トップのメッセージが忘れられる理由

池本克之です。


人間は、忘れる生き物だ。


嫌なことや失敗したことも
時が解決するなどと言われているとおり
実際には忘れることができる。


鮮明に記憶しているようなことでも、
少なからず徐々にその記憶は
薄くなっていく。


仮に覚えていたとしても、
時にその記憶はまったく違うものに
塗り替えられたりする。


それほど、人間の記憶というのは
曖昧で不正確なものなのだ。


・・・・・・・・・・・・・・・


では、トップが従業員に
大切なメッセージを伝えた時も、
やはりそのメッセージは
だんだんと従業員の記憶から
なくなっていくのだろうか?


おそらく、何もしなければ
そうなっていくだろう。


1ヶ月後には何も覚えていない
という人もいるかもしれない。


しかし、私たちには
「これだけは忘れてほしくない」
というようなメッセージも
あるのではないか。


例えば、会社のミッションや
ビジョン、バリュー。


会社が進む方向性や
仕事に対する姿勢など。


仕事をしていく上で大切なことは
忘れてほしくないと思うだろう。


そして、その通りに
行動してほしいと思う。


しかし、実際のところ
多くの企業では、


社員に伝えたつもりが
伝わっていなかった…


言ったことと違う行動を取られる…


さらには、これらが原因で
大変な問題にまで発展してしまった…

などというようなことが起きている。


・・・・・・・・・・・・・・・


では、このような問題を防ぎ、
私たちの考えを社員の記憶に
定着させるためには
どうしたらいいのだろうか?


それにはやはり、
繰り返し何度でも伝えることが
大切だ。


もう何度も聞いたことがある
やり方かもしれないが、
これが最も効果の高い方法である。


もちろん、繰り返し伝えることが
どれだけ大変なことなのかは
理解している。


骨の折れる作業だし、
時間だってかかる。


しかし、経営の神様と呼ばれた
松下幸之助さんも
従業員に繰り返し話をすることを
とても大事にしてきた経営者の一人だ。


若い頃には、
3年近く毎日朝会で自分の考えを
話している。


それは、10分か15分ほどの
話しではあるが、
繰り返し繰り返し自分の考えを
訴えていたのだ。



京セラの創業者である
稲盛和夫さんも同じ。


従業員が数十人、
売上も年間一億円もない
零細企業の時から、


「日本一、世界一の企業になっていこう」


と、事あるごとに従業員たちに
話していた。


その結果、従業員たちは
経営者の考えを理解して動き、

経営者と一緒になって
夢や目標に向かって
力を合わせられるようになったのだ。



繰り返し伝えるということは
決して簡単なことではないし、
気力が必要な仕事でもある。


しかし、会社のトップである経営者が
繰り返し話をすることによって、


自分たちのリーダーは
何を考えているのか?


何をしようと思っているのか?


そして、今、自分たちが
やるべきことは何なのか?


ということを従業員が理解し、
それと同時に行動しようとする
きっかけになる。


何度も何度も繰り返し伝えられることで
経営者の本気度も感じられる。


そして、その熱が従業員に伝わることで
日々の仕事にまで活かされるようになるのだ。


・・・・・・・・・・・・・・・


人間は、忘れる生き物だ。


しかし、何度も繰り返し伝えることで
記憶に定着させることはできる。


だからこそ、
あなたが大事だと思っていることは
事あるごとに何度でも繰り返し
伝えてほしい。


それが全員に浸透した時、
組織はより一層団結し、
どんな障害も乗り越えられる
強いチームとなるだろう。


PS
社員一人ひとりの
生産性を高めたいのなら、
これがオススメだ。

https://pajaposs.com/shop4/?page_id=200

社員の信頼を得る方法

池本克之です。


「会社の情報のすべてを
社員に開示する」


これに対して、
あなたは抵抗があるだろうか?



ほとんどの大事な情報というのは
上層部にしか流れていないことが多い。


それ以外の社員には流れてこないか、
部分的にしか流れてこない、
という状態が多いように感じる。


しかし、私は、
どんな情報であっても
すべてのことを社員に開示すべきだと
考えている。


なぜなら、そうすることによって
社員からの信頼を得ることができるからだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・


多くの社長は、
「これは見られたくない」
「これは知られたくない」
という理由で情報を公開しない。


大事なことは秘密にして、
何もなかったかのように
振る舞う人さえいる。


もちろん、そうすることが
良いことだと思っているから
かもしれない。


社員に余計な心配をかけたくない
という人もいるだろう。


しかし、
大事な情報がほとんど流れてこないと
社員たちは会社に対して
不信感を抱くようになる。


社員も人間なので感情がある。


大事な情報は教えてほしいし、
知っておきたいと思う。


それが、たとえ悪い情報であってもだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・


私は情報を開示することが
重要なことだと考え、

自社の貸借対照表や損益計算書、
売上計画もすべての情報を
オープンにしている。


もちろん、
評価基準や報酬規定なども
明確に記載している。


こうやって、
すべてを開示することにより、
社長と部下、お互いの信頼関係が
強くなっていく。


そして、もう1ついいのは、
よい情報であれ、悪い情報であれ、

社員はその情報自体を
自分の問題として捉える
ということだ。


そして、何をすべきかを
私たちと一緒に考えられるようになる。


例えば、何も知らされずに
「とにかく売上を上げてくれ」
とうるさく言われても、

部下からしてみれば
「何で?」という感じ。


「今月も売上目標は達成しているのに
もっと上げないといけないのか?」
と不満を抱える人も出てくるかもしれない。


しかし、

「今期の売上はこれで、
前年比よりわずかにアップしているが、
設備投資や諸経費にこれだけの
出費があって
利幅がガクンと落ちている。

このままだと、じり貧になる」


と説明すれば、
気持ちも行動も違ってくる。


社員たちはその状況を理解して、

「どうすれば
売上が上がるようになるか?」

「何をすればいいか?」

と考えられるようになるのだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・


情報をすべて開示するのには
抵抗がある人もいるだろう。


しかし、どんな情報であれ
すべてを開示することで
お互いの信頼関係は強くなっていく。



「会社の情報のすべてを
社員に開示する」



それが社員の心を動かし、
会社がよい方向へ向かうきっかけに
なるのだ。



PS
会社がよい方向へ向かうきっかけは、
ここにもあるかもしれない。

https://amzn.to/2nu4tAh

若者の飲みニケーション嫌いは本当か?

池本克之です。


「最近の若者は
飲みニケーションを嫌がる」

「パワハラとか言われたら
かなわないから、
おちおち飲みにも誘えない」


そう考えて、
部下を飲みに誘うのを遠慮している
上司も多い。


昔は、仕事が終わったら
飲みに行くのが当たり前。


飲み会も仕事の一環だと捉えている
人も多かっただろう。


なので、尚更いまの若者の
考え方や価値観は理解しにくく、
扱い方が難しいと感じるのもよくわかる。


しかし、実際のところ
若い部下たちはどうなのだろうか?


本当に嫌がっているのだろうか…?


・・・・・・・・・・・・・・・・


バカルディ・ジャパンが
「働き方改革と
社内コミュニケーションの実態調査」の
一環として行った調査によると、
ある意外な真実が見えてきた。


それが、


20代の過半数が
「飲みニケーション」は
社内の円滑なコミュニケーションに
役立つと思っている、


ということだ。


飲みニケーションを
嫌がっているというより、
むしろ意義あるものと捉えていることが
わかった。


もちろん、
このような若者だけではないのは
確かだろう。


一部の人は、
飲み会に対して「行きたくない」と
強烈な拒否感があるのも事実だ。


だが、上司と一緒に飲むことより
プライベートを優先する世代の中にも、
このような考えを持っている
若者がいるのも事実である。


ただ、いまの若者は
飲みニケーションに質を求めている
傾向がある。


質というのは、
会話やコミュニケーションの内容
といったものだ。


例えば、飲み会の場で
仕事と関係がない過去の武勇伝を
延々と聞かされたり、

仕事上の自慢話を延々と聞かされる、
というようなことが続けば、
「もう行きたくない」と思うだろう。


実際、これは部下に限らず
誰でもそうなのではないか。


しかし、そうではない場合、

飲み会は部下にとって
職場以外での先輩や上司の素顔を
見られるチャンスでもある。


また、
飲み会だからこそ言える話
というのもあるだろうし、
飲み会を通して相手のことを
よく知れるというのもある。


そして、それだけではなく、
部下から上司に話しかける
きっかけづくりにもなる。


今は、職場では
仕事の話以外はほとんどしないという
ところも多いだろう。


仕事上の付き合いだけに
なっている人も大勢いる。


そのような中で、
親しくなるというのは
なかなか難しい。



実際、私も
会社では常に冗談を飛ばして
部下とはフランクに接しているつもりだ。


しかし、それでもやはり
社長と社員という関係上、
その間には見えない壁があると
感じている。


その壁を取り払うためには、
会社以外の場でコミュニケーションを
取るしかない。


・・・・・・・・・・・・・・・・


「最近の若者は
飲みニケーションを嫌がる」


そう思っている上司も多いが、
中には上司との飲みニケーションを
意義あるものと捉えている若者もいる。


直接的なコミュニケーションが
減っている時代だからこそ
そのような機会をうまく活用し、
部下との関係性を構築していくべきだろう。



PS
「いまどきの若者が何を考えているのか
わからない…」
そう思うのなら、これがお役に立てる。

https://amzn.to/2lNZ1b6

結果が出る会議

池本克之です。


会議とは、
一体何をする場だろうか?


必要な人が集まって、
話し合いをする場だろうか?


いや、それだけではない。


会議は、何らかの
「意思決定を行う場」だ。


そして、
何かを決めるための会議や
ミーティングは、

基本的には少人数、
短時間で終える努力をすべきだと
考えている。


なぜなら、人数が多くても
結局、何も決まらないということが
よくあるからだ。


中には、途中から話が大きくズレて

「一体この会議は
何について話し合っているのか?」

ということがわからなくなる
パターンまである。


こんな状態では
時間を無駄にしているのと同じだ。


会議やミーティングは、
必要な人が必要なときにパッと集まって
パッと終えるのが一番である。


会議室はサッサと出て現場に戻るほうが
組織としても健全だ。



しかし、多くの企業では
まだまだ時間の浪費になっている
会議が目立つ。


長い会議は、
「人時生産性」を下げる
元凶になることを
私たちは理解しておかないといけない。



例えば、
役員全員を集めての幹部会議に
だらだら時間をかけていると、

それだけで100万円、200万円は
すぐに吹っ飛ぶ計算だ。


それだけ価値のある会議ならいいが、
本当にそこまでする必要があるのか?

他に方法はないのか?


と、会議に参加するメンバー
一人ひとりが意識を持つ必要がある。


そうじゃないと、
せっかく集まって話し合っても
何も決まらない、

誰も発言しないとなれば
会社としては大損害だ。


実際、会議をしている間は
売上を上げているわけでもない。


それに、そもそも人間の集中力は
そんなに長くは続かない。


会議は30分くらいがベストだろう。


だいたい15分刻みでテーマを設定し、
15分で決められるように準備してもらう。


30分で2本、長くても3本45分。


準備不足だと思ったら、
担当者に「15分後に集まろう」と言って
準備しなおしてもらう。


それぐらい会議は短時間で議論し、
結論に到達するという意識をもって
臨むことが重要なのだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・


会議やミーティングは、
自分や組織の足りない部分に気づく
良い機会でもある。


だからこそ、
決してムダにはできないし、
するのであれば
きちんと目的を持ってやるべきだ。


会議は、何らかの
「意思決定を行う場」。


これを意識して、
お互い無意味な会議にならないように
工夫していこう。



PS
効率のいい会議をするなら、
ここにもヒントがあるかもしれない。

https://amzn.to/2lT399W

社内のスーパープレイヤー

池本克之です。


組織の中には、
「この人はスーパープレイヤーだ」
という人が1人くらいはいるだろう。


このような人がいれば
会社としてはとても安心だ。


毎月、安定して売上を上げてくれるし、
こちらが指示をしなくても
自分で考えて行動してくれることも多い。



しかし、その一方で、


スーパープレイヤーが
会社からいなくなってしまうと
大変なことが起きるようになる。


最も影響を受けやすいのは
売上だろう。


今まで安定して上がっていた売上が
その人がいなくなることで
急に落ちるようになる。


もちろん、
スーパープレイヤーの代わりを
他の人がすればいいのだが、


多くの場合、
スーパープレイヤーに
おんぶにだっこになっているので
突然、代わりをやれと言われてもできない。


他の人はやり方を知らないので、
再現することができないからだ。


その結果、
社内は混乱するようになる。



どんな人も、
いつどうなるかなんてわからない。


それを考えれば、
スーパープレイヤーに
おんぶにだっこになるのは
組織にとってどれだけリスクが高いか
わかるだろう。


・・・・・・・・・・・・・・・・


では、スーパープレイヤーが
いなくなったとしても、
安定して売上を上げていくためには
どうしたらいいのだろうか?


その答えはとてもシンプル。


日頃から
スーパープレイヤーのノウハウを
共有しておけばいいのだ。


そして、そのノウハウを
仕組み化しておく。


これができれば
強いチームになるのは間違いない。



例えば、後輩に教える業務を
積極的に任せてみたり、


チームで勉強会を開いて
みんなにノウハウを教える場を設ける。


などというのがいいだろう。



スーパープレイヤーに
人に教える側へ回ってもらうように
するのだ。


そうすれば、
組織にいる人の多くが
スーパープレイヤーのノウハウを
知れるようになる。


そして、その人と同じように
再現できるようになるのだ。



また、これはメンバーだけに
メリットがあるわけではない。


スーパープレイヤーにも
メリットがある。


それは、自分がやっていた仕事を
他の人に任せることで
自分の時間が空くようになる、
ということだ。


それにより、
もっと重要な仕事。


例えば、
売上を上げるための施策を考えたり、
商品改善や新商品の作成などに
多くの時間を使えるようになる。


・・・・・・・・・・・・・・・・


「あの人しかやり方を知らない」
というのは、
会社にとって大きなリスク。


スーパープレイヤーが
突然いなくなっても
現場が混乱しないために、


今からでも
スーパープレイヤーのノウハウを
組織にいるメンバーと
共有しておくことをオススメする。


それが、継続して繁栄を続ける
会社を創ることにも繋がっていくのだ。



PS
もしあなたが、
今いるチームをもっと強くしたいと
思うのなら、
これもオススメだ。

https://amzn.to/2ns65KU

労働型?経営型? あなたはどっち?

池本克之です。

世の中には、2種類の社長がいます。
労働型社長と、経営型社長です。




労働型社長は、
自らがトップ営業マンとして
会社の仕組みを率先して動かすような社長。
あらゆる分野で自分で確認しないと気が済まず、
社員になかなか仕事を任せることができない、
会社が大きくなるに従って、
自分が忙しくなります。


一方、経営型社長は、
会社の仕組みの外にいて仕組みを作ったり、
改善するような社長。
会社のミッション・ビジョン・バリューを定めたり、
会社の仕組みの構築、改善に注力する。
基本的に仕事は社員に任せているので、
仕事の時間が短く、
勉強などのインプットの時間は多い、
余暇も十分に取ることができる。
会社が大きくなっても、
自分の忙しさは変わりません。


こんな特徴があります。




会社が小さい間は、
自らがトップ営業マンとして
会社の売上を作っていく必要があるのは、
正直なところやむを得ない面があります。


しかし、
従業員が10人、20人、30人と
増えていくに連れて、
そんな自分が売上を作るような社長も、
次第に経営者としての
側面を身につけていかないといけません。


中小企業の場合、
完全に経営型社長に振り切ることは難しいでしょうが、
少なくとも『経営』や『
マネジメント』の能力を磨いたり、
会社の仕組みを整えること、
改善することに着手していく必要があります。


ここ数日お話している、
関通の達城社長も、
トップ営業で次々と受注を取ってくる状態から、
会社の仕組みを整えて、
スタッフが最大限のパフォーマンスを
発揮するための仕組みづくりに力を入れることで、
さらなる成長を実現することができました。

営業は他の人にやってもらうことができますが、
会社の仕組みを変えることは、
社長であるあなたにしかできません。

あなたがもし、
3億、5億の壁を越えて、
それ以上の規模に会社を成長させたいと思ったら
1人のスーパー営業マン=あなたの力
では不可能なのです。


そこで必要になってくるのが、
『チームの力を使うこと』であり、
『スタッフに最大限のパフォーマンスを発揮してもらうこと』

私が常々お伝えしていることはこのことなのです。



経営の神様と言われる、
松下幸之助は、

「どうして、
あなたは一代で日本を代表する大企業を
つくることができたのですか?」

という記者の質問に対して、

「学歴がなく、病弱で貧乏だったから。」
と答えたといいます。

病弱だったから、
あまり体を酷使して働くことができない、
学歴がないから、
自分より知識のある人に判断してもらったほうがいい、

そういう考えで、
社員への権限移譲を進めたとのことです。



たとえ、あなたの学歴が高く、
健康な体を持っていたとしても、
社長1人で成し遂げることができるものよりも、
スタッフ1人1人が活躍して、みんなで成し遂げることの方が、
より大きいということは明白です。

あなたの働いている時間のうち、
経営者の仕事(仕組みを作る、改善する)に
使っている時間はどれくらいでしょうか?

「1かがみ、1歩のムダも減らす」

池本克之です。

それではお待たせしました。

『ブラック企業』としての指導を受ける
直前だった関通の達城社長が、
いかにして1人月80時間という
長時間労働から解放され、
『総務2人で850(昨日と同じ数字)
人の会社を管理している』という
極めて労働生産性の高い社内体制を作っていったのか・・



キーワード①
「働き方改革とは、
やらなくてもいい仕事をなくすこと
=『会社の仕組みを変えること』
であり、それは社長の仕事である」

労働基準監督署からの指導が入る目前だった達城社長が、
取り掛かったことが、

『業務のあらゆる無駄を徹底的に取り除くこと』

まずはじめに取り掛かったことが、
『会議の回数を月10回から、月1回に減らすこと』
多くの企業で無駄な会議の存在が指摘されています。

パーソル綜合研究所によると、
1万人規模の大企業では、
1年間に約15億円の人件費を無駄な会議に
費やしているとのことです。

関通でも多分にもれず、
あまり効果的でない会議が複数ありました。
会議の内容を見直した結果、会議の回数を
1/10までに減らすことができました。


次に取り組んだのが、
顧客とのコミュニケーションの無駄を取り除くこと。

それまで関通では、取引先との様々な
やりとりを電話で行っていました。
それを取引先の理解も取り付けた上で、
緊急時以外の連絡をメールで行うことに。

倉庫での梱包、発送業務の最中に、
いちいち電話をかけるために作業の途中で
中断をするということがなくなり、
作業の合間にメールでの連絡をすることで、
作業効率が大幅にアップしました。


達城社長は、
会議の時間を減らし、
顧客との連絡方法を簡素にすることの2つで、
大幅に残業時間を減らすことに成功しました。

見直された、会議も、顧客との連絡も、
会社の中で当たり前の業務として行われていたものです。

それを変えることができるのは、社長です。

たとえ現場で不満を持っている社員がいたとしても、
ここまでの改革を普通の社員、
ましてやパートさんが主導することは、
難しいでしょう。

社長自らが、主導して改革を行うことで、
スピード感を持った改革ができたのです。

「社長の仕事は、会社の仕組みを作ること」

達城社長はそういっています。





キーワード②
『1かがみでももったいない』

会議のムダと、取引先との連絡手段の変更で残業時間を
大幅に減らした達城社長が次に取り掛かったのが、

『無駄なこと、やらなくてもいいことはやらなくていい』
と、徹底的にスタッフに教え込むことでした。

現場の無駄は、現場で作業するスタッフが一番多く知っています。

これまで、現場の作業に不満を持っていたり、
改善案を持っていたスタッフたちも、
改善の提案をすることがいいことだと理解できて初めて、
積極的に改善の提案を出すことができます。

関通でも、全社的な活動として、
『ムダ取り活動』を推進、

日々、スタッフからの改善提案を募集し、
効果のある改善策は全社に展開。
また、改善策に対する報酬制度も整え、
会社全体で生産性の改善に取り組みました。

その象徴となるのが、
『1歩、1かがみの無駄を取り除く』
ということです。

実際に、倉庫の掲示板には、
たくさんの改善するための作業ポイント
が書かれています。

スタッフの改善提案から生まれた
業務改善の一つを紹介しますね。

たくさんのネットショップの梱包、
配送業務を請け負っている関通では、
商品の袋づめを1人当たり平均200回行っているそうです。

その作業を16秒から、9秒に削減することが、
「かがんで包装用の袋を取り除く手間を削減すること」でした。

包装用の袋の置き場を、机の下から、机の横に変えることで、
『7秒』を節約することができたのです。

『7秒』と聞くと、それくらいと思えますが、
1回あたり7秒ですので、1日1人当たり7×200
= 1400秒(23,3分)
の削減になるのです。

これで、一人当たり月約8時間の残業代節約になります。

『1かがみ』の削減、おそるべしですね。




いかがでしたでしょうか?
あなたは、達城社長のストーリーから、
何を学びますか?

2つの大きなポイントがあります。


①働く仕組み(会社の仕組み)を変えるのは、
社長の仕事である。

②現場のスタッフから改善の提案が
どんどん出るための仕組みを
作ることです。


『社員が自ら自律的に行動する組織を作る』
これは私がいつもお伝えしている組織学習経営の
理想の形でもありますが、
同時に、組織学習経営を取り入れると決めることは、
社長にしかできない仕事でもあります。



ここから、関通の生産性がどんどん高まっていくのですが、
話が長くなってしまうので、
850人を2人で管理する直接の秘密については
また今度のメルマガでお話しします。



PS.
関通が『ブラック企業』だった時の話をまだみていない方は、
昨晩のメルマガをご覧ください。


PPS.
実はこのストーリーは、NHKの番組、
『ルソンの扉』でも取り上げられています。
気になる方は、下記のURLよりご覧ください。
↓↓↓
https://myasp.pajaposs.com/l/m/tBfaudX7te8nkH

社員数850名の会社の総務が2人?(しかも1人は新人?)

池本克之です。



今回は、たった2人の総務部、
しかも20代の若い女性、
で850人の社員を管理している会社をご紹介します。

この会社は、
関通という物流会社で、
今年の5月に私のテレビ番組にも出演いただきました。
また、昨年楽天と提携したことで、
ネット通販の業界で大きな話題にもなりました。


総務2人で850人の会社を管理している秘密をお話する前に、
まずは、関通が今の状態に変わる前の話をさせてください。



株式会社関通は、達城久裕社長が、
軽トラ1台から一代で築き上げた会社です。
(そのストーリーが面白いのですが、今日のテーマから脱線して
しまうので、来週水曜日のメルマガでお話しします)



達城社長は、チャレンジ精神の塊のような方で、
現在まで続いている物流事業をはじめ、様々な仕事に挑戦した結果、
ネット通販の物流代行で業績を伸ばして行きました。

当時からネット通販が活発になっていたという時代背景もあり、
売上もスタッフの数も急成長しました。



しかし、いいことばかりではありませんでした。

顧客の数はどんどん増えていくので、
それに合わせて急いでスタッフを採用するものの、
教育が追いつかず、一つ一つの作業に時間がかかってしまう。

その結果、スタッフの残業時間は
月に平均50時間が当たり前の日々になっていました。

もちろん、そんな状態では、せっかく入社してくれたスタッフも
ストレスを抱えて、どんどん退職していってしまいます。

しかし、そんな状態でも会社の業績は急成長していますので、
当時の達城社長は目の前の仕事に対処するのが精一杯でした。

長期的な視点で、重要だとわかっていながらも、
労働環境の改善に注力することはできずにいました。

そんなある日のこと、社長に一本の電話がありました。



==========================
電話:「プルルルル」

達城社長:「はい、関通の達城です。」

相手:「私、東大阪労働基準監督署の○○と申します。
実は、おたくの会社について、これまでにおたくの会社を
退職したスタッフの方々から残業が多いとか、
よくない噂がたくさん出ているようでして・・
一度職場の見学と、ヒアリングのお時間をいただけますでしょうか?」

達城社長:「・・・・」
==========================



いわゆる『ブラック企業』として指導を受ける直前でした。

「・・こらあかんやろ・・」

今までも必死にやってきてはいましたが、
この体制で働き続けると、必ずどこかでツケが回ってくる。

流石にまずいと認識した達城社長は、
ここから社内体制の改革に取り組み始めます。




その時の取り組みが、いま関通が成功している秘訣であり、
『総務2人で850人の会社を管理している』
という社内体制の原型になっているのですが・・

さて、達城社長は何をしたのでしょうか?

続きは、また明日、お話したいと思います。

部下の目標設定について

池本克之です。


目標のない仕事はありえない。


目標を設定しないと
目先の仕事に追われるだけ。


これでは、成長もしにくいし、
やりがいも感じにくい。


だからこそ、
今すぐには実現できないような
大きな目標を立てるのも、
モチベーションをアップさせるためには
重要なことだ。



ただし、ここで大切になってくるのが
目標の立て方。


上司は、部下に
適正な目標を立てさせる必要がある。


「立てさせる」というのは、
目標はまず部下が自分で考え、
上司がアドバイスを行って
調整するべきものだからだ。


決して、部下任せにしてはいけない。


というのも、


部下の中には
「目標は高ければ高いほどいい」
と思うのか、
非常にチャレンジングな目標を
設定する人もいる。


かと思うと、謙虚なのか、
自分を過小評価しているのか、
低すぎる目標を設定する人もいる。


なので、目標を決める時には、
部下任せにするのではなく、
上司も関わっていかなければならない。


・・・・・・・・・・・・・・・・


適正な目標というのは、
一体どんな目標なのか?


それは、高すぎず、
低すぎない目標のこと。


つまり、

「ちょっと背伸びをすれば
手が届くかもしれない」
と思えるラインが最適だ。


上司は部下の力量をしっかり見極め、
「ここならなんとか届くだろう」
という絶妙な目標を
一緒に立ててあげることが重要だ。



例えば、先ほどの
非常にチャレンジングな目標を
設定している部下には、


「意気込みはわかるが、
それは難しいだろう。

自分で自分の首を絞めることに
なりかねない。

その75%くらいのところでどうだ?」

などとアドバイスするといいだろう。


反対に、あまりに低すぎる目標を
設定している部下には、


「そんな目標だと簡単すぎて
君自身の成長に繋がらないかもしれない。

君ならあと20%くらい
上乗せしても大丈夫だろう」


というようなアドバイスをする。


このように、上司は
部下が最適な目標を立てられるよう、
上手に導いてあげる必要がある。


・・・・・・・・・・・・・・・・


目標のない仕事はありえない。


しかし、
どんな目標でもいいのかというと
そうではなく、
部下の力量を見極めて調整していく
必要がある。


正しい目標設定ができれば、
間違いなく結果は出る。


ぜひ、部下に目標設定をさせる時には
部下任せにせず、
積極的に上司も関わっていってほしい。


PS
動き出しの早いチームをつくるには、
どうすればいいのか?


それには、ここにヒントがある。

https://amzn.to/2nu4tAh