池本克之です。
なんでも言える職場は、
心理的安全性が高い。
近年、この言葉を
よく耳にするようになった。
だが「なんでも言える」という言葉ほど、
誤解されやすいものはないとも感じている。
心理的安全性とは、
言いたい放題できることではない。
不満をぶつければいい環境でもなければ、
責任のない発言が許される場でもない。
本来の意味は
「意見や提案をしても、
人格を否定されない」
「失敗を正直に報告しても、
即座に排除されない」
そうした安心感がある状態のことだ。
では、どうすればそれをつくれるのか。
答えはシンプルだが、簡単ではない。
まず一つ目は、
社長や上司が最初の反応を
間違えないことだ。
部下が勇気を出して意見を言ったとき、
「それは違う」
「前も言っただろ」
「だからダメなんだ」
こうした言葉を無意識に返してしまうと、
次から誰も口を開かなくなる。
内容が的外れであっても、
まずは「そう考えた背景」を聞く。
この姿勢があるかどうかで、
空気は大きく変わる。
二つ目は、
「言っても何も変わらない」
という諦めを放置しないことだ。
意見箱を置いた、
面談をした、
ヒアリングもした。
それでも何も変わらなければ、
社員は学習する。
どうせ言っても無駄だ、と。
すべてを採用する必要はない。
だが、何を受け取り、
何を採用しなかったのか、
その理由を伝える責任は会社側にある。
三つ目は、
ミスの扱い方である。
心理的安全性が低い職場では、
ミスは隠される。
怒られる、
評価が下がる、
居場所がなくなる。
そう思えば、人は正直になれない。
だからこそ、
ミスを報告した行為そのものと、
ミスの内容は分けて扱う必要がある。
報告したことは評価する。
やってはいけないことは、
きちんと指導する。
この線引きを曖昧にしないことが重要だ。
そして最後に、
最も大事なのは
「言う側の責任」も明確にすることだ。
なんでも言える職場とは、
なんでも許される職場ではない。
言葉には影響力があり、
組織を動かす力がある。
だからこそ、
感情のままではなく、
目的を持って発言する姿勢を
育てる必要がある。
会社は学校ではない。
大人として、
社会人としての前提は欠かせない。
心理的安全性は、
制度で一気につくれるものではない。
日々のやりとり、
表情、
言葉の選び方、
判断の積み重ねでしか育たない。
時間はかかるし、根気もいる。
だが、これを避けて通れる組織はない。
なんでも言える職場とは、
甘い場所ではない。
互いに敬意を持ち、
責任を引き受ける覚悟がある場所だ。
私はそう考えている。
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