池本克之です。
2025年の日本の労働市場は、
数字で見ると歴史的に厳しい局面にある。
完全失業率は2.6%前後と低水準にとどまり、
有効求人倍率は1.2倍を超えている。
つまり、人材の取り合いが激しく、
企業が「外からリーダーを採る」ことは
容易ではない。
また、20代から30代前半の転職率は6%を超え、
優秀な人材ほど流動的である。
この状況下では、
社内で誰をリーダーに育て、
役職を与えていくかが
組織存続の分岐点となる。
リーダー選びで最もやってはいけないのは
「一番長く勤めているから」
「年齢的にそろそろだから」
といった消極的な理由で
決めることである。
市場環境が厳しい今こそ、
役職を与える判断は
戦略的でなければならない。
リーダーに必要なのは、二つの要素である。
第一に、成果を出す力。
第二に、人を動かす力。
この両輪を備えた人材を見極めることが、
社長の最重要任務だ。
成果を出す力は数字で測れる。
売上、利益率、プロジェクトの達成度。
2025年は物価上昇率が
2.9%前後に達しており、
利益確保は一段と難しい。
だからこそ「限られたリソースで
成果を最大化できる人材」が
リーダーにふさわしい。
また、人を動かす力は定性的で見えにくいが、
チームのエンゲージメントや
離職率に反映される。
実際、厚労省の調査では
「直属の上司との関係」が
離職理由の上位に入っており、
リーダーの資質が
社員定着率を左右するのは明らかである。
社長が意識すべきは、
リーダーを選ぶ基準を組織に
明確に示すことである。
「成果を残した者にチャンスを与える」
「チームをまとめる力を評価する」
といった軸を公開し、
それに基づいて任命する。
基準が不明確なまま役職を与えれば、
社員は納得せず、
組織の信頼は崩れる。
さらに、リーダーに据えた人材には
必ず教育とフォローをセットで行う必要がある。
今、人材教育への投資が急速に増えており、
研修市場は前年比10%以上拡大している。
任せきりではなく、
学ばせ、
成長を後押しすることが不可欠だ。
役職はゴールではなくスタートである。
その自覚を本人に持たせるのも社長の仕事だ。
誰をリーダーにするかは、
単なる人事決定ではない。
組織文化を形づくり、
未来の成長を決定づける経営判断である。
2025年の厳しい数字を直視しながら、
成果と人間力の両面で基準を明確にし、
納得感のあるリーダー選びを実行する。
これができる社長こそが、
変化の時代を勝ち抜くのである。
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