池本克之です。
人は何歳になっても、
誰かに認められると嬉しいものである。
評価された、感謝された、
その実感が、働く力になる。
経営者や上司の立場にあると、
「報酬」や「制度」にばかり
意識が向きがちだが、
実際には「言葉」が人を育て、動かす。
だが現場ではよくこう聞く。
「最近、スタッフを褒めていない」
「感謝の気持ちを伝えていないかもしれない」
特に信頼している相手ほど、
“言わずとも伝わる”と思いがちである。
しかし、それは大きな勘違いだ。
人は悪い点にはすぐ目が行く。
だからこそ注意や指摘はしやすい。
一方、良い点は“当然”とされがちだ。
結果として、頑張っている側は
「見てもらえていない」と感じてしまう。
そして、関係性はじわじわと冷えていく。
人間関係において必要なのは、
ほんの少しの観察力である。
「この資料、よくできているな」
「細かい配慮がありがたいな」
そうした気づきを、言葉にして伝える。
たったそれだけで、
組織の雰囲気は変わっていく。
この世代間ギャップが大きく、
「言葉にしないと伝わらない時代」において、
言葉にする力こそが、リーダーの資質となる。
信頼しているからこそ、
黙っているのではなく、
信頼しているからこそ、
「見えているよ」と言葉にするべきだ。
もし最近、スタッフとの距離を感じるなら、
まずはひと言、
「ありがとう」から始めてほしい。
それが信頼を育て、
組織を変える最初の一歩となる。
池本克之です。
飛躍する企業になるには
何が必要なのか?
「ビジョナリー・カンパニー2
飛躍の法則」には、
このような一節がある。
“ 飛躍した企業は、
厳しい現実を認識して、
偉大な企業への道をたえず見直している”
この行動こそが
「そこそこ良い企業」から
「偉大な企業」になるために
重要なことであり、
大多数の「そこそこ良い企業」を
ダントツで出し抜いて、
成長を続ける企業になる秘訣だ。
反対に、これをしていない企業は、
「そこそこ良い企業」になることは
できたとしても、
「偉大な企業」 になることは
できないだろう。
さて、あなたは
大多数の「そこそこ良い企業」と
「偉大な企業」、
どちらになりたいだろうか?
もし、あなたが後者なら、
決して現状に満足せず、
きわめて厳しい現実を直視する
確固たる姿勢を持たなければならない。
・・・・・・・・・・・・・・・
いくら大きな夢やビジョンが
あったとしても、
現実はどうなっているのか?
本当にその夢やビジョンを
実現するために
やらなければならないことが
できているのか?
間違った方向に行っていないか?
ということを
常に見直していなければ、
間違った場所に辿り着く場合がある。
それでは、時間のムダになり、
遠回りをすることにもなる。
だからこそ、
確実にあなたが望む場所に着くために
現実を直視し、間違っていれば
修正する必要がある。
では、自分がやっていることが
本当に間違っていないのか?
今、やっていることは
自分が目指している場所に着くために
本当に必要なことなのか?
これらを知る方法は
何なのだろうか?
それは、あなたの会社の
事業計画書だ。
事業計画書は、
あなたが理想とする場所へ
確実に辿り着くための地図である。
経営をしていて困った時や、
今やっていることに
自信が持てなくなったら、
すぐに事業計画書を見返してほしい。
あなたが進むべき方向を
正しく示してくれる。
事業計画書には、
あなたが目指している場所へ
確実に辿り着くために
やらなければいけないこと、
そして、そのために必要な物や人、
あるいはお金についても
事細かに書いてある。
実際、私も会社を急成長させた時には
いくつもの事業計画書を作成していた。
どうしていくつも
作成していたのかというと、
新しい課題はどんどん見つかっていくし
実際に解決しようと思ってみても
うまくいかないことだってあるからだ。
その場合は、計画を見直し、
変える必要がある。
それに、会社も成長していて
社会情勢も変わっているのに、
最初に作ったものだけで止まっていれば
それは事業が止まることと同じである。
なので、計画は
どんどん変えていく必要があるのだ。
そして、その時その時の
最適な行動を取ったことで
成功にもっていくことができた。
さて、あなたの会社には
あなたの事業を大きく伸ばすための
事業計画書があるだろうか?
事業を今以上に大きく伸ばしていきたい
と思うのなら、
必ず事業計画書が必要だ。
事業計画書は、
仲間を集めるため、
お金を集めるためにある。
社長の中には、
「そんなものがなくても
うまくいっている」
と言う人もいる。
しかし、事業計画書がないと
あなたの考えていることが
他人に伝わらない。
つまり、
あなたに協力してくれる仲間やお金が
集まらなくなってしまうということだ。
その結果、会社を伸ばすのも
いずれ限界がくるようになる。
しかし、事業計画書があれば、
あなたの頭の中にあるものが
文字や表、あるいは画像などで
表現されているので、
他人に伝わりやすくなる。
すると、あなたと一緒になって
働いてくれる仲間を集めやすくなったり
さらには、事業をする時に必要な
お金も集まりやすくなる。
事業を伸ばしていくためには
自分一人の力だけでは難しく、
必ず多くの人たちの協力が必要になる。
あなたの事業に
一人でも多くの人が共感し
仲間に加わってもらうためにも、
事業計画書がないというのなら
ぜひ作成してほしい。
“ 飛躍した企業は、
厳しい現実を認識して、
偉大な企業への道をたえず見直している”
これにある通り、
私たちも厳しい現実から目をそらさず、
お互いが目指す場所への道を
たえず見直して
進歩を続けていこう。
経営者と話をしていると、
「忙しくて、将来のことに手が回らない」
という声をよく耳にする。
確かに、日々の業務は立て込み、
次から次へと対応に追われるのが現実だろう。
だが私は、そのたびにこう思う。
“だからこそ、やるべきなのではないか” と。
将来のことに向き合うというのは、
まとまった時間が必要なように
感じるかもしれない。
しかし実際には、
1時間、30分、いや、5分の隙間でも、
人は未来に向けた一歩を踏み出せる。
例えば、
「あの新規事業、少し方向を考え直そう」
「AIの活用、社内でどこから始めるべきか」
そんな問いを、5分だけ考える。
あるいは、溜まった気づきを
スマホにメモしておくだけでも構わない。
大切なのは、「未来のことを考える習慣」を
日常に差し込むことなのである。
「忙しいから考えられない」というのは、
本音ではなく言い訳である。
言い換えれば、
“思考の停止”に他ならない。
たった5分で構わない。
未来のことを考える時間を確保し続けること。
それが、
変化に先手を打つリーダーの姿勢である。
実際、いま経営の世界は
生成AI、少子高齢化、リモート化など、
10年単位で語られていた変化が、
3年、あるいは1年で訪れている。
このような時代において、
「来年どうするか」「5年後どうなるか」を
今から考えておかねば手遅れになる。
私は、将来への着手に“まとまった時間”を
待っていてはいけないと考えている。
忙しい中に隙間を見つけ、
一歩でも先に進める人が、
結果として先に備えることができるのだ。
「将来のための5分」
その積み重ねが、やがて未来を創る。
池本克之です。
「ビジョナリー・カンパニー2
飛躍の法則」には、
成功する人事管理の方法について
このように書いてある。
“偉大な企業の経営者は
まずバスの行先を決め、
それからバスに乗る人を決めるのではない。
適切な人をバスに乗せて
ふさわしい席に着かせ、
不適切な人をバスから降ろすと、
バスは素晴らしい場所に行ける。”
きっと、あなたも
読んだことがあるだろう。
実際、私自身も、
経営者として最も大事にしていることが
「誰と仕事をするか」ということだ。
というのも、
目標を設定し、夢を語るのは
比較的簡単。
「早く1億円稼ぎたい」とか
「売上を100億円達成したい」
といったことは、簡単に言える。
しかし、
その目標を実現するための方法は
たくさんあり、
同じ方法でもする人が違えば
違う結果になる。
つまり、
誰と一緒に仕事をするかによって、
達成したいゴールまでの時間が
短くも長くもなってしまうのだ。
最短距離で行くには、
「どのような仲間を集めて
スタートするか」
ということが最も大事であり、
だからこそ、
どんな仲間を集めるのかは
とても重要になる。
さらに、
“適切な人たちが
バスに乗っているのであれば、
動機づけの問題や管理の問題は
ほぼなくなる。”
とコリンズが説いているように、
自社にとって適切な人材が集まれば、
実際のところやる気を引き出したり
厳しく管理をする必要なんてない。
いちいち細かく指示を出したり、
何度も同じようなことを繰り返し
言わなければ伝わらない、
ということもほとんどなくなる。
なぜなら、彼ら(彼女ら)は
自社にとって適切な人材だからだ。
このような人材が集まれば、
経営者はとても楽になれる。
ストレスがたまることも
少ないだろう。
では、自社にとって
適切な人材、いい人材というのは
どういう人材なのだろうか?
海外でMBAをとり、
常にヘッドハンティングの
対象になるような超優秀な人材が
自社にとってのいい人材なのか?
私は、そうとは限らないと
考えている。
なぜなら、会社ごとに
「いい人材」や「優秀な人材」は
違うからだ。
私が考えるいい人材というのは、
「自社の企業文化に合う人」。
仕事の実践的なスキルなどは、
採用した後にいくらでも
教育することができる。
しかし、企業文化に合わない人を
採用して教育しても、
会社の理念や哲学を理解させるのは
なかなか難しい。
企業文化というのは、
価値観や考え方、行動規範といった
会社にとっての土壌である。
その土壌に性質の合わない木を植えても
その木は充分に育たないのだ。
それと同じで、
自社の企業文化に合う人でなければ
そこで力を充分に発揮することができない。
その結果、
思うような成果を出せずに
短期間で辞めていってしまうようになる。
なので、採用の段階から
自社の企業文化に合う人材を
選ぶことが重要なのだ。
では、どうやってそんな人材を
選ぶのかというと、
それに最も効果的なのが
「採用基準」である。
このような話をすると、
決まって言われることがある。
「うちの会社にも
採用基準くらいありますよ」と。
確かに、人材を募集する際、
募集要項を記載する。
そこには、
最低限必要なスキルだったり、
求める条件が書かれてある。
例えば、スキルであれば
「システム開発経験が1年以上ある」
「基本的なPCスキルがある」
だったり。
また、求める条件には、
「業界を問わず、
営業経験をお持ちの方」
「人と接する仕事に興味がある方」
など。
もしかしたら、
年齢制限があるところも
あるかもしれない。
しかし、これでは
明確な採用基準とは呼べない。
では、明確な採用基準とは何なのか?
それは、今、目の前に座っている
候補者自身のことを見極めるものだ。
候補者と自社の企業文化が
合うのかどうなのか、
これを見極めなければならない。
そして、中小企業の場合
社長の価値観がそのまま企業文化に
なることが多いので、
社長であるあなたの価値観に
合うかどうか、
というところがポイントになってくる。
採用基準がないと、
面接する人の
「なんとなくの感覚」や
候補者の第一印象、
または、先ほども話したような
学歴や経歴、スキルなどで
判断してしまう。
また、面接の時によくある
志望動機や自己PR、
学生時代の活躍や実績などは、
だいたいは候補者の方も
入念に準備している可能性が高い。
なので、そのようなことだけを訊いても
その人の本質的な部分は見えてこない。
だからこそ、
まずは社長であるあなたの価値観を
明確にし、
その価値観に合っているかどうかを
見極めるための質問を作る必要がある。
そして、その質問を
候補者に投げかけ、
同じような回答を得られれば
価値観が近いということになる。
ほとんどの企業は、
いい人材を採りたいと思っていても
そもそも明確な採用基準がないことが多い。
しかし、それでは
採用した後に
「思っていたような人とは違う…」
「こんなはずじゃなかった…」
と、お互いが入社後のギャップを
もつようになる。
そして、最悪の場合、
早期離職を引き起こすことに
なるだろう。
こんなことにならないためにも、
私たち社長は、採用の段階から
慎重になるべきなのだ。
何度も言うが、
「採用は投資」だ。
この意識をしっかり持って
採用面接に臨むことが大切。
さて、あなたにとっての
「いい人材」とは
どんな人材だろうか?
そして、その人材を見極めるための
明確な採用基準はあるだろうか?
時間とお金をかけて採用した後に
後悔しないためにも、
まだないのなら
今すぐ明確にしてほしい。
池本克之です。
今は、部下を正しく叱れない上司が
増えている。
部下からの評判が下がることや
部下から嫌われることを恐れて、
叱ることができなくなっているのだ。
中には、見て見ぬふりをする
上司もいる。
さらに、本人やチームにとって
プラスになるかどうかではなく、
自分の都合や不適切な温情に
判断が左右されている人もいる。
そもそも叱るというのは、
本人にとってマイナスになることを
正してあげる行為だ。
そこに自分の都合は関係ない。
人としてのマナーや礼儀も含め、
間違いは間違いとして
きちんと指摘する。
マイナスの評価もきちんと伝えて、
プラスに導く。
これは、人とチームを動かす上で
欠かせないスキルの1つであり、
上司の仕事の1つでもある。
とはいえ、冒頭でも話したように
叱れなくなっている上司がいるのも
事実だ。
そこで今日は、
マイナスを指摘する時のポイントを
お伝えしたい。
そのポイントというのは、
相手に何かを指摘しようとした時に
今から指摘しようとしていることは
本当に本人のためになっているのか?
ということを考える、
というものだ。
本人の成長のプラスになる指摘なのか?
自分の勝手な都合で怒っていないか?
あるいは、
【言わないことが
本当に本人のためになるのか?】
ということを自問してほしい。
そして、
本人のためになると思えば
叱ればいい。
・・・・・・・・・・・・・
以前、私が勤めていた
ネット通販の会社で、
こんなことがあった。
営業成績のいいある社員が
何かにつけて上から目線だったのだ。
「consumer(消費者)」をもじってか、
お客様のことを「C」と呼んでみたり、
「うちは上場会社だぞ」
というような
横柄な言葉遣いをしたり。
「自分たちのほうが立場は上なんだ」
と言わんばかりの態度が目についた。
顧客目線で物事を考えようと
しなかったのだ。
私はそんな彼に
非常に違和感を持った。
もちろん、注意をしたが、
最初は「意味がわかりません」
という感じだった。
それでも根気強く、
「お客様あっての売上なんだ。
どんなにすごい『売れる仕組み』を
つくっても、
それだけで数字は立たない。
一番大事なのは、
お客様に欲しいと思ってもらえる
商品を提供することにある。
そこを忘れるな」
と伝えていた。
上に立つ者が
部下の間違った考え方を
正そうとしないと、
暗にそれを認めることになる。
そして、
多くの上司がそうなることで、
部下の態度は悪化し、
いずれ業績にも影響が出るように
なるだろう。
もちろん、
本人のためになっていない指摘なら
怒られた人だけではなく、
他のメンバーのモチベーションまで
下げる原因になる。
しかし、
本当に本人のためになっていると
思うのなら、きちんと指摘する。
そして、正しい方向へ導いていく。
これが、結果的に
チーム全体にとっても
良い影響をもたらすようになるのだ。
誰だって叱るのは嫌だし、
その人との関係性を考えると
躊躇してしまうこともあるかもしれない。
だが、間違った考え方を正さずに
そのままにしていれば、
いずれそれが大きな問題に
発展してしまうこともある。
そんなことにならないためにも、
間違った考えはしつこく正す。
ぜひ、嫌われることを恐れずに、
正面から立ち向かっていってほしい。
池本克之です。
仕事に追われている。
時間が足りない。
やるべきことが多すぎる。
こう感じている経営者は少なくない。
だが私の経験上、
やるべきことが「多い」のではなく、
「見極めができていない」ことのほうが、
問題の本質である。
では、
“本当にいまやるべきこと”とは何か?
この判断を誤ると
いくら頑張っても成果が出ず、
やった感だけが残ることになる。
私が意識している見分け方の第一は
「未来に影響を与えるかどうか」である。
今やっている仕事が、
3ヶ月後・半年後・1年後の会社に
どんな変化をもたらすのか。
単なる今日のタスクなのか、
それとも未来への布石なのか。
それを判断基準とする。
未来につながるものこそ
「経営者がやるべき仕事」であり、
緊急度が低くても
先に手をつける価値がある。
第二に、
「自分にしかできないことかどうか」である。
報告書の確認や
ルーティンの承認などは、
部下に任せられるかもしれない。
だが、組織の方向性を定める、
重要な人事を決める、
大きなパートナーとの交渉に臨む、
これらは、
経営者にしか担えない仕事である。
つまり、“本当にやるべきこと”は
「未来 × 経営者固有性」で見極める。
忙しいときほど、
“緊急だけど重要でないこと”に流されやすい。
目の前の数字、
メール対応、
クレーム処理
もちろん放置はできないが、
そればかりに時間を奪われては、
戦略も組織も育たない。
優秀な経営者は
「急ぎではないが、重要なこと」
をあえて先にやる。
それが、将来の余白と成果をつくっている。
私はスケジュールに、
“空白の時間”を意図的に入れている。
考える時間である。
考えることも、
「いまやるべきこと」の一つだからだ。
考えずに動き続ける経営者は、
やがて方向を見失う。
“何をしないか”を決めるのも、
大事な経営判断である。
また、第三者の視点も有効だ。
私は定期的に自分の師匠としている、
信頼する人との対話を設け、
自分の動きが本質をとらえているか確認する。
自分ひとりの思考では、
時に視野が狭くなる。
だからこそ、他者との対話は、
“本当にやるべきこと”の
輪郭を浮き上がらせてくれる。
池本克之です。
あなたの会社には
事業計画書があるだろうか?
実は、多くの中小企業の社長が
事業計画書を作っていない。
しかも、頭では
作ったほうがいいということは
わかっていても作らないのだ。
どうしてだろうか?
その理由の中には、
時間がないから、
というのもあるのかもしれない。
だが、社長であれば
時間がないのは当然だ。
私だってない。
しかし、そんな中でも
どうにかして時間を作り出す
必要がある。
特に、会社の成長に
欠かせないものであれば尚更だろう。
正直、事業計画書がないまま
事業を成長させるのは
難しいと考えている。
なぜなら、
事業計画書がないということは、
霧の中を手探りで進むようなものだからだ。
もちろん、
今まで長く経営を続けてきた人なら、
「そんなものなくても
今までうまくやってる」
と思うかもしれない。
しかし、もしそれが
たまたまだったとしたら…?
この先どうなるかなんて
誰にも分からないのだ。
また、多くの社長は、
今までの経験から
会社の売上や利益、資金繰りを
何となく把握している。
そして、会社の課題も
おおよそ分かっている。
しかし、日々の仕事が忙しくて、
その「何となく」を
どうにかしようとはせず、
ほったらかしにしている人が多い。
今までの経験から、
「どうにかなる」
と思い込んでいるのだ。
さらに、新しい事業や
新しい商品・サービスを始めた時に、
私がその理由を訊くと、
「なんとなく
うまくいきそうだと思ったから」
「これまでの経験上、
うまくいくはずなんですよね」
という返事が返ってくる人もいる。
だが、これでは
事業が成功する確率は低い。
それに、社長がそのような感じなので、
社員もなんとなく仕事をしたり、
何か問題が見つかっても
「どうにかなるだろう」と思い、
積極的に解決しようとはしなくなる。
こんな状態で会社を伸ばすのは難しい。
いずれ限界がくる。
私が今までに
コンサルティングをしてきた会社や、
実際に自分自身が経営者として
お付き合いしてきた会社の中で、
成長し続けている会社には
必ず「事業計画書」があった。
なぜなら、これこそが、
会社を伸ばしていくための
ツールだからだ。
事業計画書なしで
事業を成功させたという例は、
非常に稀だ。
それぐらい重要なものである。
計画を持ってスタートし、
何の目的でこの事業があるのか?
目標は何なのか?
これらを整理して
アウトプットすること。
これが欠かせない。
実際、社長が何を目指しているのか?
どんな会社にしたいと思っているのか?
何を実現したくて
この会社をやっているのか?
そういうことがわからないと、
社員はだんだんやる気がなくなっていく。
最初は、あなたの会社に期待をもって
入社してきたかもしれない。
だが、次第に「ここで働く意味」を
見失うようになるのだ。
すると、ただ目の前にある仕事を
こなすだけになったり、
「早く休みにならないかなぁ…」
などと思うようになる。
会社を順調に伸ばしていくためには、
あなたの事業に共感し、
あなたについてくる人が必ず必要だ。
「社長、それ面白そうですね!」
「ワクワクしますね!」
「一緒にやりましょうよ!」
というように、
社員をあなたのビジョンに
巻き込んでいかなければならない。
もちろん、経営者の中には、
口下手だったり、
物静かで内気な人もいるだろう。
だが、そんなことは一切関係ない。
経営者が内向的だから
社員はついてこない、
ということではなく、
内向的であっても、
決して話が上手ではなかったとしても、
どれだけ自分が実現したいことへの
想いがあるのか?
そして、それを実現するための
具体的な計画があるのか?
これらが社員にとっては
重要だからだ。
さて、あなたの会社に
事業計画書はあるだろうか?
もしもないのなら、
今からでも時間を取って
真剣に取り組むべきだ。
それぐらい価値があるものである。
これからの時代、
自分のビジョンを明快な言葉で語り、
そして、語るだけではなく、
具体的な計画を立てている社長だけが
集団の力を結集し、
実現したいことを
実現していくようになるだろう。
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会社を伸ばしていくために
常に挑戦し続けている社長に
待ち受ける経営課題は何なのか?
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池本克之です。
採用面接をする際、
あなたはどのタイミングで
候補者の方に会っているだろうか?
企業の中には、
一番最後だと答えるところも
あるだろう。
一次面接は人事課長の方がして、
二次面接は役員クラスの方がする。
そして、そこで選考があって、
残った方が最後、社長面接と。
このような流れになっている
企業もあるだろう。
しかし、私が考える採用の手順は
それとは違う。
私の考えは、
社長が一次面接をする
というものだ。
採用は社員任せにしないこと。
場合によっては、
書類選考も社長がする。
どうしてか?
それは、候補者の方が
良い人なのかどうなのか。
条件に見合う人なのか
どうなのか。
うちの会社の将来を
担う人なのかどうなのか。
それを、
最も正しい目で判断できるのは、
他ならぬ社長だからだ。
例えば、人事課長の方が
社長と同じ目を持って
見極められるだろうか?
おそらく難しいだろう。
あなたにとっての優秀な人材、
会社が求めている人材が
来ていたとしても
逃してしまう可能性が高い。
また、
「自分よりも優秀な人が入ってきたら
自分のポジションを取られるかも
しれない」と思うと、
わざと不採用にしてしまう場合もある。
誰でも、
自分の地位を脅かすような存在を
できるだけ周りに置きたくないと
考えてしまうものだ。
強く意識していなくても、
無意識に自分より優秀な人を
落としてしまう人もいる。
これでは、採用は投資だと考えれば
とても勿体無いことをしている。
それ以外にも、
社長が一次面接から関わることで、
スピードが上がるというのもある。
どういうことかというと、
あなたの会社に
課題発見力が高く、解決力も高い。
その上、
うちの企業文化とも合っている
そんな最高の人材が
面接に現れたとする。
ここで考えてほしいのは、
あなたが入社してほしいと思う
相手であれば、
他の会社もまた、
その人材を採用したいと考えている
可能性が高いということだ。
すでに争奪戦が始まっていると
思ってほしい。
そんな中で、
最終面接に行くまでに
他社から
「うちに来てください」
と先に言われてしまえば、
そっちの方に行く可能性が高い。
また、優秀な人は判断が早いので、
そのような人は
同じように判断の早い人を
好む傾向にある。
なので、
社長のあなたが一次面接から
関わっていれば、
「よし、じゃあ来週から
来てくれないか」
と、その場で言うことができる。
つまり、あなたの会社にとっての
優秀な人材を逃すことがなくなるのだ。
そして、内定を出した上で、
本来であれば
一次面接をやるはずだった
人事の担当の方や現場の責任者の方、
他の役員の方も
二次面接で面接して
会っていただければいい。
だが、まずは
一次面接で社長がお墨付きを出す
ということを
私の場合はおすすめしている。
どんな企業も
優秀な人材をほしいと思っている。
しかし、せっかくその会社にとっての
優秀な人材が面接に来ていたとしても、
面接官の見る目が
社長のあなたと違っていれば、
間違って落としてしまう可能性がある。
企業にとって
人材採用は大事なものであり、
会社の経営課題としても
非常に大きなものである。
だからこそ、
社長自身が積極的に関わってほしい。
この採用面接によっては、
これからの会社の将来の姿が
大きく変わってくるだろう。
私は日頃から、糖質オフと筋トレを
継続的に取り入れている。
一見すると健康のため、
体型維持のために見えるかもしれないが、
実はそれ以上に、
“経営判断の質”を保つため
という理由が大きい。
糖質を摂りすぎると、
血糖値が急上昇・急降下し、
眠気や集中力の低下が起こる。
これでは、冷静で鋭い判断が求められる
経営の現場では、致命的である。
特に食事後の仕事の場で、
会議で、打合せで、
脳がぼんやりしていたら、
的確な決断はできない。
だから私は、
できるだけ血糖値を安定させる食事を
心がけている。
一方、筋トレもまた、
単に筋肉を鍛えるためだけではない。
筋肉に適度な刺激を与えることで、
ストレスの発散にもなるし、
朝のトレーニングは一日の集中力を高める。
実際、筋トレをした日の方が、
私は判断力が
明らかにクリアになると感じている。
経営者は、“判断が仕事”である。
瞬間の決断が、
会社の進む方向を左右することもある。
その判断を少しでも正確に、
ブレずに行うために、
身体の状態を整えることも経営の一部なのだ。
日々、数十分でいいので、時間をとって
身体と向き合う時間をつくってみてほしい。
経営者にとっての健康とは、
“体を守る”こと以上に、
“判断を守る”ことでもあると、
私は思っている。
池本克之です。
“ 飛躍した企業は、
厳しい現実を認識して、
偉大な企業への道をたえず見直している”
これは、
「ビジョナリー・カンパニー2
飛躍の法則」の一節だ。
この行動こそが、
「そこそこ良い企業」から
「偉大な企業」になるために
重要なことであり、
大多数の「そこそこ良い企業」を
ダントツで出し抜いて、
成長を続ける企業になる秘訣である。
反対に、 これをしていない企業は、
「そこそこ良い企業」になることは
できたとしても、
「偉大な企業」 になることは
できないだろう。
現状に決して満足せず
成長を続ける企業は、
きわめて厳しい現実を直視する
確固たる姿勢をもっている。
いくら大きな夢やビジョンが
あったとしても、
現実はどうなっているのか?
本当にその夢やビジョンを
実現するために
やらなければならないことが
できているのか?
間違った方向に行っていないか?
ということを
常に見直していなければ
間違った場所に辿り着く場合がある。
それでは、時間のムダになり、
遠回りをすることにもなる。
だからこそ、
確実にあなたが望む場所に着くために
現実を直視し、間違っていれば
修正する必要があるのだ。
では、自分がやっていることが
本当に間違っていないか?
今、やっていることは
自分が目指している場所に着くために
本当に必要なことなのか?
これらを知る方法は何だろうか?
それは、あなたの会社の
事業計画書だ。
事業計画書は、
あなたが理想とする場所へ
確実に辿り着くための地図である。
経営をしていて困った時や
今やっていることに
自信が持てなくなったら、
すぐに事業計画書を見返してほしい。
あなたが進むべき方向を
正しく示してくれる。
事業計画書には、
あなたが目指している場所へ
確実に辿り着くために
やらなければいけないこと、
そして、そのために必要な物や人、
あるいはお金についても
事細かに書いてある。
実際、私も会社を急成長させた時には
いくつもの事業計画書を作成していた。
どうしていくつも
作成していたのかというと、
新しい課題はどんどん見つかっていくし
実際に解決しようと思ってみても
うまくいかないことだってあるからだ。
その場合は、計画を見直し、
変える必要がある。
それに、会社も成長していて
社会情勢も変わっているのに、
最初に作ったものだけで止まっていれば
それは事業が止まることと同じである。
なので、どんどん計画は
変えていく必要があるのだ。
そして、その時その時の
最適な行動を取って
成功にもっていった。
さて、あなたの会社には
あなたの事業を大きく伸ばすための
事業計画書があるだろうか?
事業を今以上に大きく伸ばしていきたい
と思うのなら、
必ず事業計画書が必要だ。
事業計画書は、仲間を集めるため、
お金を集めるためにある。
社長の中には、
「そんなものがなくても
うまくいっている」
と言う人もいるが、
事業計画書がないと、
あなたが考えていることが
他人に伝わらないので
あなたに協力してくれる仲間やお金が
集まらない。
その結果、会社を伸ばすのも
いずれ限界がくるようになる。
しかし、 事業計画書があれば、
あなたの頭の中にあるものが
文字や表、あるいは画像などで
表現されているので、
他人に伝わりやすくなる。
すると、あなたと一緒になって
働いてくれる仲間を集めやすくなったり
さらには、事業をする時に必要な
お金も集まりやすくなる。
事業を伸ばしていくためには
自分一人の力だけでは難しく、
必ず多くの人たちの協力が必要になる。
あなたの事業に
一人でも多くの人が共感し
仲間に加わってもらうためにも、
事業計画書がないというのなら
ぜひ作成してほしい。
“ 飛躍した企業は、
厳しい現実を認識して、
偉大な企業への道をたえず見直している”
これにある通り、
私たちも厳しい現実から目をそらさず、
お互いが目指す場所への道を
たえず見直して
進歩を続けていこう。