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2025年2025/11/06

売り場は本当に必要か?


池本克之です。

あらゆる業界で「売り場」は
本当に必要なのか?
という大きな課題がある。

有名なところでは、テスラ社。
「売り場=従来の店舗モデル」が
必ずしも最適ではないという思考に基づき、
店舗数縮小やオンライン化を
2019年に打ち出した。

ネット通販の拡大によって、
消費者はスマホひとつで欲しいものを
購入できる時代になった。
わざわざ店に足を運ばなくても、
クリックひとつで翌日には手元に届く。

便利さだけを見れば、これ以上の仕組みはない。
では、リアルな売り場はもういらないのか?
私はそうは思わない。

確かに、売り場の“機能”は変化している。
ただ商品を並べ、販売する場ではなくなった。

むしろ今は
「体験」や
「共感」を生む空間としての役割が
求められている。

ネットにはないリアルな価値、
それを提供できる売り場が、生き残る。

人は、モノだけではなく、意味を買う。
そして意味は、
人との関わりや空気感から生まれる。
その「空気」は、画面越しでは伝えきれない。

一方で、ネット通販の存在は否定できない。

むしろ、リアルとネットを
どう組み合わせるかが重要だ。
店舗で体験し、オンラインで購入する。
あるいは、SNSで興味を持ち、店舗で確かめる。

そうした流れを自然に設計できる企業が
これからの勝ち組になると思う。

特に中小企業は、この発想の転換が鍵になる。
「店舗があるから売れる」
「ネットが主流だから店舗はいらない」
このどちらかに偏ると、成長が止まる。

お客様の行動の変化を見極め、
リアルとデジタルの“橋渡し”を
設計することが必要だ。

それがこれからの売り場の本質だと
私は考えている。

今後、AIやデータ分析の進化により、
個人ごとの嗜好や購買行動はさらに可視化される。

たとえば、AIが
「この顧客にはこういう接客が合う」と予測し、
店舗でその情報を活かす。

ネットの情報と現場の接点が連動する世界は、
もうすぐそこに来ている。

つまり、売り場の価値は「人が動く場所」ではなく、
「データと感情が交わる場所」に
変わっていくのである。

一方で忘れてはいけないと思うのは
「人の温度」である。

AIがいくら精密でも、
最後にお客様の心を動かすのは“人”だ。

「また来たい」と思ってもらえるのは、
店の雰囲気であり、
接客であり、
言葉のやりとりだ。

そこにこそ、
リアル売り場の未来がある。

これからのビジネスは、
“どちらか”ではなく、“どちらも”。

リアルの強みを活かしながら、
デジタルを使いこなす。
その融合ができた企業だけが、生き残る。

売り場があるかどうかよりも、
そこに「何を生み出すか」が
問われる時代である。

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