池本克之です。
「面談がうまくいかない」
そんな悩みを抱える
経営者や管理職は少なくない。
特に、部下との
定期面談でやりがちなのが、
「社長や上司が話しすぎる」
というパターンである。
もちろん、部下にビジョンを語ったり、
指針を示すことは必要だ。
しかし、
面談の目的は“伝えること”よりも、
“聴くこと”にあると考えている。
2025年現在、若手社員の約62%が
「上司や経営者との面談で、
本音を言えたことがない」と回答している。
その理由として最も多かったのが、
「話す隙がない」
「自分の意見を求められなかった」
というものだった。
面談は「評価を伝える場」ではなく、
「お互いのズレを埋める場」であり、
「相手の声を引き出す機会」でもある。
だが、社長が一方的に話し続けると、
社員は意見を言ってはいけない空気を
察してしまう。
結果、本音は出ず、信頼も育たない。
特に最近の若手は、
“空気を読む力”に長けている。
「ここでは本音は言わない方が
いいな」と、
自分でかけてしまうのだ。
そこで大事なのは、
「沈黙を恐れない」ということ。
社長が質問を投げた後、
すぐに埋めるように話し始めてしまうと、
部下は考える時間も、
自分の言葉を探す余地もなくなる。
「どう思っている?」
「やってみて、難しいところは?」
「今後、どうなっていきたい?」
問いを投げたら、
少し待つ勇気が必要だ。
たとえすぐに返ってこなくても、
沈黙の時間こそが、
部下の本音が生まれる“助走”となる。
また、面談前に
「今日はあなたの話を聴く時間だよ」と
伝えるだけでも、
相手の心構えが変わる。
人は、自分の話を
ちゃんと聴いてもらえた経験を持つと、
相手への信頼が自然と高まる。
その信頼があるからこそ、
課題も素直に受け取ってくれるし、
指導にも耳を傾けてくれる。
社長や上司が話すのは、最後でいい。
先に話せば、
「答え」を与えるだけになってしまう。
後に話せば、
「気づき」を与えることができる。
面談の主役は、
話す側ではなく、話させる側である。
話しすぎると、相手の声は消える 。
社長が“話さない努力”をすることこそ、
部下の成長と、
組織の信頼関係をつくる第一歩だと、
私は思っている。
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