池本克之です。
「カリスマ〇〇」
という表現がある。
カリスマ美容師、カリスマモデル、
カリスマ主婦と呼ばれる人もいる。
もともと「カリスマ」という言葉は、
特定の非日常的、超人間的な能力や、
そのような能力を持った人物を指す。
宗教的指導者、預言者、英雄的人物など、
一般の人が心酔するような力をもった存在だ。
ビジネスの世界にも、
「カリスマ」と言われるような人がいる。
私は以前、そんなオーナーを持つ企業の
コンサルティングを引き受けた。
そこで感じたのは以下のようなことだ。
組織全体がオーナーのカリスマ性に拠って立ち、
オーナーの指示が全体を支配している限り、
飛躍的な成長は見込めない。
組織というのは人の集合体だ。
例え神がかった能力のオーナーが一人いても、
全員が力を合わせなければ、
大きな成果をあげることは不可能だ。
皆がカリスマオーナーの指示待ちで、
完全なる上意下達の一方通行。
これでは自分の頭で考える習慣もつかない。
言われたことをやるだけの受け身では、
自分の能力を試す機会もなく、
新しいことへのチャレンジもできない。
当然、企業の成長は停滞したものになり、
スタッフたちの士気も上がらない。
仕事にやりがいやおもしろみを感じなければ、
離職者もでてくるだろう。
また、オーナーがいなくなってしまったら、
組織は骨抜きにされ、弱小化してしまうに違いない。
私は決して、
カリスマオーナーは良くない、
と言っているのではない。
私が言いたいのは、
上意下達の一方通行ではなく、
下意上達のルートも大切にすべきということだ。
組織は多くの人の集合体で、
最初はどうしてもゴツゴツと、
歪な形をしている。
しかし、一つの目標に向かって、
互いにコミュニケートを重ねることで、
角が取れ、磨きがかかり、
一つの大きなまとまりとなる。
実際に現場を知り、
手足を使って仕事を担っているのは、
多くの場合、スタッフたちだ。
彼らスタッフの声に耳を傾け、思いを受け止め、
それをうまく経営に反映させることができれば、
オーナーのカリスマ性もさらに膨らむだろう。
「社長が自分たちの意見を取り入れてくれる」
という実感があれば、スタッフの労働意欲は高まり、
成果として実を結ぶだろう。
自発的な行動もできるようになるだろうし、
新規のアイディアも生まれるかもしれない。
トップに立つ人間は、
そんなスタッフたちの成長を、
見逃さず、大切に育てていくべきだ。
経営者には、ある程度のカリスマ性も必要だが、
スタッフたちの声を聴き、彼らの意見を汲み上げ、
組織全体の成長を考えていくことが、
より大切なことだと言えよう。
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