池本克之です。
経営者にとって
悩ましい存在の一つが
「甘えたがりの社員」である。
自分で判断せずに上司に頼る、
些細なことでも確認を求めてくる、
困難に直面するとすぐ助けを呼ぶ。
一見すれば素直でかわいげがあるが、
繰り返されると組織の生産性を
下げる要因となる。
では、社長はどこまで
甘えに付き合うべきなのか。
まず考えるべきは、
社員が甘える背景である。
多くの場合、甘えは怠けではない。
「失敗が怖い」
「自分に自信がない」
「評価されたいが確信が持てない」
といった心理から生まれる。
つまり、甘えは未熟さや不安の
裏返しなのである。
ここで経営者がすべきことは、
ただ突き放すことでも、
全面的に受け入れることでもない。
両者のバランスを取りながら、
社員を一歩ずつ自立に導くことである。
具体的には、質問されたら
すぐに答えを与えるのではなく、
まず「あなたはどう考えるか」と
問い返す習慣を持つことだ。
社員は最初こそ戸惑うが、
繰り返されるうちに「自分で考えねば」
という意識が芽生える。
それでも答えられない場合には、
ヒントを与えながら自力で
答えに近づける経験を重ねさせる。
この過程こそが、甘えを自立に
変える重要な教育である。
一方で注意しなければならないのは、
経営者が甘えに付き合いすぎると、
他の社員が疲弊するという点である。
甘えたがりの社員に過剰に時間を割けば、
真面目に働く社員が「不公平だ」と感じ、
やる気を失ってしまう。
だからこそ、
社長には線引きが必要である。
甘えを成長の糧に変える段階までは
粘り強く寄り添う。
しかし、何度も同じことを繰り返し、
自ら改善の意思を示さない場合は、
毅然とした態度を取らねばならない。
甘えたがりの社員には、
「期限付きの課題」を
与えることが効果的だ。
「来週の会議までに自分なりの案を
3つ考えてくるように」と課題を渡す。
期限と成果物が明確になることで、
本人は「自分で考える責任」を負う。
さらに、その結果を評価することで
「甘えを克服した成功体験」が積み重なる。
それがもし取り上げるほどの提案で
なかったとしても、その場では
「提案を出してきた」ことを褒める。
評価することが大事だ。
経営者が意識すべきは、
甘えを完全に消すことではない。
人は誰しも甘えたい気持ちを持つ。
それを全否定すれば、
社員は心を閉ざす。
大事なのは「甘えを放置せず、
自立に変える仕組み」を会社として
持つことである。
社員が安心して相談できつつも、
自ら考え、挑戦する風土を作る。
そのバランスを設計できるかどうかが、
経営者の腕の見せ所なのである。
甘えたがりの社員に
どこまで付き合うか?
時間もかかるし、手間もかかる。
育成に必要な範囲まで、
付き合うことが必要となる。
依存を助長する付き合い方は、
本人にも組織にも毒となる。
一方で、自立に導く付き合い方は、
会社の未来を育てる投資となる。
経営者はその境界線を見極め、
社員と向き合わねばならない。
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