池本克之です。
社長はよく「社員の声をもっと聴け」
と言われる。
しかし現実には、
日々の忙しさやすでにもっている経験から
「その話はもうわかっている」
「あとで聴くから!」などと
言ってしまっていないだろうか。
私もかつてそうだった。
何度同じことを言われなくても
すでに分かっていることだし、
正直、そんなことに時間をとられるのも
もったいないし、面倒だな、と思うことも
しばしばあった。
だがある企業の社長と話していた時に、
その社長が毎朝ブリーフィングをしていると
いうことを聞いて、こんなに忙しい大企業の
社長職の人も時間をとって
「社員の声」を聴いているのか、
とその大事さに気づかされた。
社員の声を聴くというのは、
内容の正しさを判断することではない、
ということだ。
社員が語るのは
事実よりも「感じ方」である。
「しんどい」
「うまくいかない」
「こうした方がいいと思う」
その感じ方を受け止めることこそが、
信頼関係をつくる第一歩になる。
社長が聴かない会社では、
社員は次第に口を閉ざす。
表面上は静かでも、
心の距離は遠のいていく。
もちろん、
全ての意見に従う必要はない。
経営者として決めるのは
社長の役割だ。
しかし決断の前に
「一度は最後まで聴く」。
これだけで社員は
「自分の声が会社に届いた」と感じ、
納得感を持って動いてくれる。
経営は数字や戦略だけで
動くものではない。
組織をつくるのは人であり、
人は聴いてもらうことで力を発揮する。
だからこそ、社長に必要なのは
答えを急ぐことではなく、
耳を傾けることなのだ。
お電話かフォームにて
お気軽にお問い合わせ下さい。
皆さまからのお問い合わせ、お待ちしております。

お電話受付時間:10:00~17:00