私はビジネスの現場を
「チームスポーツ」になぞらえて考える。
自分が高校球児だったこともあり、
身近な野球を通じて、
組織運営のヒントがないかと探す。
野球には「打つ人」もいれば
「守る人」もいる。
また華やかなスターもいれば、
目立たぬところで支える控え選手もいる。
全員が同じ動きはしないが、
共通して目指すのは「勝つ」こと。
この構造は、まさに組織そのものである。
イチローがあるインタビューで
こう語っていた。
「自分の数字を残したいなら
個人競技を選んでいた。
でも僕がやりたかったのは、
チームとして勝つことなんです」
この言葉は、経営者にも深く刺さる。
ビジネスもまた
「一人が頑張っても勝てない」
世界だからである。
リーダーとして、
数字を上げる人間だけを評価しがちだ。
だが、数字を出す人の背景には、
周囲の支えや、
空気を整える人の存在がある。
ベンチにいる社員が、
どれだけ気配りしているか。
黙々と資料を整える人が、
どれだけ現場を支えているか。
表に出ない“縁の下の力持ち”に、
どれだけ目を向けられるか。
そこに、チームとしての強さが宿る。
目に見える成果だけでなく、
その裏にある貢献や支えに
目を向けてみてほしい。
そして
「あいつがいてくれてよかった」と
思える人に、
一言の感謝を伝えてみてはどうか。
ビジネスは、孤独な戦いに見えて、
実はとても人間くさい、
チームスポーツである。
だからこそ勝つためには、
「勝たせ合う力」が必要だと私は思っている。
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ブランドを背負う
池本克之です。
人間は、外見よりも中身が大切だ。
どんなに容姿が整っていて、
奇麗で立派な服装をしていても、
性格や能力が良くなければ、
人間としての評価は低い。
そんなことは、私たちは100も承知だ。
それなのに、私たちはどうしても、
人の外見に影響されてしまう。
特に、第一印象のインパクトは、
実際、かなり大きい。
これは、心理学では「初頭効果」と呼ばれ、
最初に受けた情報が最も人の記憶に定着しやすい、
ということが、科学的にも明らかにされている。
一流の経営者は、とうにそのことを知っている。
そして、それを常に意識している。
社長の外見や服装は、
組織の第一印象という、
大切な責任をまとっているのだ。
社長が清潔で真面目な印象であれば、
その会社全体も、清潔で真面目にちがいない、
と私たちは想像しがちだ。
また、社長が自由でユニークな印象であれば、
その組織も自由でユニークな仕事をするのだろう、
と想像してしまう。
衣料品や雑貨のセレクトショップ、
ビームス(BEAMS)の設楽社長は、
普段は、次の日に会う人のことを考えて、
前日にコーディネートを決めているそうだ。
しかし、昼は銀行で融資の話をし、
その足で夕方はアーティストたちと打合せ、
という日も、仕事上どうしてもある。
アーティストを意識した、
くだけた服装で銀行へ行けば、
「この人に融資して大丈夫か?」
と思われるだろうし、
銀行を意識した、
お堅い服装でアーティストに会えば、
「この人に、自分たちの感性は、
わからないだろうな」
と思われてしまう。
そこで、どうしたか?
昼間はネクタイを締めて銀行へ行き、
夕方はネクタイをストールに変え、
帽子を被って変化を付けたそうだ。
銀行ではきちんとした印象を与え、
融資を受けることができたであろうし、
アーティストとの打合せでは、
打ち解けて良い成果が出ただろう。
私はここで、
「だから社長は、様々な場面に対応できるよう、
ストールや帽子などのアイテムも揃えるべきだ」
と言いたいのではない。
そこまでして、外見に気を遣うことが、
「相手への礼儀」だと考えるその意識。
それこそが、一流の社長・経営者であり、
見習うべき姿勢だと言いたいのだ。
社長や経営者というのは、
仕事に対する姿勢や考え方と同様に、
外見や行動もその組織を代表するものとなる。
対外的な影響ばかりでなく、
社内にも同じ効果が発生する。
自分の組織のトップである社長が、
どんな服装や髪型をしているか、
どんな物を持ち、どんな香りを発しているか、
部下たちのアンテナは敏感だ。
社長が仕立ての良い服を着ていれば、
「やっぱり、社長は着る服も一流でカッコイイな」
と憧れるだろうし、
品の良いカジュアルスタイルをしていれば
「普段着もオシャレでいい感じだな」
などと親近感を覚えるだろう。
スタッフたちは、仕事上の指示だけでなく、
服装や振る舞いなどについても、
社長や経営者の影響を受ける。
そういう現象が、
組織に一つのカラーを生む。
それがすなわち、
ブランドである。
私達社長は、
常に見られ、評価され、
周囲に影響を与えているということを、
自覚しているべきだ。
社長の存在そのものが、
会社のブランドなのだ。
自分の部下に良い影響を与え、
仕事相手に良い印象を与える。
そんな存在でありたいものだ。
(参考)
Men’s Fashion,THE NIKKEI MAGAZINE
トラブルを誘発する人
池本克之です。
部下を育てるうえで問題になりやすいのが、
「部下が思うように動いてくれない」
という点ではないでしょうか。
部下が思うように動かないと
私たちはストレスを感じます。
他にも進めるべき仕事があるのに、
期待どおりに動かないために
結局は自分でやることになり、
自分の仕事が遅れてしまう場合もあるでしょう。
こんな状態が続けば
ストレスは増大し、生産性も下がります。
それでも私たちは
若い部下に仕事を任せる必要がありますし、
任せることを諦めてもいけません。
いまどきの若者たちは
根が真面目で、能力の高い人も多いからです。
とはいえ、任せる人を間違えると
仕事はうまくいきません。
任せる人を見誤れば
大小さまざまな弊害が起こります。
たとえばトラブルの増加です。
いまの若者には、自分中心で考えがちで
上司やチームへ迷惑をかけては
いけないという意識を
あまり持たない人もいます。
そうしたタイプは、納期に間に合わなくても
事前の報告や相談をしないまま
「頑張りましたが間に合いませんでした」
と平然と言うことがあります。
その段階では周りもフォローできません。
結果としてお客様や取引先に迷惑が及び、
会社や社長の評価まで下がる恐れがあります。
納期遅延は相手からの信頼を失う
原因になるのです。
さらに他のスタッフへもしわ寄せが及び、
イライラや疲弊を招きます。
上司の中には
「どうして相談しなかったのか」
と問い詰める人もいるかもしれませんが、
問い詰めても時間のむだになる場合が
多いでしょう。
同じことを繰り返す可能性が高いからです。
したがって、周囲へ被害が広がらない
簡単な仕事を任せるか、締め切りを
大幅に前倒しに設定しておく程度しか
防ぐ方法はありません。
仕事を任せる人を誤れば、
「自分の仕事が進まない」
「生産性が上がらない」
「目標が達成できない」
といった問題が次々に発生します。
それに気づかず任せ続けると、
部下が育たないストレスで
上司自身が精神的に疲れ切ることも
あるでしょう。
こんな事態を避けるためにも、
まずは任せる人を間違えていないか
確認してみてください。
それには、部下のタイプと仕事の内容を
照らし合わせ、適切に割り振ることが
欠かせません。
そうすることで、トラブルを未然に防ぎ、
あなたを含めた組織全体のストレスを
大幅に軽減できるはずです。
良い質問から良い答えが生まれる
池本克之です。
最近は大企業とのアポイントが続いている。
お会いして何を話すか?
何を聞き出すことができれば成功なのか?
もちろん事前に相手企業の情報を
リサーチして、そのうえで質問を考える。
想定できる課題は何か?
業界の傾向やトレンドは何か?
相手が見えてくると課題が明解になる。
そして、実際にお話を伺うと
起きている事実、課題とその背景が
わかってくる。
心理的なテクニックではなく
本質を共有する良い質問ができると
その答えとしてよい解決策が生まれる。
「なぜ伝わらないのか?」疲れている社長へ
池本克之です。
「なぜ、そんなこともできないのか」
「それぐらい言わなくてもわかるだろう」
そう感じた経験は、
経営者であれば一度や二度では
ないはずである。
自分にとっては当たり前のことでも、
他人にとってはそうではない。
このギャップが、
日々のイライラやストレスの原因となる。
イライラが続けば、
エネルギーは消耗し、精神的な疲れも
蓄積する。
やがて「自分でやった方が早い」となり、
部下に任せることが減り、
結果として
社長である自分の仕事ばかりが増えていく。
これは、組織経営ではなく“孤走”である。
いつの間にか、
走っているのは自分だけ。
誰も隣にいない
そんな孤独を感じている社長も少なくない。
では、なぜこうした状況が起きるのか。
その一因は、「価値観のズレ」にある。
自分にとって大切なことが、
相手に伝わっていないのだ。
だからこそ必要なのは、
自身の価値観を明確にし、
それを組織に言語化して伝えることだ。
「何を大事にしているのか」
「どんな行動を期待しているのか」
細かくてよく、箇条書きでいい。
まずは書き出すことである。
そして、それをスタッフと共有する。
そうしなければ、
いつまでも同じズレが生まれ続ける。
そのたびに社長がイライラし、
疲れていく構図は避けたい。
社長が感じるストレスの多くは、
言葉にすれば防げるものが多い。
価値観の共有は、
組織の意思疎通を滑らかにし、
社長が“自分だけで走る”状況を防ぐ
大きな一歩となる。
些細なことで無駄なエネルギーを使わず、
心穏やかに経営に集中するためにも、
まずは、
あなた自身の価値観を言語化することを
強くおすすめする。
さあ書き出してみよう。
社長が陥る負のスパイラル
池本克之です。
社長として経営をしていると、
言い知れぬ不安に襲われるときがあります。
きっと、あなたにもこのような経験が
あるのではないでしょうか。
特に問題が起きているわけではなくても
「何となく不安…」
「本当にこのままで良いのか…」
「今まで来られたのは
たまたまうまくいっていただけなのではないか…」
という、漠然とした将来への不安です。
社長は、365日片時も
会社のことが頭から離れません。
今は順調でも、この先も
ずっと同じ状態が続くとは限りません。
しかも、世の中の移り変わりは早く、
5年後、10年後には状況が
大きく変わっている可能性があります。
常に危機感を持ちながら
生存していかなければならないのです。
社長の中には、不安で
夜も眠れない人がいます。
夜に眠れないので、疲れが取れないまま
会社へ向かうことになります。
この状態が続くと、
体にも仕事にも悪影響が出ます。
眠れなくなれば、仕事の
パフォーマンスが落ちます。
パフォーマンスが落ちれば、
成果が出ません。
成果が出なければ
ますます不安になります。
週末に家族と出かけていても、
会社のことが頭から離れず
集中して過ごせないかもしれません。
奥さんの話を聞いているようで
聞いていないため、喧嘩の原因に
なることもあるでしょう。
では、どうすれば365日会社のことを
考えている社長の不安を
少しでも解消できるのでしょうか。
どうすれば、週末も会社を気にせず
家族と今しかない時間を
ゆっくり過ごせるのでしょうか。
それには、会社の事業計画書を
作ることが解決策になります。
事業計画書があれば、
これから会社がどの方向へ進めばうまくいくのか、
どのように成長していくのか、
どのタイミングで戦略を実行し
どの時点で人を採用し、
キャッシュフローはどう推移するのかが
すべて目に見えて分かります。
多くの場合、不安になるのは
将来が見えず、何が起こるか分からないからです。
しかし、事業計画書を作成していれば、
問題にぶつかったときに
事業計画書を見るだけで
正しい方向へ導かれます。
今、何をすれば目指しているゴールへ
最短距離で到達できるのかが
示されるからです。
あなたは、それを実行するだけです。
事業計画書が無ければ、
漠然とした将来への不安を
抱え続けることになります。
けれども、事業計画書があれば、
将来への不安を大きく解消できます。
安心して経営を続けるためにも、
家族との貴重な時間を
有意義に過ごすためにも、
それには、会社の事業計画書を今から作成し、
原点へ戻れる場所を持つことを
強くおすすめします。
そうすることで、
「あのとき作っておいて良かった」
と感じる日がきっと来るでしょう。
コミュニケーションは成長のもと
コミュニケーションが希薄になった
といわれる。
例えば、挨拶。
当たり前のことだと思うが、
最近は挨拶をしない場面をよくみかける。
挨拶をすることを親から教えられ
習慣になってる人からすると
理解できず、不快にすら感じるだろう。
しかし、挨拶をしない心理は
相手にどう思われるか不安
してもしなくても同じだろう
と感じているようだ。
例えば、オフィスビルで
他の人とエレベーターに乗り合わせる。
「何階ですか?」と聞くか聞かないか。
ある人は「何階ですか?」と聞き
その階のボタンを押す。
相手は「ありがとう」と返す。
ある人は、「何階ですか?」と聞かず
他人の存在が見えないかの如く、
黙って自分の行先階のボタンを押す。
良い、悪いではない。
ただ、社会はいろんな人の集合体で
成り立っていることは間違いない。
人とのかかわりは避けては通れない。
私は、挨拶ができる部下を育てたいし、
コミュニケーションを大切にする組織を
作り上げたい。
なぜなら、
それは承認欲求を満たす行動だから。
これができないと自己成長はない。
あなたは見えていますか?優秀な人材の本音
池本克之です。
最近、優秀な人材が
突然辞めてしまうことで悩む企業が
増えているようです。
優秀な人は退職を決めるとき、
転職の意向を上司に告げず、
水面下で転職活動を進める場合が
少なくありません。
そしてある日、
上司に届くのは転職が決まった後の
「辞めます」という突然の報告だけ、
ということもあります。
何なのでしょうか…
本当に残念な出来事です。
優秀な人材が抜けた穴を埋めるのは
とても大変です。
周りのスタッフに負担がかかり、
業務が回らなくなる危険も
十分あります。
優秀な人材の急な退職は
会社の成長を脅かします。
では、なぜ優秀な人は
突然辞めてしまうのでしょうか。
また、なぜ辞めようとする前に
気付けなかったのでしょうか。
原因の一つに、
評価への不満があります。
優秀な人は仕事の精度が高く、
上司は知らず知らずのうちに
それを当たり前だと思いがちです。
いつも良い仕事をしているのに
褒められることもなく、
昇格の話もなく、
放置されてしまうと、
不満がたまっていきます。
人は誰でも認められたいものです。
評価が自信に直結する人も多くいます。
しかし、上司がその不満に気付けないことは
珍しくありません。
優秀だからこそ、
本人は不満を口に出さない場合も
あるのです。
それには、一対一の面談が効果的です。
面談で上司が説教を始めたり、
一方的に話すのでは意味がありません。
面談では部下の話を聴くことが重要です。
このような面談を重ねれば、
部下の悩みや不満に
早く気付けるようになります。
優秀な人には優秀な人ならではの
悩みがあります。
それを早期に解消できれば、
突然辞める事態を
防げる可能性が高まります。
あなたの会社には、
辞められたら困ると思う人が
いるでしょうか?
もし思い当たる人がいるなら、
その人から突然「辞めます」と
言われないように、
一対一の面談を導入し、
問題を早期に把握して
解決することをおすすめします。
辞められてから後悔しても、
本当に遅いのです。
いますぐ、自分にできること
世のため人のためとは言うものの、
本当にためになることを行動に移すのは
気持ちだけあってもきっかけがない。
だから、ボランティアだったり、
社会活動に参加する人は立派だと思う。
行動に移したのだから。
私なんて、町内会の活動で公園の
清掃活動に行くのでさえ面倒ですから。
気持ちはあるのですが。
そういえば、大学生の頃、
海外青年協力隊に参加しようと
本気で思ったことがあった。
海外に行きたい願望があったし、
困っている人を助ける
やってみたいことだったので。
ところが、結局のところ
申し込みはしませんでした。
最後にふと思ったことがあったので。
それは、よかれと思った行動が
本当にその人のためになっているのか?
それがわからなくなった。
日常の暮らしをしていると
何の苦労もなく生きていられる。
ほぼ確実に明日はやってくる。
そうではない人が、日常なんてない人が
この同じ地球上にどれだけいるのか?
1人の行動がどれだけ助けになるのか。
それはいまでもわからない。
しかし、いますぐ、自分にできることをやる。
いまはそう思う。
初期対応が会社を救う
池本克之です。
私たちは誰でも、
人に褒められたい。
いい姿を見せたい。
失敗や悪い結果は、
人に言いたくないし、
自分自身でも目を背けたくなるものだ。
会社でも、部下はいつも、
上司に褒められたい、
良い成果を報告したい、と思っている。
ミスや悪い成果は、
できれば言いたくないのが、
人間の心理というものだろう。
「上司に怒られるだろう…」
「自分の評価が下がってしまう」
「ミスの責任を取らされるだろうな…」
このような考えが起こり、
ごまかしたり、後回しにしたりして、
悪い事からなるべく遠ざかろうとするものだ。
しかし、
その考えは捨てなくてはならない。
どんなに小さくても、
トラブルや悪い傾向が確認できたら、
すぐに上司へ報告することが、
組織においてはとても大切だ。
そうしなければ、
いずれ大きな問題に発展し、
組織全体が危機にさらされる可能性も、
十分にあり得るからだ。
ガンなどの病気を例にとって考えれば、
わかりやすいだろう。
早期発見ができれば、
治癒率が高く、死亡率は低くなる。
早期発見ができれば、
再発や転移のリスクは少なく、
治療法や病院の選択肢も多い。
それゆえ、早期発見ができれば、
心理的なダメージはそう大きくなく、
治療費も安く抑えられる。
だが、検査や治療を受けず、
何となく体の不調をごまかし続けていたら、
どうなるだろう?
取り返しのつかないことになるのは、
皆さんも容易に想像できるだろう。
会社にも、これと同じことが言える。
仕事でのミスや小さな綻びを、
上司に報告せずに放置すれば、
会社の生命が危機にさらされることになるのだ。
だから、早期発見と、
初期対応がとても重要になってくる。
だが、どうすればよいのだろうか?
それは、スタッフたちが、
ミスやトラブル、クレームなどを、
ためらうことなく、速やかに、
上司へ報告できる環境を作っておくことだ。
そして、
悪い事が起こった場合、
どのような行動をとるのが適切なのか、
初期対応がどれほど大切なのか、
社長が繰り返し教え、
スタッフたちに浸透させることが大切だ。
「ミスは誰にでもあることだ」と、
皆が理解していれば、報告もしやすい。
そういう風土を作るのは社長や経営者だ。
何か問題が発覚したら、皆揃って、
迅速にリカバリーする方向へ動けるような、
体制づくりをしたいものだ。
社内の小さな問題を見逃さず、
組織の健康と成長を支えることも、
社長として、重要な務めだと考えている。