池本克之です。
社長がよく陥る勘違いのひとつに、
「給与は他人には知られていない」という
思い込みがある。
だが、現実はそうではない。
社員同士は、休憩時間の会話や飲み会、
あるいは転職サイトの公開情報を通じて、
自分たちの給与水準を
ある程度把握している。
時代は変わった。
いまはSNSを検索すれば、
同じ職種の平均給与は簡単に出てくる。
つまり、社員は自分が
「相場の中でどこにいるのか」を
敏感に感じ取っているのである。
一方、社長は
「給与は密やかなもので比較されていない」
と信じている。
そのギャップこそが問題だ。
不公平感は小さなさざ波から始まり、
やがて大きな不満のうねりへと変わる。
「なぜあの人がこれだけもらって、
自分はこの額なのか?」
その答えを会社が示さない限り、
社員は勝手に推測し、
勝手に不満を膨らませていく。
2026年の今、
状況はさらに厳しい。
物価はじわじわと上昇し、
家計の圧迫は社員にとって
現実の痛みとなっている。
加えて、有効求人倍率は高止まりし、
人材の奪い合いは熾烈だ。
中小企業にとって「給与水準の低さ」は、
優秀な人材を採用するどころか、
今いる社員をつなぎ止めることすら難しくする。
だからこそ、
給与は「額」以上に
「説明」が重要になる。
社員は金額の大小だけでなく、
「どう評価され、どう決まったのか」を
知りたいのである。
納得感のない報酬は、
いくら数字を積み上げても
不満を消すことはできない。
逆に、たとえ額が少し見劣りしても、
その根拠が透明で理解できれば、
社員はある程度納得する。
給与は、社長と社員の信頼関係を映す鏡だ。
社長が「秘密にしておけば大丈夫」と
思っているのは幻想に過ぎない。
比較は避けられないのだから、
むしろ正面から向き合い、透明性を高め、
未来に希望を持たせる制度をつくることが、
いまの経営者には求められている。
給与は他人が知らないはずだと思っているのは、
実は社長だけ。
社員の目は鋭く、そして現実は厳しい。
だからこそ、逃げずに、
給与を通じて信頼を築くべきなのである。
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