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2025年2025/10/22

毎週の花がつくる、オフィスの呼吸

池本克之です。

私のオフィスでは、
毎週必ず花を飾っている。

花の種類は季節によって変わる。

桜の枝を飾ることもあれば、
ひまわりのように元気な花を
置くこともある。

控えめな白い花だけを
揃えることもある。

この習慣は単なる趣味や装飾ではない。

ましてや「贅沢」や
「コストのかかること」という
発想でもない。

むしろ、これは経営において
重要な意味を持つ行為である。

第一に、花は「場の空気」を変える。

人は無意識に
環境の影響を受けている。

空気が澱んでいる場所では、
会話も思考も重くなる。

反対に、目に美しいもの、
自然のエネルギーを感じられるものが
ある空間では、
人の表情が柔らかくなり、
声のトーンも上がる。

これは心理学や
環境デザインの分野でも
証明されていることである。

第二に、花は「時間の流れ」を感じさせる。

企業経営は数字やスケジュールに
追われがちだ。

しかし、季節は数字ではなく、
自然のサイクルで進む。

花を入れ替えるたびに、
私たちは「今はこの季節か」と気づき、
日常の中に小さな節目が生まれる。

それは組織にとって、
呼吸を整える時間でもある。

第三に、花は「文化」をつくる。

オフィスに花があるということは、
「この会社は空間と人を
大事にする」という
メッセージになる。

社員や来客は、
それを言葉ではなく感覚で受け取る。

文化は言葉だけでは根づかない。

日々の行動や環境の積み重ねが
文化を形づくるのである。

私は経営者に対して、
「数字で考える」ことを
強く勧めている。

しかし、数字だけでは組織は動かない。

数字は経営の骨格を支えるが、
血を巡らせるのは感情であり、
感覚である。

その感覚を養うためのひとつの方法が、
この「花を飾る」という行為だ。

さらに言えば、
花を飾る習慣は
「経営者の心の余裕」を示す。

忙しさや問題解決に追われる日々の中でも、
花を選び、置き、
愛でる時間を持てるということは、
自分と組織のバランスを取る力がある
ということだ。

これは単に見栄えの問題ではなく、
経営の姿勢そのものである。

オフィスの花を飾っている、
社員もふと笑顔になる。

生の花は面倒だ、
という価値観ではなく、
きれいなものがあると
気持ちがいいという価値観が大事だ。

来客が声に出さなくても
「きれいだな」と思ったり、
「こんな花あるんですね」と声をかける。

そこに生まれる会話や空気の変化は、
数字には現れにくいが、
確実に組織のエネルギーを高める。

経営において、
費用対効果という考えは大切である。

しかし、効果は必ずしも
短期的な売上や利益だけで
測れるものではない。

長期的に見れば、
空間づくりや文化づくりに投じる
小さなコストが、大きな価値を生む。

だから私はこれからも
毎週花を飾り続けるという
価値観を大事にしたい。

それはオフィスのためであり、
社員のためであり、
そして経営者としての
自分のためでもある。

花は、組織にとって単なる装飾ではなく、
「呼吸」をつくる存在である。

 

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