池本克之です。
人間ですから、誰でも緊張いたします。
私も大勢の前で話す機会が多く、
そのたびに緊張を感じております。
中には、ほとんど緊張しない方も
いらっしゃるかもしれません。
しかし、重要な商談や取引先への謝罪、
大勢の前でのプレゼンなど、
緊張を覚える場面は多いものです。
緊張すると、ふだんの自分とは
違う状態になりがちです。
考えていたことが話せなくなったり、
「こんなことを言うつもりではなかった」と
後悔することもあります。
自分が何を話しているのか
分からなくなるような経験を
された方もいらっしゃるでしょう。
緊張で汗が出てくる場合もあります。
このような状態では、
ここぞという場面で本来の
パフォーマンスを発揮できません。
その結果、後悔が残ってしまいます。
適度な緊張はプラスになることもありますが、
極度の緊張は自分らしさを
失わせる要因となります。
では、どうすればよいのでしょうか。
私は、その対策としてゴルフを勧めております。
ゴルフは「考える時間」が豊富なスポーツです。
プレー中に立ち止まって戦略を練る時間があり、
ボールを打つよりも考えている
時間の方が長いほどです。
人は考える時間が長いほど緊張しやすくなり、
想像が膨らむとマイナス思考に
陥ることもあります。
結果として、緊張がさらに高まる悪循環が生まれます。
しかし、この「立ち止まって考える」行為を
繰り返すことで、メンタルが鍛えられていきます。
何度も緊張する場面に直面するうちに、
慣れが生まれるからです。
緊張しにくいメンタルが身につけば、
大事な場面で実力を最大限に発揮できます。
いつもと同じ自分で、
冷静に判断できるようになるでしょう。
緊張して判断を誤り、
大切な場面でミスをしないためにも、
緊張しやすい方はゴルフでメンタルを
鍛えてみてはいかがでしょうか。
池本克之です。
仕事のできないおじさんほど
会社にとってムダなものはない。
仕事ができなくても
周りに影響を与えず
給料が安ければいい。
しかし、実態はその逆だ。
周りの仕事を増やし、ストレスを与え
それでいて優秀な若い人より給料が高い。
このムダをどうにかしないと
優秀な若い人の方が会社を辞めていく。
なぜなら、合理的ではないからだ。
ハッキリ言って、アホらしい。
このムダを放置する会社が
そう見えるのだ。
そうは言っても役職についていて
長年、貢献してくれているので
どうすればいいのか?
役職者にいかにうまく動いてもらい、
どう成果を出してもらうかは、
社長の手腕にかかっている。
例えば、大企業では役職定年が制度として
存在する場合がある。
個体差はあるもののある年齢で能力が
低下して、働かないおじさんになってしまう
ことを見越した制度とも言える。
リコーでは、ジョブ型人事制度と同時に、
2軍制度を取り入れているという。
それは、
一定の期間内に必要なスキルを習得しないと
一般職に降格するという制度だ。
実際に降格した役職者の中には、
これまでスキルアップしてこなかったが
危機感が生まれ学ぶチャンスになった。
といった、仕事に対するモチベーションが
アップしたという声があがっているという。
それなら、仕事のできるオジサンなので
何の問題もない。それどころか、戦力として
活躍の場があるということになる。
降格という刺激を受けて、スキルアップする
という反応が生まれる。
どんな刺激を与えるか?
社長の腕の見せどころだ。
池本克之です。
スタッフの中には、
残業をしたくないと考えている方も
いるかもしれません。
なるべく早く帰宅し、
自分の時間を大切に
したいと思う方もいます。
家族が待っている場合は、
早く帰って家族との時間を過ごしたいと
考える方もいるでしょう。
仕事が早めに終わったら、
ジムへ行こうと考えている方も
いるかもしれません。
仕事以外の時間が充実していれば、
その経験は仕事にも良い影響を与えます。
とはいえ、残業を減らしたいと思っても、
なかなか減らせない方もいます。
日々の業務が忙しく、
後回しになっている仕事があるためです。
そのような方は、
「今日も残らないと終わらない」と感じ、
疲れていても必死に業務を続けています。
スタッフが残業していると知った社長の中には、
「残業を減らしてほしい」
と指示する方もいるでしょう。
「どうしてそこまで遅く働く必要があるのか」
と疑問に思うこともあるかもしれません。
しかし、スタッフから見ると、
「そんなのは無理だ」
「どうやって減らせと言うのか」
と感じる場合があります。
「社長は現場を理解していない」
と受け取られ、
関係が悪化することもあります。
ただ残業を減らすよう伝えるだけでは、
問題は解決しません。
何が原因で残業が発生しているのかを
考えなければ、
根本的な解決には至らないのです。
多くの社長は日々多忙で、
スタッフとのコミュニケーションが
不足しがちです。
スタッフが今何に困り、
何に悩んでいるのかを、
じっくり話し合う時間が取りにくいのかもしれません。
そのため、目に見える状況だけで
判断してしまうこともあります。
しかし、なぜ残業が必要なのかを
把握しなければ、
残業の削減は難しいでしょう。
原因を知るには、スタッフと話す時間を
設ける必要があります。
あなたは最近、スタッフと対話する時間を
確保しているでしょうか。
ある記事には、
「職場では全員がパソコンに向かい、
キーボードの音だけが響く。
業務量が膨大で、
無駄話をする余裕がない。
毎日顔を合わせているのに、
互いに何を考え、
何を悩んでいるのかを語り合う機会がない」
と記されていました。
確かに、このような状況の
会社は多いかもしれません。
このままでは、互いの状況を把握できず、
困りごとも見えないままです。
問題があっても気付けず、
深刻化する恐れがあります。
これは好ましくありません。
社長は多忙かもしれませんが、
少しでも時間を取り、
スタッフと話すことが大切だと感じます。
そうすることで、
これまで気付かなかった課題を把握し、
残業削減のきっかけをつかめる場合があります。
単に「残業を減らせ」と伝えるだけでは、
実行は難しいものです。
もし、
「最近スタッフと話していない」
と感じるようでしたら、
ぜひ時間を確保してみてください。
それがスタッフの問題解決を早め、
業務を効率良く進めることにも
つながるでしょう。
池本克之です。
忠誠心と聞くと、
なんだか良い言葉のように感じます。
相手へ真心や誠意を、
尽くそうとする気持ちだからです。
お互いに信頼関係が築けているのであれば、
大変素晴らしいことでしょう。
しかし、この忠誠心は、
行き過ぎると良くない方向へ向かう場合があります。
例えば、会社において社長と部下、
あるいは上司と部下の関係になると、
絶対的服従に近い忠誠心を示す方が、
中には存在します。
このような場合、
上からの指示は必ず実行されます。
一見すると、理想的に思えるかもしれません。
ところが、不正や欠陥があっても
報告しないという事態が、
平然と起きるようになります。
その結果、たとえ悪いことであっても、
悪いと認識しないまま実行されます。
「ばれなければ構わない」
「〇〇さんが言うのだから正しいはずだ」
といった考え方に陥ってしまうのです。
こうなると深刻です。
やがて組織は崩壊し、
会社も長続きしなくなるでしょう。
想像するだけでも恐ろしい事態です。
本来、美徳とされる忠誠心でも、
上下関係の下では歪む可能性があります。
では、このような歪んだ忠誠心をなくすには、
どうすれば良いのでしょうか。
やはりトップの在り方次第だと感じます。
トップが誤った方向へ進めば、
部下も容易に同じ方向へ引き込まれます。
中には、社長の行動や考えを見て、
「これではいけない」と判断し、
早々に退職を選ぶ方もいるかもしれません。
人は窮地に立たされると、
痛みから逃れたいと考えます。
一刻も早く状況を避けたいとも思います。
そこで正しい判断を下す人もいれば、
自分だけ良ければ良いと考える人も現れます。
長期的に考えると、
私たち社長の行動や発言は、
部下を正しい方向にも、
間違った方向にも導く可能性があります。
忠誠心という言葉は素晴らしいですが、
部下が誤った忠誠心を抱かないように、
私たちトップに立つ者が、
正しい行動を継続することが重要だと、
強く感じております。
池本克之です。
私たちは誰でも、
人に褒められたい。
いい姿を見せたい。
失敗や悪い結果は、
人に言いたくないし、
自分自身でも目を背けたくなるものだ。
会社でも、部下はいつも、
上司に褒められたい、
良い成果を報告したい、と思っている。
ミスや悪い成果は、
できれば言いたくないのが、
人間の心理というものだろう。
「上司に怒られるだろう…」
「自分の評価が下がってしまう」
「ミスの責任を取らされるだろうな…」
このような考えが起こり、
ごまかしたり、後回しにしたりして、
悪い事からなるべく遠ざかろうとするものだ。
しかし、
その考えは捨てなくてはならない。
どんなに小さくても、
トラブルや悪い傾向が確認できたら、
すぐに上司へ報告することが、
組織においてはとても大切だ。
そうしなければ、
いずれ大きな問題に発展し、
組織全体が危機にさらされる可能性も、
十分にあり得るからだ。
ガンなどの病気を例にとって考えれば、
わかりやすいだろう。
早期発見ができれば、
治癒率が高く、死亡率は低くなる。
早期発見ができれば、
再発や転移のリスクは少なく、
治療法や病院の選択肢も多い。
それゆえ、早期発見ができれば、
心理的なダメージはそう大きくなく、
治療費も安く抑えられる。
だが、検査や治療を受けず、
何となく体の不調をごまかし続けていたら、
どうなるだろう?
取り返しのつかないことになるのは、
皆さんも容易に想像できるだろう。
会社にも、これと同じことが言える。
仕事でのミスや小さな綻びを、
上司に報告せずに放置すれば、
会社の生命が危機にさらされることになるのだ。
だから、早期発見と、
初期対応がとても重要になってくる。
だが、どうすればよいのだろうか?
それは、スタッフたちが、
ミスやトラブル、クレームなどを、
ためらうことなく、速やかに、
上司へ報告できる環境を作っておくことだ。
そして、
悪い事が起こった場合、
どのような行動をとるのが適切なのか、
初期対応がどれほど大切なのか、
社長が繰り返し教え、
スタッフたちに浸透させることが大切だ。
「ミスは誰にでもあることだ」と、
皆が理解していれば、報告もしやすい。
そういう風土を作るのは社長や経営者だ。
何か問題が発覚したら、皆揃って、
迅速にリカバリーする方向へ動けるような、
体制づくりをしたいものだ。
社内の小さな問題を見逃さず、
組織の健康と成長を支えることも、
社長として、重要な務めだと考えている。
池本克之です。
人手不足はこの先、永遠に付きまとう
経営課題だろう。
募集をしても応募がない。
応募があってもいい人材がいない。
やっと採用できてもすぐ辞める。
どうすればいいのだろうか?
今いる社員が辞めないように
給料を上げたい。
でも、お金がない。
しかし、辞められると困るので
社員の機嫌をとって、嫌われない
ようにする。
おかしな話だ。
社長が社員に気を遣う
正しく言うと遣いすぎる行動は、
やめた方がいい。
そんなことをしても
社長のストレスになるだけで
辞める社員はそれでも辞めるからだ。
そもそも「機嫌」は、仕事では必要がない。
それらは自分でコントロールするものであり、
社員の「機嫌」は社長の仕事ではない。
機嫌を取ると、社員には甘えが生まれる。
しかも、全社員に同じようにはできないので
不公平感が生まる。
そうすると、機嫌を取ってあげない
他の社員はモチベーションが下がる。
そして社長のストレスは増えてる。
それよりも自分で自分の機嫌を取れる
そんな社員を採用することだ。
中小企業にそんな優秀な人から
応募があったら苦労はしないよ。
その通りだ。
しかし、エネルギーを使うべきなのは
社員の機嫌を取ることではなく、
社員を採用することなのだ。
確かに苦労はするだろう。
しかし、諦めてしまえば何も変わらない。
変わるには、やるしかないのだ。
池本克之です。
あなたの会社には、
雑談の文化があるでしょうか。
もしかすると、社長の方の中には
オフィスにいる時間よりも
外にいる時間のほうが長く、
スタッフが雑談をしているかどうか
分からないという場合も
あるかもしれません。
また、雑談と聞くと
「そんな暇があれば仕事をしなさい」
と感じる方も
いらっしゃるかもしれません。
もちろん、ダラダラと
雑談ばかりしているのは
好ましくないでしょう。
仕事の進捗に影響するからです。
実際に、スタッフがダラダラと
雑談をしている姿を見ると
イライラしてしまう方も
いるのではないでしょうか。
しかしながら、適度な雑談には
決してマイナス面だけではありません。
適度な雑談が
仕事のスピードを上げたり、
スタッフ同士の人間関係を良くすることに
つながる場合もあるのです。
どういうことかと言いますと、
適度に雑談を交わすことで
相手のことを知る機会が増えたり、
思いがけないアイデアが
ふと浮かぶことがあるということです。
それが思わぬビジネスへ
発展することだってあり得ます。
また、会議では出なかったような
突拍子もない提案が
雑談の場だからこそ
生まれるケースもあります。
ところが、部下の中には
「仕事中に雑談しづらい
雰囲気があってやりにくい」
「雑談ができるような上司ではない」
と感じている方もいるようです。
こうなると、
話したいことがあっても話せませんし、
「ここが困っている」
「もっとこうしてほしい」
と思っていても
言い出せなくなります。
「何か言いたいことがあるなら
言えばよいのではないか」
と考える方もおられるでしょうが、
部下が上司に言えないのは
上司が言いにくい雰囲気を
作っている可能性もあるからです。
これは、理解しておく必要があります。
雑談には、悪い面だけでなく
良い面も多くあります。
何気ない雑談が
生産性を高めたり、
人間関係を良くする効果もあるのです。
普段の会話では出ないようなアイデアが
雑談の中から生まれることもありますし、
雑談を通じて部下との信頼関係を
構築することもできます。
そのために、
「自分は話しかけづらい雰囲気を作っていないか」
「雑談しにくい環境を作っていないか」
もう一度考えてみることが、
組織を円滑に動かす上で
非常に重要だと感じています。
池本克之です。
社長やマネージャーの中には、
部下に仕事を任せられないと
悩む方も多いようです。
もちろん、
誰かに自分の仕事を任せるのは
不安を感じたり、
「本当にできるのか…」と
考える場合もあるでしょう。
「自分が思った通りの仕上がりに
ならなかったらどうしよう…」
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
そうなると、
また自分が一からやらなければならない
という考えが頭をよぎり、
結局すべてを自分でやってしまう
という方もいます。
しかし、どのような方でも
一人の力には限界があります。
すべてを一人でこなすには
無理が生じますし、
時間も足りなくなります。
その結果、
肝心な仕事が後回しになってしまう
可能性があります。
このような事態を避けるためには、
自分以外の人に仕事を任せることが
とても大切です。
とはいえ、
部下に仕事を任せられない上司には
いくつか共通する傾向が見られます。
そのひとつが、
「自分でやったほうがいい結果が出る」
と思い込んでいることです。
これは、ある意味当然かもしれません。
自分よりも経験が浅く、
知識やスキルが十分でない部下が
優れた結果を出すのは
難しいと感じるのは自然なことです。
ですが、
そんな部下を成長させて
結果を出せるように導くのが
上司の役割ではないでしょうか。
自分がやったほうがうまくいく、
このような意識が強い方は
能力や経験に自信をお持ちの
優秀なタイプだと思われます。
しかし、優秀だからこそ
周りの部下が自分よりも
劣っているように見えてしまい、
なかなか仕事を任せられないのです。
けれども、仮に部下の能力が
まだ十分でなかったとしても、
自分一人であげられる成果は
100のままです。
それを200や300に増やすためには
部下の力を活用することが欠かせません。
会社や組織がリーダーに求めているのは、
たった一人で成果を出すことではなく
チーム全体で大きな成果を出すことです。
自分以外の方に仕事を
任せられるようになれば、
上司はもっと重要な仕事に
取り組めるようになるだけでなく、
時間を有効に使えるようにもなります。
仕事が進むスピードも上がりますし、
重要な仕事に集中することも
できるでしょう。
実際、「任せてみたら
思ったより良い結果になった」
というケースは少なくありません。
組織が今後20年、30年、
さらに50年先も続いていくためには、
仕事を誰かに継承していくしか
ありません。
「自分以外の人に任せるのは不安だ」
「自分がやったほうがいい結果が出る」
と思うお気持ちはよく分かります。
ただ、今部下に仕事を任せることで
将来的に「自分の時間」を
より多く手に入れることにも
つながるのではないでしょうか。
池本克之です。
組織の運営に携わる者は
それなりの管理責任がある。
「管理職」という言葉があるが、
そのようなポジションの人は、
何を管理しているのだろうか?
何を管理すべきなのだろうか?
予算管理、人員管理、
進捗管理など、
組織の中には管理を必要とすることが多い。
予算がきちんと組まれているか?
スタッフが適切に配置されているか?
業務が予定通りに進捗しているか?
これらを把握=管理し、
必要に応じで修正を加える。
それが上手くいかないと、
組織の経営も、上手くいっていないということになる。
そこでありがちな上司の行動は、
部下、すなわち「人」を、
管理しようとすることだ。
「部下を管理するのが上司の任務」
と考えている人は意外と多い。
部下の行動を監視し、
仕事のやり方を指導し、
時にはパソコンの書式設定にさえ言及する。
それは何故かと言えば、
部下を信頼せず、
小さなミスを恐れているからだろう。
しかし、部下にとっては、
自分の一挙手一投足に、
上司が常に目を光らせているという、
息の詰まる状況だ。
上司に信頼されていないと感じ、
何か怒られるのではないか?と怯え、
萎縮し、緊張しながら仕事に向かうことになる。
こんな状況では、部下は、
自分の能力を最大限に発揮できない。
新しいアイディアを提案することもできず、
ただ上司に言われたことを、
言われたとおりにやるだけだ。
上司は組織の成果を上げる目的で、
部下を管理しているのだろうが、
これでは成果が上がるどころではない。
組織の雰囲気さえも低迷してしまう。
信用されていない、と感じた部下は、
自信を失うだけでなく、
上司への信頼感も失うだろう。
これらはすべて、
「仕事」を管理することと、
「人」を管理することを、
混同してしまったための結果と言える。
管理すべきは、「仕事」であって、
「人間」ではない。
これをしっかりわきまえるべきだ。
目標達成へのプロセスには、
様々なルートや、手法があるだろう。
仕事として求められる目標を達成できるなら、
どのような個性で進めるかは、部下の自由だ。
仕事の進捗に問題がなく、
クオリティも想定通りであれば、
部下の行動に口出しする理由はないだろう。
実際、私はそういう意味で部下の管理はしていないし、
経過報告に問題がなければ、
そのまま、その仕事を部下に任せている。
もちろん、仕事の進捗状況が、
当初の計画から大きく逸脱するようであれば、
軌道修正のための打ち合わせや指示を行うことはある。
その場合でも、部下という人間を咎めるのではなく、
一緒に仕事内容の問題点を取り出し、
改善策を見つけることが主眼となる。
このようなアプローチをとれば、
組織の雰囲気が悪くなることも避けられ、
皆が自発的に、一つの目標へ向かうことができるだろう。
「人」は、組織の目標達成のための手段ではない。
上司が好きに動かしていいコマでもない。
あなたが今まで必死に人を管理してきたのなら、
今すぐ認識を改めて欲しい。
そのことは、
あなたの組織にとって
きっと良い成果をもたらすだろう。
池本克之です。
部下が仕事をしているときに、
パソコンをのぞき込んで
「ああ、そこは違います」
「ここはこうしてください」
と、いちいち口を出してくる方は
いないでしょうか。
こうなると、
部下は仕事が非常に
やりにくくなってしまいます。
いちいち口を挟まれるため、
嫌な気分になるのです。
しかも、パソコンをのぞき込まれると
監視されているようにも
感じてしまいます。
そして、その方が後ろを通るたびに
嫌な気分になり、
「また来た…」と
思うようになります。
これでは、もっと進むはずの仕事が
進まずに部下もイライラしてしまいます。
もちろん、パソコンをのぞき込んで
細かくチェックをする側にも
理由があるのでしょう。
上司としては、
部下が間違わないようにと考えて
指導をしているのかもしれませんが、
実は、これが部下の生産性を落としたり
ストレスを抱える原因になるのです。
では、どうすればよいのでしょうか。
まずは、
人を管理するのではなく
仕事を管理するという意識を
持つことが必要です。
しょっちゅう部下の仕事に
口を出したり、
部下を呼びつけて事細かに報告させ、
部下のやり方にいちいち
口を挟むような行動は、
人を管理している状況と同じです。
そうではなく、
仕事がうまく進んでいるならば
余計なことは言わずに任せる。
計画通りに進んでいないときには
詳細な打ち合わせを行い、
軌道修正をするために
細かな指示を出すこともあります。
こうした進め方であれば、
部下は安心して仕事ができますし、
仕事のスピードも上がっていくでしょう。
さらに、上司が自分を信頼して
任せてくれていると感じられれば、
部下のモチベーションも
高まるはずです。
部下の行動が
「ちゃんとできているか」
「しっかりやってくれているか」
と気になるかもしれませんが、
あくまでも上司の役割は
人を管理するのではなく
仕事を管理することです。
この点を、
普段から私自身も含めて
忘れないようにしたいものです。