お金を使ってミスを減らす?

池本克之です。 部下のミスが減らないと、 お金で解決しようとする人もいるようだ。 どういうことかと言うと、 部下がミスをするたびに 「1回いくら減額」というように、 その人の給料から引いていくやり方だ。 (ただ、これは 「仕事上でミスをした場合は ○○円の賠償をすること」 というように 独自のルールを設定することは 法律違反となるようなので、注意が必要) 実際、こんなやり方で どれだけミスが減るのだろうか? しかも、「ミス」と見るのも 人によって違う。 ある人は、 「それぐらい、いいじゃないか」 と言う人もいれば、 「いや、それは確実にミスだ!」 と言い張る人もいる。 このようなことは、 判断する人のさじ加減でなんとでもなる。 機嫌がいい時には いつもはミスだと言っていることも ミスじゃないと見られたり、 反対に、機嫌が悪い時には いつもはミスだと言わないことを ミスだと見られる場合だってある。 このように、 判断する人の機嫌によって決まっていては 判断される側はたまったもんじゃない。 中には、上の人の機嫌をとることに 一生懸命、時間をかけてくる人も 出てくるだろう。 こんなことに時間を割いていては、 肝心な仕事をする時間が減って とても非効率だ。 会社は、誰かの機嫌をとるために あるものじゃない。 それ以外にも、 急に給料を下げられれば 当然、モチベーションは下がる。 それによって、 転職を考える人も出てくるだろう。 もちろん、ミスをするのは 良いことではない。 しかし、お金を使って ミスを減らすというやり方が うまくいくのかどうか、というのは、 とても疑問が残るところである。 人間は、 痛みを避けたいと思う生き物なので、 給料が減るとなると誰だって避けようとする。 また、それが原因で、 社内で足の引っ張り合いが 起こる場合だってある。 こうなるととても厄介だ。 お互いに協力して仕事を しようという意識は消え、 誰かがミスをしたら それを密告しようとしたり、 社内が殺伐とするようになるだろう。 それに、間違わないようにしようと思い 慎重になりすぎて、 いつもより余計に時間がかかってしまう… なんてこともある。 これでは、仕事のスピードは落ちるし 社内は足の引っ張り合いで、 もうどうしようもない。 こんな組織で成果を出すなんて 到底、ムリな話だ。 では、どうしたらそんなことにならずに 済むのかと言うと、 お金で解決するのではなく、 (実際、仕事上でミスをした場合は、 ○○円の賠償をすること」 というように独自のルールを設定するのは 法律違反だ) なぜ、そのミスが発生しているのか? どうすれば防げるようになるのか? ということをスタッフ自身に考えさせ、 ミスが再発しないようにする方が重要だ。 根本的なところを直さない限り、 いつまで経ってもそのミスは 繰り返されるだけだ。 今、目の前にある問題を どうにかして潰そうと思うのもわかるが それではいつまで経っても改善されず、 社長はスタッフを 監視し続けなければならなくなり、 指示を出し続けなければならなくなる。 会社の将来を考える時間なんて ほとんど作ることはできないだろう。 ミスをされるのはイライラするし、 「何度言ったらわかるんだよ!」 「いい加減にしてくれよ…」 と思ったり、実際に口に出してしまう 気持ちもよくわかる。 しかし、その場限りの対処ではなく、 どうすればミスが減るか? どうすればミスをせずに済むのか? これらをスタッフ自身に考えさせて、 実行させる方が長い目で見ても賢明だ。 社長の時間は貴重だ。 だからこそ、限られた時間の中で、 少しでも長く社長にしかできない仕事、 会社の将来を考えることに時間を使えたら、 もっと会社の成長スピードは上がるのだから。 PS 組織学習経営に必要なメソッドが学べる お勧めのセミナーがあります。 以下をチェックしてください ↓ 詳細はこちら