしく働ける場所」かどうかを
シビアに見極めているのである。


この傾向に対し、企業側は何をすべきか。


ひとつは
「採用活動をマーケティングと捉え直す」
ことである。


ただ募集し、
説明会をして、
面接をする、
というプロセスでは、心は動かない。


エントリーの時点から
「ここで働きたい」と思わせる
ストーリー、接触、対話を
設計しなければならない。


商品を売るのと同じように
「この会社に入る価値」を
丁寧に伝えるべきなのである。


もうひとつは、
内定後のフォローを怠らないこと。


内定を出した時点で
「採用成功」と捉えるのは危険である。


実際、内定辞退の多くは
「他社との比較による心変わり」と
「不安の放置」が原因である。


だからこそ、
内定を出した後、
定期的なフォローをすべきである。


面談や懇親会、
社員との交流イベント、
1on1での将来設計の共有など、

企業が「あなたのことを考えている」という
姿勢を見せるだけでも、
辞退率は大きく下がると考える。


さらに、
現場社員との接点を増やすことも
有効である。


私のクライアントの企業では
「内定者メンター制度」の導入を
おすすめしている。


入社までの間、
いろいろ不安なことがあったら、
やりとりをしてもらい、
その仕組みによって、
辞退率が半減したケースがある。


直属の上司ではなく、
年齢の近い先輩社員が
定期的に内定者と雑談をするだけで、
会社の空気が伝わるのだ。


重要なのは、
「囲い込む」のではなく、
納得して選んでもらう環境をつくる、
という発想である。


そのためには、

企業文化の可視化、
働き方の柔軟性、
育成体制、
社内コミュニケーションの風通し

など、本質的な部分も
見直さなければならない。


採用はもはや
「広報」「営業」「商品企画」の
すべてを兼ね備えた複合業務である。


そのために、社長自身が関与し、
メッセージを発信し、
学生に向き合うことが、
今の時代には必要だと思っている。


「選ばれる会社」になるには、
会社が変わるしかない。


それが内定辞退を防ぐ、
最も確実な方法である。

大事なことほど“ゆっくり”伝える

池本克之です。 私は意識していることがある。 それは、 大事なことほどゆっくり話す、 ということである。 社長という立場にいると、 どうしても時間に追われがちだ。 会議では限られた時間で 結論を出さねばならず、 社員からの相談や打ち合わせでも 伝えるべきことが多くある。 だからつい、 早口で言いたいことを畳みかけてしまう。 だが、早口で伝えられた内容は、 相手の心に残りにくい。 一方、大事なことをゆっくりと、 間を置いて話すとどうなるか。 相手はその一言を重く受け止める。 沈黙すらメッセージになる。 「社長がここまで間を取るのは 大切な話だからだ」と 社員は自然に感じるのである。 これは単なる話し方の テクニックではない。 社長が自分の言葉に責任を持ち、 社員に理解してもらおうとする 姿勢そのものだ。 ゆっくり話すためには、 そもそも自分の考えを 整理しなければならない。 結論があいまいなままでは、 間を取りながら語ることはできない。 だからこそ、 ゆっくり話すことは 社長自身の思考の深さも試される。 私は経営者仲間と話すときも 同じことを感じる。 本当に経験からにじみ出た言葉は、 早口ではなく静かに語られる。 その一言に含まれる重みが、 聞く者の胸に突き刺さるのだ。 社内で社員に伝えるときも同じ。 「ありがとう」も「頼むね」も、 急いで言うのではなく、 ゆっくり伝える。 それだけで社員の受け取り方は変わる。 小さなことに思えるが、 この積み重ねが組織の空気を変える。 経営において大事なことは、 声を張り上げたり、 言葉を並べ立てたりすることではない。 むしろ、一呼吸置いて、 ゆっくりと伝えることだ。 そこに社長の覚悟と誠意が表れるのである。

口を出さずに、信じて待つ

池本克之です。


経営者として長年、
人を育ててきた立場から、
最近ますます強く感じることがある。


それは「社員は、言われた通りには育たない」
という事実である。


誰かに言われた通りに動くだけでは、
本当の意味での成長はない。


社長や上司が指示やアドバイスを
与えすぎると、
社員は「考えない人材」になってしまう。


この点は、スポーツの世界、
とりわけプロ野球に通じるものがある。


イチロー氏がかつてこう語っている。


「小さいことを積み重ねることが、
とんでもないところに行くただひとつの道」


社員の成長もまた、この「積み重ね」である。


失敗をして、
悩んで、
試行錯誤して、
自分の頭で考え続けるしかない。


それを社長が奪ってはいけない。


むしろ、ぐっと見守ることが必要である。


本当に伸ばしたいなら、
社長は「育てる」のではなく
「育つのを信じて待つ」ことが肝要である。


社員は、最初から完璧には動けない。


思うように成果が出ないこともある。


つい口を出したくなることもあるだろう。


だが、それは
「社長の気持ちの問題」であって、
社員の成長にとってはむしろ害になる。


「任せる」とは、責任ごと預けることだ。


その結果、失敗してもいい。


そこから社員は学びを得る。


ダルビッシュ有氏が
「失敗は財産。失敗を経験してない人は、
それだけ引き出しが少ない」
と言っており、まさにその通りである。


上司や社長が先回りして
答えを出してしまうと、
社員は引き出しを作れなくなる。


自分で考え、
自分でやってみて、
うまくいったり、
失敗したりしながら、
その人なりの「引き出し」が
増えていくのである。


本当の成長は、上司が手を出した時ではなく、
手を引いた時に起こる。


経営者に必要なのは、
社員が自らの力で壁を乗り越える
「時間」を許す胆力である。


経営とは、今の数字を作るだけではない。


未来の成果をつくる
「人材」を育てることでもある。


目の前の成果に一喜一憂して、
すぐに口を出していては、
未来をつくる人材など育たない。


だからこそ、社長は
「焦らず、慌てず、信じて任せる」ことが
必要である。


黙って見守る時間は、無関心ではない。


むしろ、
最も集中して社員を信じる時間である。


野球と同じである。


監督がマウンドに行くのは、
必要なタイミングだけでいい。


普段はベンチで、
選手が戦っている姿を見守る。


だからこそ選手は育ち、
力を出せるようになる。


社員も同じである。


任されたことを、任されたままに。


そして、結果と向き合い、
自分の力で成長する。


社長はそれを信じ、待つだけである。

「退職します」と言った人が暴走するわけ

池本克之です。


「退職します」と言ってきた社員が、
その後おかしな行動を取り始めることがある。


やたらと周囲に愚痴をこぼしたり、
会社や上司の批判をSNSで匂わせたり、
急に横柄になったり。


時には、残されたメンバーの士気を
下げるような言動をとる者もいる。


これは、経営者であれば
一度は経験する「退職者の暴走」である。


なぜ、辞めると決めた人が、
そこまで感情的になるのか。


冷静に考えれば、
静かに去ることもできるはずである。


この背景には
「自分の決断を正当化したい心理」が
働いている。


人は本来、変化を恐れる生き物である。


辞める・離れるという選択に対して、
強い不安と葛藤を抱きがちだ。


だからこそ
「自分が辞めるのは正しかったんだ」と
証明したくなる。


そのために
「この会社はひどい」
「上司に理解がない」
「ここにいても未来がない」
といった理屈を後付けし、
自分を守ろうとする。


つまり、暴走しているのではなく、
“正当化の演出”をしているのである。


経営者としては、
この現象を感情で受け止めてはいけない。


「なんだあの態度は!」と反応すれば、
火に油を注ぐことになる。


むしろ大切なのは、
退職を申し出た瞬間からの
「出口設計」である。


退職者とのコミュニケーションを丁寧にし、
会社として感謝を伝え、
役割を明確にして、
最後の日までの“期待”を言語化する。


人は、期待されているうちは荒れにくい。


逆に「もう関係ない人」という
態度を見せれば、余計に反発する。


また、残された社員にも影響を与えるため、
社内向けには
「〇〇さんにはこれまで貢献いただいた。
次の道を応援したい」
というメッセージをきちんと出すべきである。


退職は裏切りではない。


人生の選択であり、
経営にもまた影響するプロセスである。


去り方のマネジメントこそが、
経営の器を映す鏡であると私は考えている。

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生活コストの違いを数字で考える

池本克之です。 アメリカと日本では、 なぜここまで物価の感覚が違うのか。 かなりギャップがある。 実際に、 数字を挙げてみると驚かされる。 米国の生活費は 日本より約 55%高く、 家賃に至っては なんと約 178 %も高いという。 これは生活の基礎を揺るがす差である。 (調べ:NumbeoRomancing Japan) 具体例で見ると、 一人暮らしの月間支出は 日本が約 1,100ドル、 アメリカでは約 2,433ドルにのぼる。 これは物価の違いを 体感させる現実である。 飲食費にも違いは表れる。 日本の食費は月407ドルほど、 アメリカは568ドル。 ランチひとつでも、 日本では6.35ドル、 アメリカは18.40ドルと約3倍。 ディナーは35.40ドルに対して 73.10ドルと、やはり高い。 住居の差も見逃せない。 日本では一人用賃貸が 平均496ドルだが、 アメリカでは1,552ドルと 3倍以上の開きがあるのだ。 また、家賃の他に、 生活全般のコストを比較すると、 日本の物価はアメリカより 約 34〜55 %安いという 調査結果もある。 日常の小さな買い物も、 数字は雄弁である。 米国では、パン半斤が約3.44ドル、 日本では1.51ドル程度。 その差が積もれば、 日々の生活に大きな影響を及ぼす。 日本は長らくデフレ文化だった。 その痕跡は消費者も感じており、 物価の上昇には敏感である。 たとえば、 最近ではお米の価格が高騰し、 11ポンド袋が約24ドルにまで達した というニュースもある。 前年の約13ドルからほぼ倍だ。 それでも、 最近の日本は 変化の兆しを見せている。 多くの食品メーカーが 15%前後の値上げを予定し、 社会の「価格上昇への抵抗感」は 少しずつ緩んでいる。 日本経済は、 デフレからの脱却を模索しつつある。 こうして数字を並べてみると、 アメリカの物価の高さ、日本の安さは、 単なるイメージではなく 現実として刻まれているのだと 改めて思う。 それを単なる比較に留めず、 「いかにして、 日本に暮らす豊かさを感じ取るか」 という視点へと心を移したい。 同じ1ドルが、 どれだけ多くの価値をもたらすのか。 それこそが、私たちが 考えるべきことではないだろうか。 数字は答えを示す一つの道具である。 しかし、最終的には 「感じ方」が人生の豊かさを決める。

仕事でのイライラを減らすコツ

池本克之です。


人間の感覚というものは、
あやふやでバラバラなものだ。


同じように言った言葉でも、
人によっては違う捉え方をされることがある。


例えば、

「この資料をなるべく早く
まとめておいてほしい」
と部下に頼んだとする。


そして、
「そろそろできているだろう」

と思い、
できたかどうかの進捗を聞くと、


「いえ、まだできていません…」


と言われれば
あなたはどう思うだろうか?


「え、まだできていないの?
早くと言ったじゃないか…」
と落胆するかもしれないし、


「何でまだできていないんだ!」

と部下を叱責するかもしれない。


しかし、部下によっては、
明日までがなるべく早くだと思う人もいるし、
1週間後までにまとめることが
なるべく早くだと思う人もいる。


なので、たとえ上司に怒られたとしても
「まだたったの2日しか
経ってないじゃないか…」
と思うようになるのだ。


このようなことが続けば、
お互いにストレスになるし、
仕事だってスムーズに進まない。


お互いの関係性も悪くなってしまうだろう。


では、一体どうすれば
お互いの認識が合い、
お互いがストレスを抱えずに
仕事ができるようになるのだろうか…?


それには、
チェックリストを作るというのがいいと
考えている。


チェックリストがあれば、
書いてある通りにやればいいので、
間違った行動を取りにくい。


また、

書いてあることが正解でもあるので、
やる側も安心して仕事ができるようになる。


そんなチェックリストを作るポイントは、
期限、内容、達成すべきレベル、
この3つを明確にすることが大切だ。


この3つが入っていれば、
どのような人であっても
作業が同じになるので、
安心して仕事を任せられるようになる。


そして、作ったチェックリストを使って、


「この仕事を任せる。
このチェックリストにあることを
この日のこの時間までにやってほしい」


と部下へ伝えれば、
その後は、どこまで進んでいるかの
確認を入れるだけでいいのだ。


人の感覚というものは、
あやふやでバラバラなものである。


それをできるだけ統一し、
そして、お互いがストレスを抱えなく
てもいいように、


「部下に頼んだ仕事が思うように進まない…」


「言いたいことが伝わらない…」


そう悩んでいる人は、
ぜひ、今日ご紹介したチェックリストを
実際に活用してみてほしい。


チェックリストを作るのは
面倒だと感じる人もいるかもしれないが、


長い目で見れば
お互いのストレスを減らし、
仕事の効率を上げることになるのだから。

カリスマ性よりも求められる経営者の資質とは

池本克之です。


今、「カリスマ性のあるリーダーが必要だ」と
語られる場面は少なくない。


カリスマ美容師、
カリスマ経営者、
カリスマ起業家――。


SNSや動画配信の発達により、
一人の強烈な個性がフォロワーを惹きつけ、
組織やブランドの顔になる時代である。


しかし私はカリスマ性は
「武器の一つ」ではあっても、
成功の絶対条件ではないのではないかと
考えている。


実際、私がコンサルした企業では、
突出した存在感を放つオーナーのもと、
短期間で急成長を遂げた。


だが、その組織はやがて停滞期に入り、
社員の離職も目立ち始めた。


原因は明確だった。


すべての意思決定がオーナーに集中し、
社員は“指示待ち”の集団と化していた。


上意下達だけで動く組織は、
社員が自ら考える機会を奪われ、
仕事に“自分ごと”としての
やりがいを見出しにくい。


結果として
現場からの改善提案も出なくなり、
チャレンジ精神も失われていく。


カリスマがいれば何とかなる、
といったその発想は、
もはや通用しない時代に入っている。


特に今のように、
変化のスピードが速く、
現場に近いところからの気づきが
重要になる時代では、
下意上達(現場→経営)の構造を
意図的につくることが、
企業の持続成長には欠かせない。


企業は、いろいろな意見をもつ人の
集まりで成り立っている。


だが、互いに意見を交わし、
軋轢を超え、
共通の目的に向かって
試行錯誤を繰り返すことで、角が取れ、
磨かれた「組織の強さ」が生まれる。


そのためには、
経営者が「聞く力」を持たなければならない。


現場の声に耳を傾け、
「どう考えているか」
「何が見えているか」を
真摯に受け止める姿勢が重要である。


「社長が自分たちの声を聞いてくれている」と
感じるとき、社員は自ら動く。


新しい提案も生まれ、責任感も育つ。


それは結果として、企業全体の推進力となる。


カリスマ性はたしかに魅力的な要素ではある。


だが、社員の声を吸い上げ、
組織に循環させる“共創型のリーダーシップ”こそが、
2025年以降の企業に求められる
真の力であると私は考える。


カリスマに頼るのではなく、
組織の中に“考える力”を根づかせていこう。


それこそが
これからの時代において
持続可能な成長を生む、
最も現実的な戦略なのである。




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嬉しいできごと

池本克之です。 先日、ある社員が 小さなお子さんを連れて会社にやってきた。 それだけで社内は ふんわりと優しい空気になり、 自然と笑顔が増えた。 その社員は、一度、 結婚のために退職した人だ。 おめでたい理由で 惜しまれつつ送り出したが、子供も生まれ、 生活リズムもみえてきて、 「やっぱり、もう一度仕事がしたいです」と 言ってくれ、今はパート社員として リモートを中心に活躍してくれている。 子育てと両立しながら働きたい、と 言ってくれるということ、 こんなうれしいことがあるだろうか。 もちろん、 育児との両立は決して簡単ではない。 時間にも制限があるし、 まだ1歳になったばかりなので、 手もかかり、熱も出しやすい。 お金のためだけでも、 暇つぶしということでもないだろう。 「自分の役割として、 やっぱりここで働きたい。 パジャ・ポスのお客様対応に戻りたいです」 という。 その言葉に、私は心から嬉しく、 また胸が熱くなった。 仕事は、お金のためにするもの、 そんな風に語られがちな時代ではあるが、 本当に人の心を動かすのは、 「必要とされている実感」や 「誰かの役に立っている感覚」だ。 やりがいとは、 そうした日々の実感のなかに 宿るものである。 再び会社に戻りたいと 思ってくれたということは、 その人にとって、 会社が「ただの職場」では なかったということ。 そこには信頼関係があり、 成長の機会があり、 自分を必要としてくれる誰かがいた。 そんな環境を作れていたなら、 経営者として本望だ。 これからの時代、 ライフステージに応じた働き方を どう支えるかが重要になってくる。 制約がある人が働きづらい会社は、 やがて多様性を失う。 それよりも「戻ってきたい」と 思ってもらえる会社でありたい。 今日、社内に響いた子どもの笑い声は、 その象徴のように、 未来への希望を感じさせてくれた。

組織が同じ方向を向くためにやるべきこと

池本克之です。


僕ら人間は、
まったく知らない初めて会った人とでも


同じテーマで話し合うことで
相手との距離が近くなることがある。


同じテーマについて
話し合っているうちに
だんだんと仲間のようにも感じてくる。


そして、初めて会ったとは
思えないぐらいに
溶け込むこともある。


これは、組織でも同じなのではないか。


同じ場所にいて
同じものについて話し合っていると、
そこにいる人たちが仲間のように思えてくる。


それまでは
ほとんど話したことがなかった人でも、
同じものについて話しているうちに
だんだんと距離が近くなっていく。


また、今まではほとんど接点が
なかった人同士でも
これがきっかけでお互いのことを
知る良い機会にもなる。


全員が同じテーマについて
話し合うことで、
一体感が生まれやすくなるのだ。


会社で何か目標を決めるときにも、


社長だけが決めるのではなく、
スタッフも一緒に巻き込んで考えた方が
お互いの距離が近くなりやすい。


また、一緒になって考えた方が
目標を自分事にもしやすくなる。


すでに決められた目標があり、
それに向かってやってほしいと言われても、
多くの人は動こうとしないだろう。


なぜなら、自分で
決めたわけではないからだ。


誰かに決められたものよりも、
自分で決めたことの方が動きやすい。


それに、
誰かに決められたものであれば
決めた人は達成できると思っていても、


それを伝えられた人は
達成できるように感じないかも
しれない。


もしも、


「達成できないかもしれない…」
「なんだか難しそうだな…」
「そんなの無理だよ…」


と感じていれば、
行動を起こすのに抵抗を
感じるようになる。


「自分が決めたものではないから
どうなってもいいや」
とも思うかもしれない。


そして、だんだんと
仕事が他人事になっていく。


これでは組織が伸びることはないし、
成長もしない。


達成したいものも
達成しにくくなってしまうだろう。


組織で一緒になって
同じものへ向かって進んでいきたいと
思うのなら、


目標であっても
スタッフと一緒に決めることが重要だ。


決める過程にスタッフがいれば、
自分も関わっているのだという
気持ちを持てるようになる。


そして、仕事を自分事にしやすくなる。


人間は、
同じテーマで話し合えれば
相手との距離が近くなり、
仲間のように感じる。


組織が1つにまとまるためにも、
また、同じ方向を向いて
仕事をやっていくためにも、


目標を決めるときには
スタッフも巻き込んで一緒になって
決めることをオススメする。

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仕事に“軽い・重い”は存在しない

池本克之です。

会社を見渡すと、さまざまな仕事がある。


営業、経理、総務、広報、IT、マーケティング、
企画、製造、管理、受付、清掃など。


ところが時折「どの仕事がより重要か」と
優劣をつけたがる社員がいる。


「売上を生む仕事こそ価値がある」
「雑務は誰でもできる」
「お茶出しは自分の仕事ではない」

こうした考えは一見合理的に見えて、
実は組織の根幹を
揺るがす危うさをはらんでいる。


仕事に重要度の差などない。


売上を取ってくる営業も、
その数字を正しく処理する経理がいてこそ
結果として会社に残る。


清潔な環境を保つ社員がいてこそ、
お客様は安心して訪問し、
社員自身も快適に働ける。


経営者の言葉を
形にして外へ発信する広報がいてこそ、
会社の存在感は広がる。


一見「お金を直接生まない仕事」にも、
目に見えない大きな価値がある。


その積み重ねが信頼をつくり、
結果として営業の契約が結びやすくなるのだ。


だから、どの仕事を軽んじてもならない。


社長ができることは、
社員一人ひとりの役割を
正しく伝えることだ。


「あなたのしている仕事は、
こういう形で会社を支えている」と
明示することで、
人は自分の役割に誇りを持つ。


誇りを持つとき、人は力を発揮する。


私は会社の中は様々な担当がいて
一連のフローで成り立っていると
考えている。


「営業が契約を決めてきたとき、
そこには会計処理を丁寧に進める経理がいて、
資料を整える総務がおり、
職場を清潔に保つ清掃担当がいる。

すべての歯車が噛み合って、
はじめて契約が実を結ぶ。」


もし社員の中で
「自分の仕事は取るに足らない」と
思う人がいたら、それは危険信号だ。


やがてやる気を失い、
組織の空気は沈んでしまう。


逆に「自分の仕事も会社を動かす一部だ」と
感じられたとき、組織は活気づき、
営業成績すら変わってくる。


だからこそ、仕事の重要度に差はない。


それを伝えるのは、
社長の大事な役割である。