池本克之です。
今、「カリスマ性のあるリーダーが必要だ」と
語られる場面は少なくない。
カリスマ美容師、
カリスマ経営者、
カリスマ起業家――。
SNSや動画配信の発達により、
一人の強烈な個性がフォロワーを惹きつけ、
組織やブランドの顔になる時代である。
しかし私はカリスマ性は
「武器の一つ」ではあっても、
成功の絶対条件ではないのではないかと
考えている。
実際、私がコンサルした企業では、
突出した存在感を放つオーナーのもと、
短期間で急成長を遂げた。
だが、その組織はやがて停滞期に入り、
社員の離職も目立ち始めた。
原因は明確だった。
すべての意思決定がオーナーに集中し、
社員は“指示待ち”の集団と化していた。
上意下達だけで動く組織は、
社員が自ら考える機会を奪われ、
仕事に“自分ごと”としての
やりがいを見出しにくい。
結果として
現場からの改善提案も出なくなり、
チャレンジ精神も失われていく。
カリスマがいれば何とかなる、
といったその発想は、
もはや通用しない時代に入っている。
特に今のように、
変化のスピードが速く、
現場に近いところからの気づきが
重要になる時代では、
下意上達(現場→経営)の構造を
意図的につくることが、
企業の持続成長には欠かせない。
企業は、いろいろな意見をもつ人の
集まりで成り立っている。
だが、互いに意見を交わし、
軋轢を超え、
共通の目的に向かって
試行錯誤を繰り返すことで、角が取れ、
磨かれた「組織の強さ」が生まれる。
そのためには、
経営者が「聞く力」を持たなければならない。
現場の声に耳を傾け、
「どう考えているか」
「何が見えているか」を
真摯に受け止める姿勢が重要である。
「社長が自分たちの声を聞いてくれている」と
感じるとき、社員は自ら動く。
新しい提案も生まれ、責任感も育つ。
それは結果として、企業全体の推進力となる。
カリスマ性はたしかに魅力的な要素ではある。
だが、社員の声を吸い上げ、
組織に循環させる“共創型のリーダーシップ”こそが、
2025年以降の企業に求められる
真の力であると私は考える。
カリスマに頼るのではなく、
組織の中に“考える力”を根づかせていこう。
それこそが
これからの時代において
持続可能な成長を生む、
最も現実的な戦略なのである。
PS
会社を伸ばしていくために
常に挑戦し続けている社長に
待ち受ける経営課題は何なのか?
ぜひこちらをチェックしてください。
お電話かフォームにて
お気軽にお問い合わせ下さい。
皆さまからのお問い合わせ、お待ちしております。
お電話受付時間:10:00~17:00