池本克之です。
今の10代、20代をα世代と呼ぶ。
先日、そのα世代についての話を聞いていて、
正直、大丈夫か?と思った。
彼らは「待つこと」が極端に苦手だという。
待ち時間は苦痛。
結果がすぐ出ないのは耐えられない。
レストランも、注文してすぐ出てくる、
検索してもすぐに出てくる答え、
時間をかけることに意味を感じられず、
食事はマクドナルド型の
簡単な且つ、食べなれたメニューがいいらしい。
私はこれはかなり危険な兆候だと
思っている。
なぜなら、
成長とは「待つ力」で
できているからだ。
仕事でも、人生でも、
努力してすぐに成果が出ることなど、
ほとんどないのだ。
むしろ、
・報われない時間
・結果が見えない期間
・意味があるのかわからない努力
こうした「待ちの時間」をどう過ごすかで、
人の器は決まる。
私の著書でも書いているが、
『人が伸びるのは、
負荷と時間をかけたときだけである』
ショートカットは存在しない。
にもかかわらず、
α世代はその前提そのものを
受け入れられなくなっている。
これは彼らが悪いのではない。
環境がそう育ててしまったのだ。
動画は倍速で閲覧し、
答えは検索すれば即出てくるものをよしとし、
それが合っているかどうかの疑問を持たずに
それを回答としてしまう。
数分待たされるくらいなら、別を選ぶ。
我慢しなくても、次がある、というわけだ。
この環境で育てば、
「時間をかけること=無駄」
という感覚になるのも無理はない。
だが、社会はそんなに甘くない。
ビジネスはもちろんのこと、
研究や勉学の世界においても、
すぐに成果が出ないことは、当たり前で、
そんなことの連続である。
人材育成も、
信頼構築も、
事業の立ち上げも、
すべて時間がかかる。
ここを理解できない人間が増えると、
どうなるのか?
・すぐ辞める
・すぐ結果を求める
・プロセスを軽視する
・地道な仕事を嫌がる
・耐久力のない組織が増える
これは個人の問題ではなく、
社会全体の基礎体力が落ちる兆候である。
企業経営の現場でも、
「若手が我慢しない」
「すぐ答えを欲しがる」
という声をよく聞く。
だが、ここで迎合してはいけない。
スピードを上げる工夫と、
耐える力を育てることは、別物だ。
待てない世代に合わせて、
すべてを簡略化し、
すべてを即答し、
すべてを短期化した組織は、
確実に弱くなる。
待つ力を育てられない組織に
未来はないといえる。
α世代と向き合ううえで、
経営者や上司がやるべきことは一つだ。
「なぜ待つ必要があるのか」を
言語化して、構造で示すこと。
意味のない待ち時間は排除すればいい。
だが、意味のあるプロセスまで
削ってはいけない。
時間をかける価値がある仕事とは何か。
簡単に答えが出ない問いに
どう向き合うのか。
それを教えられない大人が増えれば、
社会は確実に薄っぺらくなる。
便利さの裏側で、
人間の耐久力が削られている。
その危険性に気づいている大人が、
今、どれだけいるだろうか。
待てない世代を嘆く前に、
待つ意味を示せているか。
そこが、問われている。
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