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2025年2025/10/09

口を出さずに、信じて待つ

池本克之です。

経営者として長年、
人を育ててきた立場から、
最近ますます強く感じることがある。

それは「社員は、言われた通りには育たない」
という事実である。

誰かに言われた通りに動くだけでは、
本当の意味での成長はない。

社長や上司が指示やアドバイスを
与えすぎると、
社員は「考えない人材」になってしまう。

この点は、スポーツの世界、
とりわけプロ野球に通じるものがある。

イチロー氏がかつてこう語っている。

「小さいことを積み重ねることが、
とんでもないところに行くただひとつの道」

社員の成長もまた、この「積み重ね」である。

失敗をして、
悩んで、
試行錯誤して、
自分の頭で考え続けるしかない。

それを社長が奪ってはいけない。

むしろ、ぐっと見守ることが必要である。

本当に伸ばしたいなら、
社長は「育てる」のではなく
「育つのを信じて待つ」ことが肝要である。

社員は、最初から完璧には動けない。

思うように成果が出ないこともある。

つい口を出したくなることもあるだろう。

だが、それは
「社長の気持ちの問題」であって、
社員の成長にとってはむしろ害になる。

「任せる」とは、責任ごと預けることだ。

その結果、失敗してもいい。

そこから社員は学びを得る。

ダルビッシュ有氏が
「失敗は財産。失敗を経験してない人は、
それだけ引き出しが少ない」
と言っており、まさにその通りである。

上司や社長が先回りして
答えを出してしまうと、
社員は引き出しを作れなくなる。

自分で考え、
自分でやってみて、
うまくいったり、
失敗したりしながら、
その人なりの「引き出し」が
増えていくのである。

本当の成長は、上司が手を出した時ではなく、
手を引いた時に起こる。

経営者に必要なのは、
社員が自らの力で壁を乗り越える
「時間」を許す胆力である。

経営とは、今の数字を作るだけではない。

未来の成果をつくる
「人材」を育てることでもある。

目の前の成果に一喜一憂して、
すぐに口を出していては、
未来をつくる人材など育たない。

だからこそ、社長は
「焦らず、慌てず、信じて任せる」ことが
必要である。

黙って見守る時間は、無関心ではない。

むしろ、
最も集中して社員を信じる時間である。

野球と同じである。

監督がマウンドに行くのは、
必要なタイミングだけでいい。

普段はベンチで、
選手が戦っている姿を見守る。

だからこそ選手は育ち、
力を出せるようになる。

社員も同じである。

任されたことを、任されたままに。

そして、結果と向き合い、
自分の力で成長する。

社長はそれを信じ、待つだけである。

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