社長の考えなんて知らない

池本克之です。 組織がまとまらない… 同じ方向を向いて進めない… このような悩みは 多くの企業で見られます。 そして、多くの社長が頭を抱える 課題でもあります。 組織がまとまらなければ、 実現したいことを思うように実現できません。 そこにいる人たちが 社長と同じ方向を向いていなければ、 社長だけが経営を考え続けて 走り続ける状態になります。 スタッフはと言えば、 「早く休みにならないかなぁ…」 「もっと休みが欲しいよね」 「わかる~」 といった会話を当たり前のように 交わしています。 これでは、社長はいつまで経っても孤独です。 一生懸命取り組んでいるのに その思いが伝わらず、 イライラすることもあるでしょう。 一生懸命会社を良くしようとしているのに それが伝わらない。 なぜでしょうか? 大きな要因は、 社長の考えが浸透していないことです。 社長の考えが分からなければ、 やる気をなくす原因になります。 何を考えているのか分からず、 小さな行き違いが起こりやすくなります。 その結果、信頼関係が薄れ、 人間関係まで悪化してしまいます。 経営層に近い人たちでさえ 社長の考えが分からないとすれば、 その他の人たちは 社長の考えを知らないに等しいでしょう。 社長の考えを知らない組織は バラバラの方向を向きます。 短期間で人が辞めたり、 社長の望む行動が取れず、 成果も出しにくくなります。 人が急に辞めれば、 残された人の負担は大きくなります。 充分な引き継ぎがないまま 突然来なくなるケースさえあります。 残された人たちは混乱し、 モチベーションも下がります。 このような会社では 働く意義を見出しにくくなります。 組織に社長の考えが浸透していなければ、 問題が次々に起こります。 こうした事態を防ぐためには、 社長の考えをスタッフに共有する 時間をつくることをおすすめします。 多くの社長は外部とのつながりを重視し、 社内とのつながりを後回しにしがちです。 もちろん、外部との連携は重要です。 ビジネスにつながる場合もあります。 しかし、それ以上に大切なのは、 社内の人たちとのつながりではないでしょうか。 「最近スタッフとの コミュニケーションが足りないな…」 「以前より話す機会が減ったな…」 そう感じるなら、あなたの考えを スタッフに共有する時間を 意識的につくってみてください。 「忙しい」「時間がない」 という言い訳は誰にでもできます。 それでも、自分の考えを伝える社長だけが スタッフとの信頼関係を築き、 同じ方向を向いて進む 強い組織をつくり上げていくのです。

社長のストレスを減らす鍵

池本克之です。 2025年現在、多くの社長が抱えている悩みの一つに 「なぜ、こんなこともできないのか」 「そこまで言わないと伝わらないのか」 といった部下への苛立ちがある。 これまでに同じような感情を抱いたことがある 経営者は少なくないだろう。 自分にとっては常識でも、 他人にとってはそうではない。 この認識のズレが、 日々のイライラを引き起こしている。 イライラは思考と行動の質を下げ、 結果として経営判断にも影響を及ぼす。 また、そうした状況が続けば 「だったら自分でやった方が早い」と感じ、 結果的に社長自身があらゆる業務を背負い込むことになる。 しかし、それでは組織の成長は止まる。 スタッフは依存的になり、 社長だけが走り続ける状態が生まれる。 こうした状況は、業績が伸び悩むだけでなく、 社長自身が孤独と疲労に 押しつぶされる要因にもなる。 では、なぜこのような事態が起きるのか。 その根本には「価値観の不一致」がある。 私は「社長のストレスを減らす鍵」は 価値観の見える化だと考えている。 人は、それぞれ異なる価値観のもとで動いている。 自分にとって当たり前の行動や判断基準も、 相手には理解されていないケースがほとんどである。 とくに2025年のように Z世代やアルファ世代が 現場で活躍し始めている今、 そのギャップはますます大きくなっている。 だからこそ社長の価値観を明文化し、 組織全体に共有することが必要である。 どんなに些細なことでも 「自分はこういう考えを大切にしている」と 明確に言葉にする。 それを書き出し、 マニュアルや方針書 行動指針としてスタッフに見える形で伝えるのだ。 言葉にして伝えなければ、理解はされない。 理解されなければ、共に進むことはできない。 「なぜそんなこともできないのか」 と感じる前に、 「それは自分の価値観が まだ共有されていないからではないか」と 立ち返ってみてほしい。 無駄なエネルギーを減らし、 経営に集中できる環境を整えること。 それこそが人手不足・多様化時代を 乗り越える鍵となる。 まずはあなたの価値観を 言語化することから始めてみてほしい。 それが社長自身のストレスを減らす 第一歩になる。

部下がミスやトラブルを隠す原因

池本克之です。 もし、部下からミスや失敗の報告が 上がってきたらあなたはどうするでしょうか? 「どうしてそのようなことになったんだ!」 と激しく怒鳴り、部下を責め立てるでしょうか? それとも、怒りたい気持ちをぐっとこらえ、 部下の言葉を受け止めるでしょうか? 前者の場合、 次に失敗やミスが起きた時、 部下はそれを隠してしまうかもしれません。 なぜなら、怒られたくないからです。 誰でも、叱責されるのは避けたいものです。 ミスや失敗をしたのは事実ですが、 正直に話したにもかかわらず叱られれば、 「もう言いたくない」と思うでしょう。 もちろん、ミスや失敗を報告すべきなのは 誰もが理解しています。 中には、最初から隠そうとする人も いるかもしれませんが、人は隠し事をすると モヤモヤした気持ちになり、 集中力が低下する場合があります。 そのような状態はつらいため、 勇気を出して報告するのです。 しかし、報告したにもかかわらず 激しく責められれば、 「二度と報告しない」と考えたり、 信頼関係が損なわれたりするかもしれません。 人間関係が悪化すれば、 仕事にも支障が出る恐れがあります。 実際には、ミスや失敗をした本人も 大抵は反省しているものです。 したがって、部下が正直に報告してきた時には、 怒鳴ったり責め立てたりせず、 一緒に対策を考える姿勢が何より大切です。 ミスやトラブルを繰り返さないように、 報告し合い、全員で改善点を検討できる環境を 整えなければなりません。 そのような環境があれば、 誰でも悪い情報をオープンに できるようになります。 怒られる覚悟で悪い情報を報告した時に 受け止めてもらえれば、部下は安心し、 真剣に再発防止策を考えるようになります。 組織が成長するためには、 失敗やミスを隠さない社内風土が 極めて重要です。 ミスやトラブルの報告を受けた瞬間に 感情的になる気持ちも理解できますが、 同じことを二度と繰り返さないこと、 そして、ミスを隠さない社内風土を築くことが 何より大切ではないでしょうか?

上層部に嫌悪感を抱く時

池本克之です。 あなたの会社では、 情報をすべてスタッフに 公開しているでしょうか? これは見られたくない、 これは知られたくない、 という理由で公開していないものは ないでしょうか? ほとんどの大事な情報は、 上層部にしか流れていないことが 多いものです。 その下にいる部下たちには 大事な情報が届かない、 または部分的にしか届かない、 という状態がよく見受けられます。 しかし、このような状態で 組織がうまく機能するでしょうか? 部下も人間ですから、感情があります。 大事な話は聴きたいし、 知っておきたいと感じるはずです。 たとえ最悪な内容であっても、 知りたいという気持ちはあるものです。 それなのに、 「上の人だけ知っていてずるい」 「自分たちはのけ者なのだと感じる」 「どうなっても構わないと思われているのか」 などと考え、上層部に対して 嫌悪感を抱くかもしれません。 こうなると、組織として 機能しにくくなります。 「これをやってください」と言われても 嫌々取り組んだり、仕事がスムーズに 進まなくなる恐れがあります。 「どうせ自分たちはのけ者なのだ」と思い、 「適当に済ませばいい」と考える人も 出てくるでしょう。 これでは、大事な仕事で ミスやトラブルが起きる可能性が高まります。 その結果、上層部だけが会社を 良くしようとしても 上層部以外に意図が伝わらず、 うまくいくはずのことも うまくいかなくなります。 このような事態を防ぐためには、 会社の情報をスタッフに すべて公開することが大切です。 実際、パジャ・ポスでは、 貸借対照表や損益計算書、 売上計画や毎月の売上なども含め、 すべての情報をスタッフに オープンにしています。 「すべて公開するのは気が引ける」 と感じる人もいるかもしれませんが、 情報を公開することでお互いの 信頼関係はむしろ強まります。 情報が悪い内容でも良い内容でも、 「自分たちは信頼されている」と実感し、 聞いた瞬間に自分事として とらえるようになります。 他人事ではなく、自分事として捉えることで 仕事がスムーズに進みます。 「どうすれば売上が上がるか?」 「何をすれば良いか?」 「どこを改善すべきか?」 といった点を一緒に 考えられるようになるからです。 その結果、組織は以前にも増して 一致団結しやすくなります。 情報をすべて公開するのは 多少気が引けるかもしれませんが、 それがスタッフの心を動かし、 あなたの会社をより良い方向へ導く 大きなきっかけになるはずです。

瞬発力の力

池本克之です。 経営者にとって大事な能力の1つに 「瞬発力」がある。 これは、チャンスを掴むための武器だ。 なぜなら、チャンスは一瞬で決まるからだ。 しかし、現実は 「持ち帰って、検討させてください」 と返事をする場面の多いこと。 これでは、チャンスを逃す。 身の丈に合わないのではないか、 (社長が)社員の意見を聞いてからじゃないと、 決めない理由は無限にある。 これは、長くアメリカの大手企業で マネジメントを経験した人から 聞いた話だ。 外国の場合、 即座に「はい」と返答しないならば それは「断った」と同じ意味になる。 そして、そのチャンスは 次の人のところにいくだけのこと。 次の人は「はい」と即答する。 この瞬発力の違いで評価が決まるそうだ。 ますますスピードが問われる今の時代、 決断の遅さは致命傷である。 なぜ、決められないのだろうか? それは、情報不足や意思決定基準の不明確さ、 何よりも失敗への恐れがあるのだろう。 会社組織の場合、関係者への根回しをしても 反論する人がいたらどうしようと 不安になるのだ。 考えても結論が出ないことに時間をかけて 自分がどうしたいかよりも優先するのだ。 それでは、いい結果にはなりそうもない。 即答する力は生まれつきの能力ではない。 日頃から即答する瞬発力を磨くことは可能である。 単なる思考の習慣なのだから。 瞬発力のある決断できる経営者こそ、 未来を切り拓く存在になるだろう。

間違ったやり方が組織を壊す

池本克之です。 部下のミスが減らないと、 お金で解決しようとする人もいるようです。 どういうことかと言うと、 部下がミスをするたびに 1回いくら減額、というように その人の給料から差し引く方法です。 (もっとも、「仕事上でミスをした場合は ○○円の賠償をする」といった 独自ルールを定めることは 法律違反になるので注意が必要です) 実際、この方法で どれだけミスが減るのでしょうか? そもそも「ミス」と見なす基準も 人によって異なります。 ある人は、 「そのくらい問題ありません」 と言いますし、別の人は、 「いいえ、確実にミスです」 と言い張ります。 結局、上司のさじ加減でどうにでもなるのです。 機嫌が良いときは 普段ならミスとすることを 見逃すかもしれませんし、 機嫌が悪いときは 普段は気にしないことまで ミスだと指摘する場合もあります。 これでは、スタッフが疲弊します。 上司の機嫌を取ろうとして 肝心の仕事時間が削られる人も 出てくるでしょう。 会社は、誰かの機嫌を取るために 存在するわけではありません。 さらに、急に給料を下げられれば モチベーションは下がり、 退職を考える人もいるかもしれません。 中には、不満を爆発させる人もいるでしょう。 もちろん、ミスをなくすこと自体は大切です。 しかし、お金で罰する方法が 本当に効果的かどうかは 疑問が残ります。 人は痛みを避けたい生き物なので、 減給と聞けば誰でも身構えます。 その結果、社内で足の引っ張り合いが起きたり、 誰かのミスを密告したり、 雰囲気が殺伐とする恐れがあります。 「絶対に間違えたくない」 と慎重になり過ぎ、作業時間が かえって長引くことも考えられます。 これでは、仕事のスピードが落ち、 足の引っ張り合いで組織力も低下します。 大きな成果など望めません。 では、どうすればよいのでしょうか? お金で解決しようとするのではなく、 (実際に独自の減給ルールは 法律違反です) なぜそのミスが起きているのか、 根本原因を探り、再発を防ぐ仕組みを 整えることが重要です。 根本を改善しなければ、 ミスは繰り返されるだけです。 目の前の問題を力ずくでつぶしても 本質的な解決にはなりませんし、 社長が常にスタッフを監視し続ければ、 将来を考える時間も取れません。 ミスが起きるとイライラしますし、 「何度言ったら分かるのか!」 と言いたくなる気持ちも理解できます。 しかし、根本に手を付けない限り 同じミスはいつまでも続くでしょう。

思考停止

池本克之です。 あなたの周りには、 やらない理由をあれこれ述べて動かない… という部下はいないでしょうか? 特に、いまどき部下と呼ばれる若者たちは、 任されるということを重荷に感じる 傾向がありますので、 「他に引き受けている仕事があって…」 とか、 「それだと納期に間に合いません」 などと理由を並べ立てる人もいます。 中には、 「それは私の仕事ではないと思います」 という人もいるようです… このような言葉を聞けば、がっかりしますし、 呆れる人もいらっしゃるでしょう。 せっかく期待して仕事を任せようとしても、 こんなことを言われれば 「もう任せない」と思う場合もあります。 こうした人たちは、 やらない理由を見つけるのが得意で、 やる方法を考える思考が停止しています。 やる方法を考える思考が停止していると、 やりたいと考えていることが スムーズに進みません。 成果を出すまでに時間がかかり、 それが周りをイライラさせる 原因の一つになります。 さらに、考える思考が停止している人たち ばかりになれば、組織として 成長するのは難しくなります。 なぜなら、社長であるあなたが 一生懸命動かなければならなくなるからです。 他のスタッフは思考が停止しているため、 自分で考えようとはせずに いつまでもあなたの指示を待っています。 こんな組織は誰でも嫌でしょう。 では、このような組織にしないためには どうしたらよいのでしょうか? それには、上司から 「こうすればもっとできるのではないか?」 と提案し、部下の思考を動かして やらない理由を取り除く必要があります。 例えば、 「忙しくて手が回りません」 と部下に言われたとします。 「いやいや、こちらのほうが何倍も忙しいのだ」 と思うかもしれませんが、そこをぐっとこらえて 部下の忙しい原因を探ることが重要です。 原因を探し当てたら、 「この仕事とこの仕事は他の人に頼めるのでは?」 「こちらの納期がまだ先なのでこの仕事を入れられるのでは?」 と提案していきます。 そうすることで、やらない理由が 徐々になくなっていきます。 しかし、ここで忘れてはいけないのは、 部下が自らエンジンをかけているのではなく、 上司が代わりにエンジンをかけている という点です。 今までやらない理由ばかり探してきた人が、 すぐに習慣を変えるのは難しいでしょう。 時間もかかります。 だが、少しずつでも部下の習慣を 変えていかない限り、部下は成長せず、 あなたの仕事も減りません。 そして、やらない理由を いつまでも見つけ続けるようになるでしょう。 このような部下を育成しないため、 また、組織をより早く成長させるために、 「その制約がなくなったら何をしますか?」 「その状況を変えるにはどうすればよいでしょうか?」 「なぜそれが障害になっていると考えますか?」 といった質問を折に触れて投げかけ、 思考の習慣を変えるサポートをすることを 強くおすすめします。

ビジネス成功のカギは「確率」と「分解」

池本克之です。 多くの経営者が、結果だけを見て 「なぜ売れないのか」 「なぜ成果が出ないのか」と悩む。 しかし、仕事やビジネスにおいて結果は “確率の積み重ね”であり、 「当たるかどうか」ではなく、 「当たる確率をいかに上げるか」が本質である。 この考え方は キーエンスが徹底している 営業プロセスにも見て取れる。 キーエンスでは、営業成果を“再現性”のある ロジックとして設計する。 トップ営業が感覚でやっていることを言語化し、 誰でも実行可能な仕組みに落とし込む。 すべては 「成功確率を高める行動」の分解である。 これは私が提唱する「プロセス経営」にも通じる。 優れた経営とは、 属人的な才能に頼るのではなく、 勝ちパターンを見つけ出し、 それを誰でも実行可能にする設計力である。 成果とは、最初からあるものではない。 試行錯誤しながら、 成功確率の高い行動を見極め、 それを組織全体にインストールすることが、 経営者の本質的な役割だ。 特に今の若い社員は 「意味」や「納得感」を重視する傾向が強い。 ただ「数を打て」と言っても、動かない。 だからこそ、社長や上司が 「なぜその行動が必要なのか」 「どのように成果に結びつくのか」 というプロセスの因果を 明確に伝える必要がある。 若い社員は、理屈が通れば驚くほど素直に動く。 逆に、意味不明な指示には心を閉ざす。 とくに20代は「失敗を恐れる」傾向が強い。 これは一見、 行動を妨げる要因に見えるが、 「失敗してもOK、その代わりに検証と改善を徹底する」 というマネジメント方針を伝えれば、 主体的に行動し始める。 確率を上げるとは 失敗を恐れず、 学習のサイクルを回すことである。 社長は「成果=運」ではなく 「成果=プロセス×確率」と捉え直し、 自社の成功行動を分解・構造化すべきである。 そしてその構造を 若い社員にも伝わる言葉で共有し、 実行可能な環境を整える。 これこそが組織が強くなる 唯一の方法であると考えている。

リスキーな経営

池本克之です。 あなたの会社に 事業計画書はあるでしょうか? これを訊いた多くの社長が 「いえ、ありません…」と答えます。 実際、事業計画書がなくて どのように会社を大きく 伸ばしていくのでしょうか? もちろん、今まで長く経営を続けてきた人なら、 「そんなものがなくても今まで うまくやってきた」と感じるかもしれません。 しかし、それは、 たまたまだったとしたら…? もしも、突然、明日には今日まで 機能していた方法が まったく通用しなくなったらどうされますか? 計画がない場合、何が問題だったのか、 何をどのように改善すればこの先も 長く続く事業になるのかがわかりません。 そのまま、これまでの経験と実績を頼りに 進まれるのでしょうか? それは、非常にリスキーではないでしょうか? 社長おひとりならなんとかなる場合も あるかもしれません。 けれども、会社にスタッフが在籍しているなら、 その人たちまで巻き添えになり、 最悪の場合、路頭に迷わせてしまう可能性もあります。 「そんなことは起こらない」 と思っているなら、 本当に危険です。 社長を務める限り、経営を行う限り、 何が起こるかは誰にもわかりません。 だからこそ、会社の「道しるべ」である 事業計画書の作成が重要になるのです とはいえ、重要だと理解していても 実際には取り組まない社長が 圧倒的に多いのが現状です。 人は、やったほうが良いとわかっていても 後回しにしたり、今すぐ行動に 移さないものです。 確かに、時間もかかりますし、 面倒だと感じるでしょう。 けれども、成果を出している人や 成長企業の社長は、多くの人が避けることに 果敢に取り組んでいます。 そのため、抜きん出た成果を上げ、 長期にわたって安定した経営を実現しています。 こうした企業には優秀な人材が集まりやすく、 現在のスタッフも会社から離れにくいものです。 なぜなら、会社が今後どのように 成長していくかという未来を 具体的に示しているからです。 会社の未来は、スタッフ自身の 未来でもあります。 「ここにいれば安心だ」 「ここにいれば素晴らしい世界が見られる」 と想像できれば、 彼らは長く働き続けるでしょう。 反対に、事業計画書がなければ、 「この会社がどのようになっていくのか わからない」と感じ、 転職を考えたり、 「ここにいても将来は見込めない」 「本当に大丈夫なのか?」 と判断し、早々に会社を 後にする可能性があります。 とりわけ優秀な人材ほど、 水面下で静かに転職活動を進めるものです。 さて、改めてお尋ねします。 あなたの会社には事業計画書がありますか? これまで経験と実績で乗り切れていたとしても、 それがいつまで続くかは誰にもわかりません。 着実に事業を伸ばし、安心して 経営を続けていきたいとお考えなら、 多くの人が避ける 「事業計画書を作成し、実行する」 という行動にぜひ挑戦なさってください。 もちろん、私がどれほどお勧めしても、 やるかやらないかを決めるのはあなたです。 いずれにしても、その選択が あなたと会社の未来をつくっていくのです。

これなしで事業を成功させるのは稀

池本克之です。 「社長は孤独である」と よく言われる言葉ですが、 社長として経営をしている人なら この言葉を強く実感するときが あるのではないでしょうか。 実際、私にもそうした経験があり、 過去にも何度も感じてまいりました。 これは、企業規模の大小にかかわらず、 トップに立つ人が必ず抱く感覚です。 そして、孤独ゆえに さまざまな不安も抱えがちです。 「この事業はずっと続くのか…」 「何か足元をすくわれないか…」 「明日になったら駄目になっているかもしれない…」 常に不安が付きまといます。 当然のことですが、どのような企業でも 社長は1人だけであり、 社長業務を行うのも社長1人です。 今後の経営を左右する 重要な判断を迫られたり、 業績が思うように伸びず 改善策が必要になったり、 資金繰りが厳しくなり 融資先との交渉が求められたりしたとき、 最終的に決断できるのは 社長であるあなた1人だけです。 周りにどれほど優秀なスタッフがいても、 スタッフはあくまでもスタッフであり、 雇用主であるあなたとは 立場がまったく異なります。 しかも、社長が下した判断によって 会社の将来が決まってしまいます。 場合によっては経営危機に陥る リスクも十分にあるでしょう。 そうなれば、最悪の場合、 多くのスタッフが職を失い 路頭に迷うことになりかねません。 考えるだけでも嫌になりますが、 社長である以上避けられません。 このように、私たち社長には 常に不安と緊張が付きまといます。 しかし、私はこの不安を大きく軽減できる 唯一の方法を知っています。 しかも、その方法は ほとんどの社長が存在を知っていても 実際には手を付けていません。 それは「事業計画書」です。 さて、あなたの会社には 事業計画書があるでしょうか。 作成していても一度作っただけで その後は更新していない、 ということはないでしょうか。 私はこれまでに2社を 100億円企業へ成長させる過程で、 常に事業計画書を作成し、 アップデートを繰り返してきました。 なぜなら、事業が成長する過程で 計画も変化するからです。 会社が成長し、社会情勢も変わっていく中で、 最初に作った計画だけに頼っていれば 事業が停滞するのと同じではないでしょうか。 だからこそ、事業計画書は 常に更新する必要があります。 事業計画書があれば、 あなたを最短距離で 目指す目的地へ導いてくれます。 そこには、会社がどのように成長し、 それには何が、どのタイミングで必要かが 詳細に示されています。 途中で道に迷うことはありません。 もし「これで良いのか…」と悩んだときは、 事業計画書を見てください。 進むべき方向をすぐに示してくれるはずです。 もう、経営で不安になったり、 悩んだりする必要はありません。 目の前のことに集中して 仕事ができるようになります。 さて、改めてお尋ねします。 あなたの会社には事業計画書がありますか。 もし無い、または一度作っただけで 更新していないという場合は、 今からでも着手することをおすすめします。 時間がないと感じる社長は多いものですが、 その中でも作成した人だけが安心を手に入れ、 順調に会社を伸ばし続けていくでしょう。